なんだかんだ面倒見の良いツンデレ妹との日常
蒼空豆
第1話『妹は可愛い』
やあみんな!俺だ!!絶賛ニート中だぜ!
これには海よりも深い事情と、山よりも険しい道のりがあってこうなっている。まあ簡単に言うと上京して起業して一時は大成功でウッハウハだったけど付き合ってた彼女に金全部持ち逃げされちゃった☆それから経営が傾いて借金だけ作って地元にカムバック!!現在ニート!←今ココってなわけ。
26歳にもなってまさか地元に戻り、親のスネをかじるとは予想もしていなかった。そして予想もしていなかった事がもう1つある。
…久々に帰ったら妹がめっちゃ可愛くなってる。いや!?成長して大きくなったのもあるだろうしね!?でもこんなに可愛かったっけ。ちなみに金持ち逃げした元カノのせいで絶賛女性不信です!女の子コワイ……
あんなに小さかった妹がこんなに大きくなってお兄ちゃん誇らしい。ツインテールが良く似合うような可愛らしい小学生だった妹が今は高校一年生にもなって黒髪ロングである。
…なんか髪のツヤ良くない?めっちゃいい匂いするし彼氏とか居んの?好きな男とか居たりすんのか?この野郎!お兄ちゃん認めませんからね!もし!!どーしても!!付き合いたいと言うならお兄ちゃん審査を通ってからにしてください!まあ、落とすがな!ガハハ!!
そんな俺の思いと裏腹に妹の態度は冷たいでものであった。
「え?お兄ちゃん帰ってきたの?はぁ…」
何故ため息を着くんだマイシスター。
ゑ?お兄ちゃんのこと嫌い?嫌いなの?
割と昔仲良かった気がするよ?や、やめて!
そんなゴミを見るような目で見ないで!
──閑話休題
そんなこんなでまず職を探そうと思ったが
どうにもやる気が出ない。というか数年は少し休んでいたい。向こうにいた時は大変だったからなぁ…しみじみ。と言ったところである。なので少しだけニート生活を満喫したい。
そんなことを言っていると妹が
「は?働きなよダメ
お兄ちゃんが心臓発作で死んでしまいます!
愛と優しさを持って接してください!!
ぐ〜………お腹が鳴ってしまった。
…恥ずかしい。仕方ないだろまだ何も食べてないのだ。
「お兄ちゃんお腹減ったの?」
「うん。
「誰がママだ!!」
「お願いママ〜ご飯作って作って〜」
「キモ」
ガチトーンである。お兄ちゃんショック。
「はあ…お兄ちゃんは仕方ないなぁ…」
そういってご飯を作り始める妹。とても可愛い。好き。愛してる。結婚して。ジトーっと見つめてくる妹。
「どうかしたの?」
「いや、今なんか気持ち悪いこと考えてそうだなって」
何故バレた。エスパーなのか。
「何故バレた。エスパーなのか。」
「やっぱ考えてたんじゃん。」
な、なに?!読心術まで!!こいつ、できるッッ!!なんてアホな事を考えてると妹はご飯を作り終えていた。
「…んっ」
無愛想に渡してくる妹。そんなとこも可愛い。
「ありがとうマイシスター」
「いーよ。貸し1ね」
「お返しはお兄ちゃんの愛でいいかな?」
「返品で」
「返品不可です」
「交換で」
「一点物につき返品交換は受け付けてませんご了承ください」
「西野カナか!!」
妹からのツッコミ効くゥ〜!!
「…ねえ」
「どうした我が妹よ」
「お兄ちゃんは彼女とか居ないの?」
「…その質問は今の俺に効く」
「ごめん…質問を変えるね」
「彼女作る気あるの?」
「いや、今は無い」
というか女性不信である。女の子は好きだけどね。めちゃくちゃ好きだけどね。
「ちなみにどんな子がタイプなの?」
「ん〜、顔がいい子」
「うわぁ…」
ドン引きである。誰だってそうだろ!!
「私の友達可愛いからって手出さないでね」
「へえ、そいつは楽しみだ」
「話聞いてた?」
「お兄さんが手取り足取り教えよう」
殴られた。これは致し方ない。
「まあでも、今正直女性不信だし」
「彼女とか当分良いかな」
「…ふーん」
なんだその含みあるふーんは!!
お兄ちゃんの事馬鹿にしてるのか!
といった感じで俺の地元でのニート生活が始まった。とにかく今日分かったことは『妹は可愛い』である。
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