短編創作論〜一万字の壁(三話)

henopon

第1話

気をつけること


まず終わらせる!

明治期、物語は終わらせなくてもいいという作家もいたが終わらせろ。グランドラインどこなんじゃ!落ち着こうか。


一万字までにすると、細かな描写は描きにくくなるということになる。


では、例えば景色の描写では、読者のほとんどが想像できるであろう景色はさらっと描いてしまう。駅や電車など、少々乱暴に描いても知らない人はいないわけだ。


桂米朝師匠は、枕で基礎知識を教えてくれてから噺に入る。これは昔を忘れていく高度成長時代でもあるし、普及に力を注いだからだ。三代目春団治師匠は枕がない。わざとだ。知ってるだろうと。


小三治師匠は「そばを食う所作がうまいか下手かなんてどうでもいい。ときそばという話を楽しんでもらえるかなんだよ」と。


で、短編になると読者に頼らなければならないところが増える。ある意味、地の文が雑に見えるかもしれない。それでいいのではない。


だからこそ言葉選びが大切なんだね。


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