相対メタ時間の必要性
あるメタ時間n,n'があるとします。原点はわからないのでメタ時間ベクトルN,N'の向きはわかりません。
また過去をn'<nを満たすN'メタ時間ベクトルとします。
このときn'=n-lを満たす時間ベクトルL(N-L=N')の大きさlを考えます。
N-N'=Lとすることもできるので、n-n'=lと変形でき、また0<n,0<n'及び過去の定義より0<l<=nとなります。
すなわち過去と現在のメタ時間の差は正です。
ここでN=Lとなる場合を考えます。(現在から原点となる過去を決定する)
そうするとN'=0となってしまいます。しかしそれはn'がメタ時間となる条件0<n'を満たせません。
つまり任意の過去n'についてそれを原点Oとした場合、過去n'は過去では無くなってしまうのです。(l<n)
0<l<nとなる以上現在からどれだけ小さいn'を考えても原点とするべき過去は存在せずつまりメタ時間nを決めるための原点Oはメタ時間上には存在していないことになります。
つまり時間ベクトルが0のときメタ時間ベクトルという概念は成立しません。
またメタ時間nは常に正ですから、メタ時間nはn<=0となる状態に対して定義されない、つまり時間ベクトルが成立する前の状態は扱えないことを示しています。
時間が連続していて過去は無限に存在すると考えると0<<n'<nとなり任意の過去はメタ時間が成立するために十分原点から離れていると考えることもできます。
これは時間が正の値のみを取るにも関わらず一方向性を持つことのうち過去から現在に対して説明できたことになります。時間は過去に対して開区間であるわけです。
ここでn'が0となることが許されないのは全ての過去を考えているということに注目します。
つまりある時点n'を原点O'としてそこからの時間ベクトル領域を考えます。
すると原点O'は決められているので原点からの距離lは原点O'からの相対メタ時間nrを決めることができます。(N-N'=LよりN=L)
つまり現在利用されている時間は相対メタ時間で基準となるある時空間座標より前の時間については存在していない。今の基準によって過去の時間は厳密には測ることができないことも示しています。時間の基準を変更すれば時間は基準よりも前の状態に対して連続性を持ちません。
つまりビックバンを相対メタ時間(これまでの概念としての時間)の原点と考える理論ではビックバン以前のことについて時間の性質を利用することができず、因果律を決定することができません。
しかしメタ時間はビックバンを過去と捉えるならばそれ以前の状態に対してなんらかの因果律を適用できる可能性を示しています。
あくまでビックバンは今の我々の存在する宇宙の時間(相対メタ時間)の基準でしかないというわけです。
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