無精子病の俺に子供がデキたと、嬉しそうに言った嫁は? 誰とヤッて子供を作ったんだ?
神石水亞宮類
第1話 無精子病の俺に子供がデキたと、嬉しそうに言った嫁は? 誰とヤッて子供を作ったんだ?
無精子病の俺に子供がデキたと、嬉しそうに言った嫁は?
誰とヤッて子供を作ったんだ?
嫁とは? “結婚して10年! 子供がデキないでいた。”
普通の嫁なら、“妊活”を一緒にしょうと夫の俺に言うのだろうが俺の嫁は、
体の関係を何度も重ねれば、いつか子供がデキると思っているらしい。
・・・ただ俺は知っている。
俺はこっそり病院で何故子供がデキないのか診てもらうと?
“原因は俺にあったからだ!” 俺は無精子病らしい。
だから子供がデキないと医師に俺は言われる。
でもその事を俺は嫁に言っていない。
俺が無精子病だと知れば、“嫁は俺と別れて他の男と再婚するかもしれない。”
そんなの絶対にダメだ!
俺は嫁が大好きなんだ!
だから、どうしても俺は大好きな嫁との子供が欲しいんだ!
でも? 嫁は俺の事をどう想っているのだろう?
結婚して1年目は、嫁はそれほど子供が欲しいとは言わなかったのだが、
3年目になると嫁は、”貴方との子供が欲しい” と言うようになった。
俺も嫁の願いを叶えたくて、必死に頑張ってはみたモノの......。
子供はデキず、遂に結婚して10年目を迎えてしまった。
それに、嫁は俺の母親からキツイ言葉でこう言われていたらしい。
“流香さんは、何時になったらワタシに孫を見せてくれるの?
もうそんなにワタシも長生きできると思えないし、早く孫を見せてほしい
ものだわ!”
嫁にヒシヒシとプレッシャーを与える俺の母親がいたのだ!
でも? “すべての原因は俺にある!”
俺の母親も俺が原因で子供がデキないと分かれば俺の嫁にあそこまで強く
いう事はないのだろうけど......。
俺はその事を誰にも言えなかった。
“自分のせいで子供がデキないなんて、とてもじゃないけど誰にも言えない!”
*
・・・でも? 10年目を少し過ぎたぐらいから、嫁が俺にこんな事を
突然言い出したんだ!
俺は嫁の言葉に驚きとそんな事があるはずがないと思っていた!
『“サトルさん? こ、子供がデキたみたい! やっと私達の子供が
できたのよ! 嬉しいでしょ、サトルさん!”』
『・・・あぁ、ううん、そ、そうか、子供がデキたのか、』
『どうしたの? 嬉しくないの?』
『嬉しいよ! やっと俺達の子供がデキたんだな!』
『うん!』
嫁の嬉しそうな顔を見て、俺はそれ以上何も言えなかった。
“間違いなく俺の子じゃない! じゃあ、誰の子なんだ?”
嫁はどこの男と子供を作ったんだよ!
俺はその時、直ぐにでも嫁を問い詰めたかったのだが、
それも出来ずにモヤモヤしていた。
“お腹の子は、一体? 誰の子なんだ!”
この事を知ってからの俺は、嫁に日に日に冷たくなっていった。
俺の子じゃない子を嫁が身ごもった以上、冷静なんかいられない!
俺は徐々に情緒不安定になっていく。
仕事が終わって真っ直ぐ家に帰らなくなり、居酒屋で酒を散々飲んで
朝方になってやっと家に帰る生活が続いた。
でも嫁のお腹は、日に日に大きくなっていく。
俺の変化に嫁も動揺し、そのうち怒りに変わっていった!
『サトルさん! どうしちゃったのよ、最近のサトルさんは変よ!
私に子供がデキてから、仕事が終わって真っ直ぐ帰らず、どこで飲んで
帰って来るの? いつも朝方にならないと帰って来ないし、一体本当に
どうしちゃったのよ!』
『“・・・そ、そのお腹の子は、本当に俺の子か?”』
『えぇ!? 何を言ってるのよ!』
『“俺は無精子病だ! 子供なんかデキる訳がない! 誰との子なんだよ!”』
『紛れもなく! お腹の子はサトルさんの子よ!』
『嘘だ! 俺の子じゃない!』
『“でも、間違いなくお腹の子はサトルさんの子なのよ!”』
『もう別れよう、俺はもう耐えられない。』
『・・・な、なんでそうなるのよ、なんでサトルさん!』
『俺はもう限界なんだ!』
『サ、サトルさん、』
・・・初めて俺は嫁とこんな大喧嘩をした!
しかも? “俺は嫁にその後、離婚届を俺が先に書き嫁に渡した。”
直ぐに俺は嫁と一緒に住んでいた家を一人出てワンルームマンションで
一人で住み始める。
今までは何でも嫁にしてもらっていた事を一人になると自分で全部しな
くてはいけなくなり、俺は一人で何にもできないんだと思い知らされる!
“嫁の有難みを痛感したよ。”
・・・今頃、嫁はお腹の子を産んでいるのか?
俺には何にも連絡も来ないし、きっと嫁はお腹の本当の父親で
ある男と、今頃一緒に暮らしているのだろう。
俺は嫁をただただ傷つけただけだったのか?
俺はあの時、どうすればよかったのだろう。
*
・・・それから嫁と別れて3年が過ぎた頃。
嫁が突然、子供を連れて俺に会いに来たんだ!
“初めて見る嫁の子。”
子供は女の子で、とっても可愛らしい女の子だった。
『“何しに来た? その子の本当の父親に言われて会いに来たのか?”』
『“これを見て!”』
『はぁ!? なんだよ、』
『誰が本当の父親か、この子が3歳の誕生日にDNA検査をしてもらったの!
この子は、紛れもなくサトルさんの子よ!』
『“・・・お、俺の子? そ、そんなはずはない! 俺は無精子病で、”』
『サトルさんから無精子病と聞いて、私もあの後調べてみたら?
精子がない訳じゃないのよ! 数が普通の男性より劇的に少ないだけで、
奇跡的にこの子がデキたんだわ! この子は神様からの送り物よ!』
『・・・ほ、本当に俺の子、この子が?』
『そうよ。この子を抱きしめてあげて!』
『・・・お、俺の子、お、おいで! 俺がキミのパパだよ。』
『パパ―!』
『キミは俺の子だー! 誰がなんて言おうが俺の子だー!』
『“その子の名前は、サトリよ。”』
『・・・サ、サトリ、サトリ! 俺の子だ、サトリは俺の子だー!』
『良かったわね、サトリ!』
『うん。』
『“また一緒に暮らさないか? 今度は3人で!”』
『えぇ! 勿論よ。』
『ありがとう!』
『“それにあの時、サトルさんが書いた離婚届は出してないの! このまま
破いていいかしら?”』
『勿論だ! 今度はサトリと3人で一緒に暮らそう。』
『うん!』
“俺に初めて子供がデキた!”
紛れもなく俺の子だ! 可愛い可愛い俺に似た女の子。
俺が一緒に居れなかった3年間をこれからは3人で埋めていく
つもりだ!
楽しい事をいっぱいこの子に味合わせてやりたい!
いろんな所にも連れてってあげたい!
俺の子にもっとステキな世界を見せてやりたい!
何より、嫁に感謝を言いたい!
“本当に俺を見捨てづにいてくれてありがとう。”
こんなに嬉しい事はもうないと思う!
無精子病の俺に子供がデキたと、嬉しそうに言った嫁は? 誰とヤッて子供を作ったんだ? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます