壁役令嬢―お嬢様は主人公の家の壁になりたい―

シロニ

第1話「その日、彼女は運命(推しカプ)に出会った」

前書き

初見の方は初めまして、シロニです。日々のふとしたきっかけや夢から思いついた妄想をマイペースに書き書きしています、どうぞよろしく。

「追記」ジャンルを見直しました(12月27日)

(X)ID「OkdYURbpFgdwHo5」




これはかつて魔王を封印し世界を救った勇者が所持した聖なる力を宿した「神秘のダイアモンド」にちなんで名付けられた国「ダイアモンド王国」でのお話。


そして城下町に住む国民たちに長き時を経ても変わらずに愛されて続けている歴史ある公園「ダイアモンド城下町第3自然公園」に、ものすごく挙動不審な、2人のトールマン族が、居た。


「リグルディアお嬢様、エリーデ氏とトーマス氏を第2出口近くにて問題なく尾行中です、このまま追跡と誘導を続行します」


この銀髪のポニーテール、細目の整った目鼻立ちのクール顔、細身の身体に執事服を纏い意外と筋肉質な身体で、狼獣人男性とトールマン女性の2人を尾行している不審者の名は「ソル・コアツィルス」後述する貴族女性に仕える執事だ。


「でかしたわよへん...ソル!そのままポイント1まで誘導しなさい!」


こちらの黒髪ロングに黒い瞳に黒マスクに黒服に黒靴に黒下着に黒靴下のいかにもな不審者は「リグルディア・ミッツェロス・ディアーナ」お嬢、世にも珍しい闇属性の魔力をその身に宿した地方貴族である。


2人はスマホに似た魔道具のマジフォ(マジカルフォン)を使って連絡しながらとある2人組をある目的で尾行している。


「承知いたしましたリグルディアお嬢様。しかしお嬢様、次からはどうか躊躇せずに「ド変態」「罵られて興奮する異常者」「素直にキモい」と罵ってはいただけませんか?」


見てわかる通りソルは変態性欲持ちのドMというものである、理由は不明だが彼は常日頃から「刺激」を求めているらしい。


「あたしそこまでは言ってないわよ」

長年の付き合いだからかリグルディアはこのドM野郎の扱いに慣れてしまっていた。


「そんなことよりソル!あたしもこっちでエリーデの奴を邪魔してやる準備するから、そっちはそのままちゃんとやんなさいよね!」


察しのいい人は理解しているだろうが、このリグルディアはいわゆる悪役令嬢というものである、この世界は乙女ゲーっぽい世界観で、それぞれエリーデはその主人公、トーマスは攻略相手、そしてリグルディアが悪役令嬢ポジみたいなもの。

そしてリグルディアからの返事にソルは2秒で返事をした。


「( ゜д゜)」

「なによ」

「そんな...お嬢様...酷すぎます...!お願いします...この私をお嬢様の思いつく限りの語彙で罵ってください...どうか...どうか...!!」

「なんであんたみたいなのがお父様に雇われているのかが理解できないのだけれど」


ソルは茂みの裏でやけに高い声を出しながら気持ちよさそうに身悶える。

「...っ!!おっ...んん〜♡♡♡もう少し火力を上げて鋭利にしていただけると助かります♡」

「あんたちゃんと尾行と誘導はしてるんでしょうね?」

「もちろんでございます♡」


ソルはいつものようにリグルディアをドン引きさせながらもエリーデとトーマスの2人、その他の人物たちに魔術などを行使しながら一切自分の気配を感じさせることなく尾行と誘導をこなし、わけの分からない有能さと性癖をいかんなく発揮させていた。


「それで本当に完璧にこなしてるんだから気持ち悪い」

「んっ♡♡♡♡♡あ、すみませんお嬢様少しエリーデ様に私の声を聞かれてしまいました」

「なにやってんのよこの馬鹿!?もしバレたりでもしたらあんたの尻に蹴りぶち込むわよ!?」

「んんん〜♡♡♡♡お嬢様からの罵倒の言葉でこの私、満足でございます♡あ、聞かれたのはもちろん嘘ですのでご安心ください」


リグルディアはエリーデに上から黒ペンキをぶっかけてやろうと待機していた建物の上で、左手に持ったマジフォを握り壊しそうになった。

◇ ◇ ◇

そして「エリーデを陥れよう作戦(仮)」の第1ポイント内にターゲットたちが接近してきているとの連絡をソルから受けたリグルディアは、黒ペンキが大量に入っているバケツ(大)を足りていない筋力を頼りに持ち上げる。


「ふぎぎぎぎ...!!ソル!エリーデの奴はあとどれぐらいなの!?(音声入力)」

エリーデはマジフォを手ぶら操作(空中浮遊)しながらとても淑女とは思えない表情で必死にバケツ(大)抱えて耐える。

「あと少しですよ〜お嬢様〜頑張って〜♡」


リグルディアは「だあぁぁぁぁー!!!早く来なさいよエリーデの奴ー!!」と、バレてはいけないので必死に声に出さぬように内心思いながら1人勝手に苦しんでいた。


「んおおおお!!!これっ...キッつい!ほんとうにおっもい!」

「お嬢様〜大丈夫ですかぁー?」

「ソルー!エリーデはまだなの!?ねぇ!?まだ!?」

「もうすぐ着きますよ。でもお嬢様、本当にそれやってもいいんですか?」


色々と限界なリグルディアは半ばキレながら画面に向かってもはや叫ぶ。

「なによ!?」

「それ〜エリーデ氏だけでなく、横に居るトーマス氏にもぶっかかりません?」


それにリグルディアはハッと気づいて。

「...っあ。あっ!ちょちょ!?(フラフラ)」

リグルディアはふとした拍子に体勢を崩して後ろへとコケてしまい、そのままバケツ(大)に入っていたエリーデにぶっかけてやろうとしていたなかなか落ちない黒ペンキを大量に浴びてしまった。


「おぼぼぼぼぼぼぼぼっ!?」

「お嬢様?お嬢様!?」

...上で黒ペンキを浴びているリグルディア、後ろで自分たちを尾行しているソル、そんな2人にターゲットたちは気づくこともなく、黒ペンキ投下地点を仲良く通り過ぎていく。


