君と僕の関係値

@kawasimamomo

第1話幼馴染との一日

 「ねーえ、答えてよー。」

 「何が?。」

 「私のこと本当に好きなのかって話。」

 「もちろん大好きだよ。」

 となりの会話が全てきこえてきて辛い。人の少ない時間帯のカフェでなにをイチャついているのだろうか。僕なんかさっき振られたところだというのに。

 「お!やっぱり、リュウ君だ。こんな所で何してるの?。」

 そんな窓の外を眺めている少年に何とおこがましい人かと思った。振り向くとそこには、幼馴染が立っていた。

 「いいだろ、休みの日ぐらい好きなところにいて。そんなことより君こそなんでこんなところに一人で来てるのさ。」

 「んー私は、母の日に渡すプレゼントを買いに来たんだあ。リュウ君は?。」

 「僕もそんなところだよ。あと本屋に、好き小説家さんの新しい本が出てると思うからそれも買いに来た。」

 「そうなんだ。そういえばさっき有紀を見かけたんだけどさリュウ君合わなくて良かったの?。有紀のこと好きなんでしょ?。」

 有紀というのは、僕たちの同級生で僕がさっき振られた人だ。振られたことを話したらからかってきそうで嫌なのだが。

 「さっき振られた…。」

 「え、なんて?。」

 「さっき振られたんだよ有紀さんに!。」

 「えーまじか。まさか有紀に振られるなんてね、結構二人仲いいからもう付き合ってるのかとも疑ってたのに。ちなみになんて振られたの?。」

 そこまで人の失恋話を深堀したいのか女子という生き物は。というかなんて振られたかなんてほとんど覚えてない、ごめんと言葉を聞いた時から頭が真っ白でその後の言葉が頭に入ってこなかった。

 「ごめんって言われてから、なんも聞いてなかったから覚えてないよ。僕の失恋話がそんなに面白い?。」

 「面白いっていうかねーリュウ君が落ち込んでるのが意外過ぎてびっくりが勝ってるかなー。リュウ君も落ち込むことがあるんだね。長い付き合いだけど知らなかったよ。」

 そりゃ落ち込みもする。高校の入学式の日に、一目惚れして一年生二年生とずっと片思いをして来て結構仲も深めていったのに振られるなんて僕も思ってなかった。

 「じゃあ僕も聞くけど、君こそ数か月前に付き合った先輩とはどうなのさ。」

 「あれ言ってなかったっけ、付き合ってすぐ別れたんだよね。」

 「何で君は、そんなに早く別れちゃうのさ。」

 「いや私も今回は、結構長続きするかもなーって思ってたんだけど、なんか付き合ったらあっちから思ってたのと違うから別れよって言ってくるんだもん。私は、なーんにも悪くないです。」

 彼女は、モテるのだが付き合ったら付き合ったでどんどん元の雑な性格が明らかになって男側が振ってしまうらしい。全くもってかわいそうである男側も。

 「君が、付き合ったらいろいろとぼろを出すからいけないんじゃないの?。」

 「違うんだって!付き合ったら相手のこと信用して逆に気を張らないから勝手にぼろが

出ちゃうんだもん。でもリュウ君は、私の雑なとこを見ても何も言わないじゃん。」

 「それとこれとでは話が違うでしょ。僕は、昔から君のことを知ってるから許せるだけで、学校では猫を被ってる君の本性を知った人は、呆れてしまうだろうね。」

 「なんか私が悪いみたいに言ってるけどさリュウ君も大概猫被ってるよね?。学校では図書委員でしっかり者の潔癖男子みたいなこと言われてるけどさ、リュウ君の部屋アイドルやらアニメやらのグッズがたくさんあって床には、読んだままの小説がそこらへんに落ちてるじゃん。」

 なにを人の個人情報を大声で言っているんだこの人は、周りからの視線が僕に向くじゃないか。

 「アイドルとアニメは、趣味で小説は、床に置いてるんだよ。そんなこというってことは君の部屋は、片付いてるんだろうね。おばさんにラインして写真送ってもらおうか。」

 「それは、卑怯じゃん絶対ダメ。脱いだままの服とかあるから。」

 「君だっておんなじじゃないか。生徒会でクラスのまとめ役の頼りになる系女子って言われてる割に自分の部屋の物はまとめられてないんだね!。」

 彼女を見ると彼女は、下を向いて黙っていた。我ながら結構言いすぎてしまった、幼馴染とはいえ今のは、僕が悪い。

 「ごめん、言い過ぎた。お詫びにカフェオレ奢るから。」僕なりに本気で心配したのに、彼女はというと。

 「やったー!。どう、泣いてると思った?。まさか私が泣くなんて、思ってなかったから心配したんでしょ。いやぁ我ながら感動したよ自分の名演技に。ところで私カフェオレに生クリームお願いね。」

 これが男友達なら殴りかかっていたかもしれない。でも心配してしまったのでカフェオレを奢らないといけない。

 「全く君って奴は、君が女子じゃなかったら殴らかかってたよ。まあ君がそんな人だとは知ってるからいいけどさ。生クリームなんてまた太るんじゃないの?。」

 「リュウ君は、もっと女心をを知った方がいいとお思うよ。そんなんだから有紀にも振られちゃうんだよ。まさか女の子に体重の話をするなんて失礼すぎー。」

 僕なりに気遣ってあげたのに怒って来るなんて逆に失礼なのではないだろうか。

 「僕は、紳士なんだよ?体重の話をするのは、君くらいだし前に太ったっていう話をしてきたのは君だよね。」

 まったく失礼だ僕も彼女ほどではないが意外とモテるんだ。前にも後輩数人から告白されたことがある、もちろん断ったが。

 「ところでリュウ君は、この後行くところあるの?。ないなら私と買い物に行こうよ新しい服が欲しいんだけど男の子の意見も聞きたいし。」

 「仕方ないなぁいいよ予定もなくなっちゃったし。」

 「やりぃ、じゃあ早くそのコーヒー飲み終わって。」

 彼女にせかされて、コップ一杯のコーヒーを一気飲みさせられて気分が悪くなってきた。

 それから彼女は、トレンドの服を調べてどんなのがいいかを僕に訪ねていた。

 「夏も近いさ夏用のワンピースとかどうかな?。」

 「そうだなぁワンピースもいいけど…、スカートとかの方がいいんじゃない?。」

 彼女は、「確かにー」と言いながらいい感じのスカートを調べ始めた。スカートの方がいいんじゃないといってみたものの彼女ならある程度着こなすのだろう。身長151 ㎝体型は標準の言わば何でも似合うのだから。

 というか改めて見ると身長差広がったな。今まであんまり目線が変わらなかったのに。 

 「ねぇ見て!このスカート可愛くない?。」

 彼女が見せてきたのは、薄いオレンジいろのスカートだった。彼女は、暖色系の色が好きでオレンジがダントツで好きらしい。

 「いいんじゃない。オレンジも夏って感じで時期にあってるし。」

 「やっぱりねーリュウ君ならそういってくれると思った。この棟の四階のお店に今売られてるんだって、まずそこに行こうよ。」

 彼女は、目的地が決まってそのルートに沿っていくように最短で目指していた。僕の方が歩幅が大きいので少し合わせてあげる。 

 「そこのエスカレーター上がったら…あった、あのお店。」

 彼女は、楽しそうに僕の手を引っ張てくる。毎度この調子なので慣れたものだが。お店に入ると女性ものの洋服が並べられていた。服を夏物に変えているのだろう店員さんも忙しそうだ。

