ポンコツVIO「サキノ・コトネ 」
猫野 尻尾
第1話:キャッチーは「ポンコツVIO」
VIO「バーチャル・アイドル・オビディエンスの略」
バーチャルアイドルとは実在しない架空のアイドルのこと。
広義としては美少女キャラクター全般を指す場合が多い。
仮想アイドルとも呼ばれ、特に姿形にコンピュータグラフィックスを用いている
ものについては3Dアイドル、V Rアイドルなどと呼ばれることもある。
人工知能やホログラフィーの進化によってAI搭載のさまざまなバーチャルアイドル
が生まれることになり3DCGで作られ、年齢・経歴・人種などは決まっていなかったりする。
年齢は低く設定され、日本人なのに日本人じゃないみたいな・・・。
妖艶な美女、コケティッシュな少女、人魚、天使、悪魔などなどさまざま・・・。
でもあくまで架空の存在、現実に生きてるわけじゃない。
実際、人間の女性は性格や意思を持ってるだけに恋人に持つことになんらかの
リスクを背負うってこともあって、そんな心配がいらないバーチャルアイドルに
癒され笑顔と元気を取り戻す若者が多くいた。
そして、ここにもそんなアイドルに癒されてる高校生がいた。
彼の名前は「
ちまたに登場しているバーチャルアイドルは選べるくらい多く存在する中で
やはり自分の好み、タイプに見合った子が一番いいに決まってる訳で、正平が
夢中になってるバーチャルアイドルは「SAKINO・KOTONE/サキノ・コトネ」
って子。
ちょっと天然・・・キャッチーは「ポンコツVIO」・・・ってことだけど
そのまんま、ちょっとドジであざと可愛いところに正平はハマっている。
現実と虚構が入り混じって、正平は思い余って実際ににコトネに会いたいって真剣
に思っていた。
正平と同じ妄想を描く奴は山ほどいるだろうけど、どんなに願っても架空の世界に
いるキャラが現実に現れるわけがない。
絶対そんなことはありえない話・・・だけど世の中絶対なんてことはない。
実際、井戸から出て来る幽霊とかテレビの画面から現れる幽霊だっているわけで・・・まあ、そっちはホラーだけどね・・・こっちは幻想。
で、正平はパソコンのディスプレーに映ってるコトネに話しかけていた。
コトネはAI搭載のキャラだから、正平と対面で話せるのだ。
コトネを手に入れた他のユーザーもみんなそうやってディスプレー越しに個別に
コトネと話をしている。
「ねえ、コトネちゃん・・・お願いだからそこから出てきてよ」
「無理言わないで・・・出られる訳ないでしょ?」
「そんなこと言わないでさ・・・僕、君に触れてみたいんだ・・・目の前で
君の吐息を感じてみたい・・・生きてるって感じてみたい・・・バーチャルとか
じゃなくてさ・・・」
「私もよく分かんないけど・・・広いネットの世界のどこかに現実に出られる
ルートって言うかホコロビがあるって話は聞いたことあるよ」
「最近の情報ってフェイクが多いからガセネタかもしれないけど探してみるね・・・でもアテにしないでよ」
「うん・・・待ってるからね・・・絶対見つけて僕のところに来てよ」
正平のそれはほぼ病気のようなものだった、バーチャルアイドルと現実世界で
必ずコミュが取れると信じていた。
思いを突き通せば願いは叶うとはよく言ったものだが、正助眠るギリまで
待ったが結局コトネからの吉報はなかった。
そして、まさかのありあえないことが起こったのは次の朝のことだった。
正平が目覚めると自分の左腕がやけに重いって感じてふと見ると、そこにブルー
の髪色をした女が自分の腕枕で寝ていた。
「まじでか?・・・コトネ?」
現実世界で架空のコトネに会いたいと言ってた正平だったが、いざ本人の寝てる
姿を目の前にしてアドレナリン出まくりのまま唖然とコトネを見ていた。
つづく。
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