「...?なぁ、今なにか人の声が聞こえなかったかエリーデ?」

「え?うーん...(耳を澄ます)何も聞こえないや、気のせいじゃないの?トーマス君」

「そうかー?ふむ...そうか、ならばもしかしたら...生きている人ではなく、ゴーストの声だったのかも...もうすぐ夜だしな」

「ちょ!?ちょっと!いきなり何を言い出すのトーマス君!やめてよそういう怖いこと言うの!!(ガシガシとトーマスの腕を殴る)」

「アハハ、すまんエリーデさすがに冗談だ。アハハ...エリーデ、本当にすまなかったヤメテクレイタイイタイ」


そして2人が通り過ぎた頃には。

「...(全身真っ黒で横たわる)」

「ほっ...お嬢様、生きておりましたか」

「〜!!!!!(地団駄)」

リグルディアは地団駄した。

◇ ◇ ◇

恋に燃えるリグルディアは当然諦めるはずもなく、2人の後をコソコソと隠れながら追い詰める、その姿は不審者というよりはもはやただの化け物。


「お嬢様〜全身真っ黒のその姿だと闇に紛れて尾行出来そうで良いですね〜」

「あたしは好きでこうなってんじゃないってのよ」

「だから私があの時もっと小さいバケツにしようって言ったじゃないですかぁ〜」

「うっさいうっさい!じゃああの時あんたが止めてくれればよかったじゃないの!」

「え〜面白くなさ、私はお嬢様の忠実なる執事ですので、お嬢様のご命令は絶対なのです♡」

「蹴りたいところだけどあんたの場合ただのご褒美になるからやらない」

「( ´•ω•` )」


主従コンビはそんなこんなで喧嘩?しながらも、ターゲットたちはとうとう人気のない中央広場のベンチに腰掛け仲良く何かを話し出した。


「...っ!!(リグルディアはやたらと慣れた動きで近くの草むらに隠れる)」

「にゅるるるるるるる〜ん(ソルは何故かやたらとヌルヌルした動きで近くの草むらに隠れる)」

「ちょっと!?あんた黙んなさいよ!(小声)」

ソルをゲジゲジと蹴りながらリグルディアは2人の会話を盗み聞きしようと耳を傾ける。

「〜で、ギルガメッシュがなぁ〜!」

「えぇ〜?トーマス君それっ...はさすがに...」


意外とベンチまでが遠く、2人の会話が途切れ途切れにしか聞き取れず、リグルディアはソルの制しを無視してもっと近づこうとする、しかしそれは多大なリスクを伴うものだ、何故ならばリグルディアは今全身が、黒い。


「ちょっと!?さすがにそれは危険です!止めましょうお嬢様!(小声)」

「えぇーいうるっさいわねソル!止めないでよ!女にはね、やらなきゃいけないときってのがあんのよ!今がその時なの!(小声)」

「いや意味不明ですって!お嬢様!(小声)」


2人が口論していると、エリーデは突如周りを見渡しだして、周りに人が居ない(リグルディアたちを除く)のを確認すると、トーマスに向き直り神妙な面立ちで口を開き出した。


「トーマス君、あのね...私トーマス君に...みんなに謝らないといけないことがあるの...」

突如舞い降りたエリーデの秘密を盗み聞き出来るチャンスを目の前に、リグルディアはとても主人公とは思えないような悪い顔でエリーデの秘密を待ちわびる。


「ぐへへへへへへへ...!」

「(うっわぁ...今のお嬢様の顔ものすごいブッサイクですねぇ...)」

「ん?(ソルの顔を見る)」

「(一瞬でエリーデたちに向き直る)」


エリーデの告白を前にして、トーマスはやけに落ち着いた態度でエリーデの手を握り優しく言の葉を紡ぎだす、その言葉にはトーマスのエリーデを想う気持ちが乗っているのが顕になっていた。


「あぁ、ゆっくりでいい、君のペースで話して欲しい。それに...今日の朝、精霊たちが俺に君から何か大事なことを告白されると予言を伝えられたんだ、おっと...安心してくれ、話しの内容までは伝えられてはいない」

「そう...精霊さんたちが...じゃあ、私の秘密...光の巫女として隠し通してきた秘密、今からトーマス君だけに伝えるね」

「あぁ、大丈夫さ、どんな秘密でも受け止め、君を支えるよ、エリーデ」


トーマスはエリーデの目を真っ直ぐ見据えて、安心できるよう手を優しく握りながらエリーデからの言の葉を待っていた。


そのトーマスがエリーデの手を握っている様子を見て、リグルディアは自分の胸の内に良くない感情が渦巻いていくのを確かに感じていた。


この世界には魔法がある、そして全ての人は魔力を持って産まれ、属性を持つ、個々によって属性は変わるがほとんどは「火」「水」「大地」「風」の4つの属性のいずれかに産まれる。


しかし稀に四属性ではない珍しい属性を持つ者もいる、例えばリグルディアは「闇属性」そして今目の前に居るあのエリーデは「光属性」だ。


光の属性を持つエリーデは、生まれながらにして人々から光の巫女と呼ばれて愛され、守られ、そして崇められた、何故ならば希少な光属性を持つ者は清廉潔白、容姿端麗、慈愛に満ちた素晴らしい人物に違いなく、そして「女」として産まれるであろう予言の光の巫女様はかつての勇者のように今度こそ魔王を倒す次の勇者だと人々に信じられているからだ。


反対に、闇属性は人々から邪悪、不浄、恐怖、陰キャなどなど闇属性は人々からネガティブなイメージを持たれている、それ故にリグルディアは幼い頃から何度も憂い目に遇ってきた。


そしてリグルディアは魔術学院で唯一、闇属性というレッテルに関係なく自分に「友として」接してくれたトーマスに惚れ、彼と仲が良いエリーデを恋敵と認識、さらに光の巫女として自分とは違い周囲からもてはやされているエリーデ嫌っている。


「トーマス様...なんで...なんでエリーデなんかにそんな顔するのよ...あたしを見てよ...」

そして、エリーデが意を決してトーマスに光の巫女としてあってはならない最悪な秘密を打ち明ける。

「トーマス君...私ね...」

「...!(キタキタ!さぁエリーデ!とっととその秘密とやらをあたしに聞かせなさい!そうしたらあたしがあんたを絶望のどん底に落としてやるわ!そしてあたしがトーマス様と愛で結ばれるのよ!)」


そして。

「トーマス君...ここ...(トーマスの手を取る)」

「...?なんだ...っておい、そこは...!?」

エリーデはなんと自分のスカートの中にトーマスの手を取り入れ始めた!