 彼女は、お店の中を一周したところで探している服がまだ出てないことに気づいたようで「店員さんに聞いてみるね。」と言って一人で行ったので静かについていった。

 「あのーすみません。このオレンジのスカートありますか?。」

 「ありますよ。まだ裏にあるので取ってきますね。サイズは?。」

 「S でお願いします。」

 わかりました。と言って店員さんがお店の奥に戻って直ぐに帰って来た。

 彼女は、クリスマスプレゼントを貰った子供のようにニコニコしていた。

 「ありがとうございます!。あとすみません試着室借りていいですか?。」

 「もちろんいいですよ。彼氏さんにも見てもらいましょうか。」

 いきなりの一言に僕も驚いてしまった。でも確かに、男女二人で買い物に来ていたらしかも女の子の服を買いに来ていたら勘違いするのだろうか。

 「ち、違います!。私たち付き合ってないんで。この人は、私についてきてくれたんです。」

 「え、ごめんなさい。見た感じいい感じのカップルに見えたものですから。勘違いしちゃいました。でも見てもらった方がいいですよね?。」

 「はい…。」

 彼女は、カップルに間違えられたことが恥ずかしのか顔が赤いし店員さんは、ニコニコというよりニヤニヤした顔で彼女と僕の顔を見比べている。

 店員さんが「早く試着してみましょう。」と言って彼女を試着室に連れていって僕は、ここで待っていてくださいと椅子に座らせられた。

 数分後、着替えた彼女と店員さんが帰って来てさっきと変わらず恥ずかしそうな彼女と笑っている店員さんだった。

 「どう、かな。似合ってるかな。」

 「うん。似合ってるよアイドルみたいだ。」

 彼女は、もっと顔が赤くなった。なぜか僕まで顔が熱いいつもなら普通に返してるのに。それよりも店員さんのもっと褒めてあげろと言いたそうな笑顔が怖い。

 「僕の好きなアイドルグループの中でも好きな人にそっくりだ。身長も相まって。」

 「ありがとう。」

 彼女からその言葉しか返って来なくて、怒らせてしまったのかもしれないと思った。  

 「どうされます?それお買い上げになりますか?。」

 「買います。」 

 また店員さんに連れられて彼女が試着室に行き、そのままお会計まで済ませてきた。なかなかにフレンドリーな店員さんだった。  

 「またのお越しをお待ちしております。」  

 「はい。また来ます。」

 彼女の買ったものはそのスカートだけだったが彼女は、すごく嬉しそうな顔で僕の一歩前を歩いてる。後ろ姿だけだったら本当に好きなアイドルそっくりだ。あっでも彼女は、ツインテールではなくポニーテールか。

 「リュウ君話聞いてる?。」

 「ごめん何も聞いてなかった。もう一回言ってもらっていい?。」

 「だからー。お腹空いたからお昼ご飯行こうと思うんだけどリュウ君は、何食べたい?。」

 そんなこと一言も聞こえてなかった。久々に自分の悪いとこだと思ってしまった。まあいつも彼女も、人の話というより僕の話を聞いてないことも多いがあえて言わなかった。 

 「そうだな。確かにお腹空いたし、君が食べたいものに合わせるよ。僕ある程度何でも食べれるし。」

 「えぇ意見言わない系男子かよぉ。それじゃあ映画館の方にあるハンバーグ食べてみたいんだけどさ歩くけど大丈夫?。」

 「せいぜい十分ぐらいだから大丈夫でしょ。でも日光強いんじゃないかな日焼けとか気にしないの?」

 「ちゃーんと日焼け止めをぬっているので大丈夫です。」

 服屋や個人経営のお店が多いショッピングモールを出て人通りの多い道を歩いていこうとしたが、思ったより人が少ない。

 歩き出して数分で何人が少ないかが分かった。最近地球温暖化で暑くなっているというが、流石に暑いまだ五月なのに八月の暑さだ。

 「暑いねー。少し木陰で休憩しようか。しようかっていうか私がしたい。」

 「そのほうがよさそうだね。そこのベンチに座ろうか。」

 僕たちは、陰にあるベンチに座って少し休憩した。涼しい風が汗ばんだ首元を冷やしてくれて気持ちがいい。彼女もふぅと息を整えているようだ。数分休憩したのち彼女が「そろそろ行こうか。」といったので日にあたりながら歩いた。

 「休憩したからかさっきより楽になったね。」

 確かに休憩する前より、暑さを感じなかった。

 映画館やゲームセンターが近くになってくるにつれて人が増えてきた。

 「リュウ君あそこにあるお店なんだけど人が多くて…。」

 声が途中で聞こえなくなったので振り向くと、人の波で彼女が消えていた。

 急いで探して見たが身長が低めの彼女の姿は、一向に見えなかった。ラインを開くと少し戻った交差点の方まで行ったらしいので僕も急いで戻った。

 「大丈夫だった?。」

 「うん怪我とかもないから。ごめんね少し戻っちゃったね。」

 「いいよそんなこと、それより怪我がなくて良かった。そうだ紙袋の手持ち片方貸して。」

 「え、うん。どうするの?。」

 「片方は、持っててよこれで離れそうになっても追いかけれるから。」

 「確かにね、ありがとう。さっきのでよりお腹空いたし早く行こうか。」

 我ながら結構いい案だ。袋の手持ちを片方僕がもう片方を彼女が持ち相手の場所をある程度把握できる、これで離れることはないだろう。

 もう一度人ごみに行くと、お昼時を過ぎたからかさっきより人が少なくなっていてすんなり目的のお店に入ることができた。

 「意外とすんなりこれたね。」

 「うん。僕の案も意味がなかったね。」 

 「ふふ、私は、嬉しかったよ。リュウ君が私のために策を考えてくれて。早速ハンバーグ食べよーう。」

 お店に入ると焼けたハンバーグのいい香りが漂ってきた。お店の中もお昼時を過ぎているのににぎわっていた。席に座るとお店の人は、すぐに来た。

 「私は、チーズインハンバーグで。リュウ君は?。」

 「僕も一緒のでお願いします。」

 店員さんがわかりましたと言って厨房に帰ってい行くと彼女が文句を言ってきた。

 「もっと冒険しなよー。チーズインハンバーグなんてどこでも食べれるじゃーん。」 

 「君も一緒のだよね?。しかも僕は、安定を取るのが好きなんだ。冒険なんてしてあんまり口に合わなかったらどうするうのさ。」

 「こういうお店に限っておいしくないなんてことありえないじゃん。絶対全部おいしいじゃん。でも、確かにチーズインハンバーグが安定出すよね。」

 さっきまで否定していたのにいきなりの賛成意見で頭がこんがらがってきた。そんな会話をしていたら注文したものが届いた。チーズインハンバーグが二つ。

 「リュウ君の方がなんか大きくない?。私そっちがいいなー。」

 確かに僕の方が大きい、店員さんの配慮だろう。小柄の女の子と普通の男の子、一般に男の子の方に大きい方を渡すだろう。

 「仕方ないなぁ。交換してあげるよただし、食べきってね。」

 「わかってるって今日は、お腹空いてるから絶対食べきれる。」

 こんな事いつも言っているような気がしてる。長い付き合いをしている僕だから絶対言い切れる、絶対に残す断言できる。

 「もうお腹いっぱい。リュウ君残り食べてくれない?。」

 「言わんこっちゃない。半分を食べただけまだましか、食べてあげるから貸して。」

 「ありがとー。すごく美味しかったのに食べきれないのが悔しい。あっそうだ!ここ出たらさクレープ食べようよ。」

 今さっきお腹いっぱいといっていたのに、クレープだと。その体のどこにそんな量が入るというんだ。いや女の子は、スイーツは別腹だと前にも言われた気がする。

 「まあいいけどこの辺りにクレープ屋なんてあるっけ?。」

 「最近近くにできたらしいよ、いろんな種類があって人気なんだって。」

 クレープは、嫌いでも好きでもないのだが彼女が見せてきた写真には僕の大好きなコーヒー風味のクレープもありなんだかんだ乗り気にさせられた。

 「食べ終わったし行こうか。僕コーヒー風味のやつ食べたいし。」

 「よーしじゃあ私は、チョコバナナにしよーと。」

「やっぱり君の方が冒険してないよね。」

 彼女は、「いいじゃんそんなこと。」と言いつつ他の味の評価を調べてるのが見えたので違う味にしてくるかもしれない。

 ハンバーグ屋から出ると、さっきまでほとんどスーツ姿のサラリーマンがいたのに私服の学生や買い物をした主婦がほとんどになっていた。

