これまでのあらすじ後編
夏休みが終わり、十月に迫った文化祭。橘たちのクラスはお化け屋敷をすることが決まっているので、早速準備に取り掛かる。
橘がダンボールを友人と集めていると、高橋のことを知る一年生の矢内翠が声をかけてきて、高橋によろしくと告げた。
お化け屋敷のためにビデオ撮影することになった橘たちは、心霊スポットとして有名なトンネルで撮影することに。トンネルに集まった橘たちだったが、そこになぜか矢内の姿が。彼女はただ付いてきただけだというが真意は不明。
結局、撮影は周囲が暗すぎるということで中止となってしまい、代わりに夜の学校で行うことになった。学校の校舎での撮影にも矢内の姿がおり、意味深げな言動してきたが、何かするわけでもなく撮影は終了。
しかし、文化祭が直前に迫ったその時、お化け屋敷で使いはずのダンボールが使い物にならなくなり、その疑惑が橘に向けられてしまう。橘は自分はやっていないと否定するが、日ごろの言動のせいでクラスメイトに信じてもらえず。また、撮影データも紛失してしまい、橘はクラスで孤立しかけてしまう。
橘は気合でダンボールを用意し、高橋らの尽力もあって本番に間に合うが、一人よく思わない人物がいた。矢内翠。彼女は中学時代から高橋のことが好きで、彼の周りに近寄って来た女子生徒を排除していったが、それが原因で高橋から距離を置かれてしまう。高橋も矢内が原因で自分の存在そのものが周囲に迷惑をかけると悩んでしまい、以降は彼が恋愛に対して消極的かつ敬遠するきっかけとなってしまう。
高橋と常に一緒にいて、楽しそうな顔をするのが気に食わなくなった矢内は激高した勢いで橘を刺してしまうが、橘が持ってきた雑誌のおかげで命拾いする。
橘は矢内をはたき、それですべてを終わらせるが、矢内はなぜそう簡単に許すのか理解できなかった。
文化祭が始まり、大きな混乱もなく無事終わりを迎えた。
片付けの最中、橘と矢内はあの件について話すことに。橘はもう終わったことは振り返らない、その後の行動で示せと矢内に言いつけるのだった。
文化祭が終わると次は修学旅行。京都・奈良に行くはずだったが、橘は運悪くインフルエンザに罹ってしまい直前で行けなくなってしまう。
櫛引も体調を悪くしていけなかったこともあり、皆が修学旅行を満喫している最中、二人は距離を縮めていくことになった。
修学旅行が終わるとハロウィンが近づいていることもあって、高橋らが主導してハロウィンパーティーを学校でやろうと橘に誘ってくる。橘は興味ないので断るが、やけにねっとりした言い方をする先生が数年に流行した負のハロウィンのイメージを持っていたこともあり、高橋のハロウィンパーティーに許可を出すことをせず、他の先生を巻き込んで妨害しようとする。また、橘のクラスの担任の本音を聞いてしまい、むしゃくしゃした橘は長谷部に協力を仰ぎ、全校生徒を巻き込んだハロウィンパーティーを開催する旨を書いたポスターを学校内に貼りまくり、SNSでも大々的に宣伝する。
後は高橋が主導してやるだけだが、肝心の本人はそのプレッシャーに耐えかねて、逃げるように早退してしまう。橘は彼の自宅に行き話を聞くことになる。
高橋はその容姿や人柄から頼りにされることや期待されることがプレッシャーとなっていることを告白。またリーダーになることに不安と自身が持てずにいたが、橘のもっと周囲を頼ったらどうか? という言葉にはっとさせられて肩の荷が下りる。
高橋と生徒会の一部のが中心となってハロウィンパーティーは成功に終わり、橘は長谷部とともにひっそりパーティーを楽しんだ。そして、長谷部は橘のいる高校に転校してきて周囲をざわつかせることになった。
十二月となったある日、高橋の下に前生徒会長の白雪奏音が訪れて、地域の幼稚園の子たちを集めてクリスマスパーティーの協力をお願いしてきた。
二つ返事で受けるといった高橋だったが、橘も彼の後をついて生徒会室に行って話を聞くと、現生徒会長が全く頼りにならず、公民館や保護者側と上手くコミュニケーションが取れず難航していたところに、ハロウィンでいかんなく手腕を発揮していた高橋に白羽の矢が立った、ということらしい。
ひとまず現生徒会長は雑務を押し付けて高橋を中心にクリスマスパーティーを進めていくが、白雪が現生徒会長を贔屓し、淡い気持ちを抱いていたこともあって、外部の高橋や他の生徒会メンバーが生徒会長を排除していると激怒してしまい、彼女が実質的な現生徒会長の補佐のような立場になって動き始めてしまう。
高橋らの尽力で軌道修正し、上手いことコミュニケーションが取れていたが、白雪の介入によってすべて崩壊してしまった。橘は現生徒会長を排除するようなやり方は間違っていたと反省し、どうにかして白雪と生徒会長を引き離すべく、彼女に勝負を申し込む。
俺にデレたら白雪の負け。デレなかったら俺の負け。
橘は白雪が生徒会長に想いを抱いていることを見抜き、勝負を挑んだ。
目的は白雪と生徒会のメンバーを引き離し、その間に高橋が上手く生徒会長をコントロールしながら進めることだった。
橘は白雪を生徒会メンバーと引き離すことに成功するが、全く突破口を見出すことができず苦戦。そこで偶然、白雪には弟がいたこと、弟を溺愛していたことを知る。
彼は白雪が亡き弟と生徒会長を同一視して、過去の思い出に閉じ籠っているのではと推測する。
突破口が見え始めたところで生徒会副会長が高橋に告白しフラれ、そのショックで行方不明になってしまう事件が発生。白雪は以前、似たようなことがあり副会長を見つけたことがあるのでネカフェに行った。そこで副会長を見つけて説得し、事なきを得るが、そこで白雪はゲームの面白さに気づいてハマってしまう。
クリスマスパーティーは無事成功に終わり、生徒会長も会長としての自覚が芽生え、高橋の尽力もあって成長を遂げていく。それを傍目から見た白雪は、自分のせいで生徒会長の成長を阻害したことを知った。
また、橘のことはゲームを教えてくれた恩師のような、そして橘にだけ負担が大きく、誰からも感謝されないやり方に同情してしまう。白雪のお節介が働いてしまい、橘の下に彼女が訪れるようになる。
そして年末年始。橘は自分から孤立しに行っていることを危惧された女性陣によって遊びに誘われるが、自分の思いとは全く異なる同情と心配をされていたことに激怒してしまい、連絡を絶ってしまう。
時間が経つにつれて橘は自分が悪かったこと、彼女たちも悪意があってやったわけでないと和解。大晦日、橘の家に高橋と女性陣が集まり、喧しい年越しになるのだった。
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