「...!?(さすがに驚くソル)」

「キィィィィィー!!!!!なんなのよあの変態女!?あたしのトーマス様になんて破廉恥なことしてんのよ!変態はソルだけで持て余してるってのに!(小声)」


そしてトーマスはエリーデの予想外な行動に慌てふためきエリーデの行動を諌めスカートの中から必死に手を出そうと試みる。

「エッ!エリーデ!?何をしているんだ!?わけが分からないのだが!?」

「トーマス君、にぎにぎしてみて」

「淑女にそんなこと出来るわけがないだろう!?今でもこんなところを誰かに見られたらマズイっていうのに!?」

「いいから!」

「エリーデ!本当にどうしてしまったというん...だ...(トーマスは違和感を感じる)」


そしてその2人の様子を草むらから見ている2人は。

「え...どうしちゃったんですかあのお2人?変態は私だけで十分足りていると思うんですが!?」

「あんの変態女...!なにが淑女よ!光の巫女よ!あたしのトーマス様に...!絶対に許さない〜!」

「あっ!静かにお嬢様!トーマス様が何かを言い出します!」


トーマスはスカートの中から恐る恐る手を出して、深呼吸をすると、衝撃の事実を口に出す。

「エ...エリーデ...君は...」

リグルディアとソルが絶対に聞き逃すまいとバレないギリギリの範囲まで身体を前に出す。

「まさか...!「男」だったのか!?」


「!!?!???!?!?!?!???」

理解の処理が追いつかないソル。


「っ!?」

強い衝撃に宇宙が見え始めるリグルディア。


まさかすぎる衝撃の事実を聞いてしまい、2人は絶句して固まってしまう。

エリーデはベンチから立ち上がると日向に移動してトーマスの前に立ち。


「はい!私!「付いて」ます!!トーマス君と同じものが!!(スカートを捲り上げて存在感の強い股間部をトーマスに見せつける)」

「な、何をしているんだエリーデ!?」


ソルは声を出さぬように息を殺しつつ、リグルディアはもはや完全に宇宙が見えていた。

そしてベンチに座り直したエリーデは、いつもとは違う口調と態度でトーマスに話し続ける。


「うん、私ね、本当は男なの。田舎の村に男で産まれたんだけどさー?男なのはまずいから性別を隠せだの、声を高くしろとか、女の服を着続けろとかガキの頃から強制されててぶっちゃけ辛いってわけ〜」

「エリーデ...君本当はそんな口調だったのか?」

「うん、声だけじゃなく口調も気をつけるように言われてる、男だってバレないように口調もお淑やかなものにしろってね。でも正直私はそんな綺麗な性格じゃないよ〜だってこんなんじゃさぁ〜?」


トーマスは初めは困惑していたが、意外にもすぐに落ち着いて、受け入れて。

「そうか...ならば俺もエリーデ、君に秘密を打ち明けよう!」

「...は?」

トーマスは自分を信じて本来絶対に打ち明けてはならない秘密を、自身に打ち明けてくれたエリーデのことを信頼したのか、それとも自分も秘密を共有して楽になれる相手が欲しかったのか、エリーデに続き衝撃の事実を告白する。