 彼女についていくと女子高生だったりカップルがたくさん並んでいるクレープ屋が見えた。

 「 ねえ見てリュウ君、カップル半額だって。どうする、カップルのふりする?。」 

 「半額はでかいね。僕は、どっちでもいいよ君がいいのなら。」

 オッケーと言いて列に並ぶと、十五分ほどで僕たちの番が来た。彼女は、チョコバナナに抹茶アイスを僕は、コーヒー風味にバニラアイスを乗せて注文した。

 「カップルですか?。」

 やっぱり聞いてきた。彼女がどう返すかで半額になるかが変わってくる。というかカップルですか?って違ったら普通に失礼じゃないのだろうか。

 「はい。カップルです。」

 「はーい半額になりますね。」

 彼女は、普通に返しているような涼しげな顔をしているが耳が真っ赤になっている。僕もやっぱり顔が少し熱い。

 店員さんは、ちょっとお待ちくださいと言って数分で二人分のクレープを持ってきた。受け取ったクレープは、少しずっしりとしていてこれが半額なんて店をやっていけるのだろうかと心配になるぐらいだった。

 「結構量あるねー。しかも夏限定で乗せるアイスも少し大きくなってるんだって。こんなんでやっていけるのかな。」

 「ほんとだよ何で元を取っているのか気になる値段と商品差だよね。何か安くできる理由があるにしても安すぎるしね。」

 彼女も同じことを考えていたようでよかった。

 さっそくクレープを一口食べてみるとコーヒーの味がしっかりしていておいしい、バニラアイスとのコンビネーションもばっちりである。

 「ねぇリュウ君あれ見てなんかあるよ。」

 「え?何にもないよ…。何してんの?。」

 彼女を見ると彼女は、僕のクレープにかぶりついていた。彼女は、いわゆる上目遣いで僕のことを見てくる。こういうところが男を引き寄せるのだろうか。

 「何人のクレープをを勝手に食べてんの?。」

 「おいしそうでつい。私のもの一口あげるから許してお願い!。」

 まあ一口くれるのなら別にいいが。彼女の一口は、物凄く小さかった。本当に食べたのだろうかと疑うレベルで小さかった。彼女のクレープを一口もらったが、安定にチョコバナナは美味しい。

 意外と大きかったクレープは、すぐになくなった。彼女もクレープは、すんなり食べ終わっていた。

 彼女の顔を見ると面白かった口の左右にクリームが付いたままだった。黙っておくか悩んだが後からばれたら怒られそうなので遠まわしに教えてあげることにした。

 「そういえば今日一枚も写真を撮ってないね。今日は、僕のスマホで撮ろうか。」

 「そういえばそうだね!。リュウ君からなんて珍しい、じゃあちゃんとこの可愛い私と

のツーショットきれいに撮ってね。」

 「わかったわかった。はい撮るよー。」

 撮った写真を見ても彼女は、ニッコリと笑ってピースをしているが口にはまだクリームが付いたままだった。

 「写真みせてー。って口にクリームついてるじゃん!。リュウ君酷い教えてよー。」

 「気づいてない君が悪いんじゃないか。写真で気づいたんだからまだよかったでしょ?。」

 彼女は、持っていたハンカチで口元をぬぐいながら肩を優しく殴ってきた。今回の写真は、彼女と僕だけの秘密の写真となった。

 「ほんとさー、リュウ君ってたまにひどいよね。気づいたなら普通に教えてくれてもいいじゃんか。」

 「ごめんごめん。まさかそこまで起こるなんて思わなくて。」

 「お詫びとして私の質問に答えてね!。」

 「仕方ない何でも答えるよ。」

 どんな質問がけても答えられるだろう、彼女が聞いてくることなんてたかが知れてる。恋愛のことを聞いてくる八割、それ以外二割なのだから。

 「リュウ君今日楽しかった?。」

 「え、うん楽しかったけど何で?。」

 「いや今日あったときは、落ち込んでたからさ私との今日一日いてどうだったのかなーって思ったから。でもリュウ君が楽しかったならよかった、私も楽しかったしねー。そうだ最後に本屋寄ろうよリュウ君用があったんだよね。」

