ねこ

閏閏

ねこ

学生時代、3匹の猫を拾った。


黒白の子、白の子、三毛猫

全員目が閉じていて、うじが湧いていた。


何もわからずコンビニで買ってきた牛乳を飲ませて、家に帰ってきて、初めて、猫を飼うことになった。


1週間もたたずして、黒白の子と、白の子は死んだ。


三毛猫だけが残った。


私はそれまで、猫のことは「ぼんやり」とは好きだったが、圧倒的に犬派だった。


小学生の頃、生徒会長だった人が無類の猫好きで、選挙の際のポスターや、当選した後の生徒会だよりなどに猫のイラストをあしらっていた。

ランドセルについているキーホルダーも猫だったし、水筒の柄も猫柄だった。


その人以外にも猫好きの人は、必ずと言っていいほど、猫グッズを持っていた。


まるで自分のアイデンティティかのように猫を愛していて、私にはそれが理解できなかった。


「猫が好きだからと言って、なんで持ち物まで猫にこだわるんだよ。」

なんてちょっとしらけた目で見ていたくらいだ。

(嫌なこどもだ。)


しかし、猫を飼い始めた途端、私もそちら側の人間になってしまったのだ…!!


自分の名前を書いた後には猫を簡略化したイラストを描いちゃったり、あらゆるお店にある猫グッズを見ては「あ、猫ちゃんだぁ」なんて言ったり、思ったりしている。


ねこ、ねこ、ねこ


何がどうしてあんなに魅力的なのか。

愛らしさとフォルム、美しさと性分。


全てが今では魅力的だ。


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