「エリーデ!俺はな!実は女ではなく男が好きなんだ!」

「!!???!???!!?!?!?!!?」

「フゴッ!?」

再放送、違いはリグルディアが汚い音を出してしまっている所。

「なん...だって...!?トーマス君...それってマジなの?」

「あぁ!本当さ!」


ソルは頭の中で「あぁそうか!だからあの貴族様、剣術訓練でキャッキャッしてる淑女方じゃなくて、上裸の暑苦しい野郎たちばっかり見ていたのか!!」と完璧に理解した。

◇ ◇ ◇

性別を偽っていたエリーデ、そもそも恋愛対象にすらなれなかったゲイが発覚したトーマス、2連続のショックにリグルディアとソルは公園を歩いて出ていく2人を、草むらから追いかけていくことも出来ずに数十分草むらの中で再起動を進めていた。


そしてようやくソルはハッとして今がマズイ状況だと気づき。

「(マズイですよ!?トーマス氏はリグルディアお嬢様の心の支え!それがこんな...!あぁ...!お嬢様!)」


ソルがリグルディアの様子を恐る恐る見ると...怒りで染まっているか、それとも絶望から何もかもを諦めた表情をしてしまっているかと思った矢先。

「...ンへへ」

リグルディアは、ニヤついていた。


「お嬢様...!!お嬢様...?」

なんとリグルディアは怒るでもなく、嫉妬に狂うでもなく、何か良いものを見つけたかのように良さげな表情をしていた。

「お嬢様?」

「ソル...なんなのかしらこの気持ち...最初はエリーデの奴に嫉妬していたのに...トーマス様が男が好きと知って絶望したと思っていたのに...今のあの二人のことを考えているとこう...胸の内...特にかはん...いや、胸の内がこう...」

「お嬢様??」

「ソルっ!あたし何故だか今すぐに屋敷に駆け出して帰ったらこの胸の内に宿るものを形にしたいのっ!」

「お嬢様???」

「ソル...!あたし、何故だか分からないけど今すっごく幸せ!本当に意味がわからないけど!」

「お嬢様???意味がわからないのはこっちですよ???」

「アッハハ〜♪ウッフフ〜♪最っ高〜!!」

「あっ!?お嬢様!?ちょっとお待ちください!?いやわけが分からないですってば!!」


そして、全身真っ黒のまま屋敷に帰ったリグルディアは屋敷の使用人たちにギョッと驚かれ、父に叱られるがどこ吹く風である。

「〜♪(説教をほとんど聞いていない)」

「ディア...?聞いているのかいディア?お...お〜い?お父様の話を聞いてくれ...」


そしてリグルディアは身体を綺麗にした後、自室にこもり思いのままに心の内から溢れる物語や風景を形にしていき...そして翌朝。

◇ ◇ ◇

「もふちのgooq5tのふの?てふち55tusa5〜!!」

「なんて?」

リグルディアは枕に顔を埋めながら、言葉にならない叫びをただただ叫びながらのたうち回る、リグルディアは翌朝起きて、机の上のムフフな創作物の数々を冷静になった状態で改めて目の当たりにし、死にたくなった。


「ゾルー!あだじを!今ずぐに!ごろじなざいぃぃぃー!」

リグルディア声は深い後悔と恥辱の感情から汚ったないものになっていた、そしてソルはそれを受け流すかのようにやんわり拒否しながら机の上の創作物の1つを手に取る。

「勝手に触るな!殺すぞ!?」

「まぁまぁいいじゃないですかお嬢様、せっかくお嬢様が初めて作った小説なんだから読ませてくださいよ〜」

「いーやーよー!ほんっとうに!見ないで!読まないで!じゃないとあたし本当に死んじゃうからぁぁぁ!」


泣きわめくリグルディアを軽く躱しながら少しの間からかうと、ソルは「あ、これ本当にいろいろと余裕ないやつだ」と、殴っても、蹴ってももらえそうにないのでソルは大人しく手に取った物を机に起き。

「分かりましたよお嬢様、でもそろそろご支度をなさってください、でないと...」

「な、なに...!?なんなのよ!分かった、今から準備するからこれ以上見ないで!」

そしてリグルディアは王都の魔術学校に行くために乗る空飛ぶ魔法の馬車の中で1人。

「死にたい」

と、何度も自分の中に初めて生まれた感情に振り回されていたのだった。


「その日...人生のほとんどを憂鬱に過ごしてきた彼女は...運命(推しカプ)に出会ったのだった」


to be continued




後書き

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