二蹴 フルチンストライカー千両

 牛尾中学校

 三年 シノブ 千両

 二年 平 サクマヒメ ウラララ‼ ズリネ田

一年 七瀬 羽葉堂


 俺の教室にハルヒはいる。

 俺の教室にリムル様はいる。

 俺の教室に御坂美琴はいる。

 俺の教室にミリンダ姫はいる。

 俺の教室に由比ヶ浜はいる。

 俺の教室に戦場ヶ原さんはいる。

 俺の教室にとがめはいる。

 俺の教室に掟上さんはいる。

 俺の教室に白はいる。

 俺の教室に夜空はいる。

 俺の教室にセシリーはいる。

 俺の教室に黒雪姫先輩はいる。

 俺の教室に姫柊はいる。

 俺の教室に空銀子はいる。

 俺の教室にキノはいる。

 俺の教室にレンちゃんはいる。

 俺の教室にアスナはいる。

 俺の教室はラノベヒロインで溢れ返っている。そして

「サカ神シノブもいる‼」

 ラノベ脳のフルチンストライカー千両勘吉は、サカ神シノブに好意を寄せていた。涼しい顔で禁書を読み耽る彼女を観て、フルチンストライカー千両のフルチンは盛り上がっていく。


「俺はフルチンストライカー千両‼ 俺をサッカー部に入れてくれ‼」

 サッカー部未所属なのに何故フルチンストライカーを名乗っているかというと、彼はサッカークラブに所属しており、そこでFWをやっていたという経験があるのだ。

「あ、千両くん」

「サカ神さん」

 シノブは千両に気付き、少し嬉しそうに微笑む。クラスメイトが自身の部に来るというのは、やはり嬉しいものだろう。千両も勿論めちゃくちゃテンションが上がっている。何故なら、言うまでもなく千両の目的は

「あわよくばシノブさんに俺のフルチンをストライク‼」

 というものだからだ。

「欲望が剥き出しだよ、千両くん‼」

「あ、いや違くて。シノブさんのゴールにガンガンシュートを」

「だから剥き出しだって、欲望‼」

「あー、脳が蕩けるぜえ」

 シノブにツッコまれるだけで昇天しそうになる千両だが、この調子でサッカーなど出来るのだろうか。

「今のメンバー表は?」


 FW シノブ 平 千両

 MF サクマヒメ

 DF 七瀬 羽葉堂

 GK ウラララ‼


「平ってのは?」

「あ、俺」

「君、MFになりなよ」

「え?」

「FW三人は多いって。MFサクマヒメって子だけじゃん」

 MFも良いかもなあと考え直す平だが、シノブが少し怒った感じで

「千両くん、平くんと勝負してみなよ」

「良いぜえ。俺のシュート力で黙らせてやるぜ」

「シュート?」

 千両の武器はシュートだったのか。


「何だよ平くんのシュート。強すぎんだろ」

「いや、千両先輩のシュートも上手いっすね。確実に隅を撃ち抜いている」

 威力なら平、制球なら千両といったところだ。

「分かったでしょ、平くんは制球こそ下手だけど、威力は千両くんの比ではない。彼のがシューターとしての適性が高い」

「まあ、確かにそうなんだけど、俺はサカ神さんと少しでも、ん」

 千両の足元に小さい子がいた。小学生が紛れ込んだのだろうか。しかし、やけに可愛い。ゲームのキャラみたいだ。案外千両のストライクかもしれない。

「新入部員が来てたんじゃあああああああああああああああああああああああああああ。コントロール良いから一緒にMFやるんじゃあああああああああああああああああああああああああ。Wパサーじゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


 FW シノブ 平

 MF 千両 サクマヒメ

 DF 七瀬 羽葉堂

 GK ウラララ‼


 千両はサクマヒメの可愛さに嵌まり、案外MFの方が性に合っている気もして、フルチンストライカー改めフルチンパサーとして牛尾中FCを支えていく。それにMFとFWという関係性も良い。シノブへの愛の球を届けるのは、ラブサンタ千両なのだ。思考を切り替えた千両の球はどんどん元気になり、ドラゴンへと変貌し魔を討つ。それこそ神上、サカ神シノブの上の存在なのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

サッカー転生3 原寛貴 @mrndx033

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