 「そういえばそんなこと言ったね。寄って帰ろうか、君にもおすすめの本があるしね。」

 「リュウ君のおすすめとか難しそうでいやなんだけど。」

 難しそうか、確かにとらえ方によっては難しいかもしれないが。普通の恋愛小説なので大丈夫だろう。

 「大丈夫だよふつうn」

 「えーーみ!こんなとこで何してんの?。」

 「うわぁ!栞に利香何でここにいるの?。」

 「母の日のプレゼントを買いにねーって龍太郎君じゃん、ヤッホーまたお二人さんデートですかい?。」

 この二人は、なんでこんな僕たち二人でいる時だけ現れるのだろう。

 「デートでもないよ今日バッタリ会って成り行きで二人で買い物することになったんだよ。」

 栞さんは、スポーツ万能で人生を生きることに本気のタイプだ、それに反していつも一緒にいる莉菜さんは、落ち着いていて大人びている。ちなみに二人の得意教科は、栞さんが体育実技、利香さんが数学と英語だ。僕は、理科しかできないのでたまに利香さんに勉強を教えてもらっている。あと彼女の得意教科は、家庭科らしい。

 「なーんだ私は、てっきり二人がデートをしてたのかと思ったよ!。」

 「わかんないいよー。二人で口裏合わせて噓をついてるかもしれないよー。」

 この二人性格が真逆なのにいきっぴたりだな。というか利香さんが栞さんに合わせるのがうまいのかもしれない。

 「もーふたりともいいじゃん、デートだろうがデートじゃなかろうが。二人には、関係ないの!。」

 「なるほどねー。ねえ龍太郎君この笑梨の新しいスカート選んだの龍太郎君?。」

 「僕っていうか僕は、感想を言っただけだからな。」

 「なんて感想をいったの?。」

 「え、僕の好きなアイドルグループのオレンジ担当の人に似てるって言っただけだけどどうして?。」

 「笑梨あんたも大変だね。相手が物凄い鈍感ってのも。」

 「え、何の話?。鈍感って誰が?。」

 「あんたも鈍感なのねじゃあもう黙っとくわ。」

 利香さんは、何の話をしているのかこの場の誰もわかんなかったのでそこでこの話は、終わったのだが。

 「そういえば龍太郎お前さ有紀に告白したのか?。」

 「え、何で知ってるの?。」

 「さっき有紀に会ってお前に告白されて振ったらめちゃくちゃ悪口いわれったって言ってたぞ。」

 「は?。僕が悪口なんて言うはずないでしょ、しかも女子に向かって。」

 「いやぁ私たちは、その話聞いた時笑ったんだよ、龍太郎が悪口なんて言うはず無いだろってそしたら有紀怒ってどっか行ったんだよ。」

 この二人が僕が言うはずないっておもってくれたのがせめてもの救いだっただろう。でも有紀さんは何でそんな噓をついたんだろう。

 「龍太郎君知らなかったんだ有紀が裏では、人の悪口めちゃくちゃ言ってるって。中学の時から知ってるけど男子の前ではいい顔すんだよねー。」

 「そうなの!?。」

 「何であんたらが驚くのよ。」

 ほんとにだ、僕が驚くより早く利香さん以外の女子二人が驚いていた。

 「知らなかったなぁ有紀ってそんなことしてたのか。」

 「ほんとだよねでもよく利香見てるねさっすがぁ。」

 「あんたらが鈍感なだけだよ。」

 有紀さん女子の前では、人の悪口を言う人だったなんて驚きでしかない。あのおっとり系の人がそんな悪女だったなんて。

 「もうこんな時間じゃん。栞帰るよーバス来ちゃうから、ほんじゃお二人さんまた月曜日ね。あと龍太郎君笑梨のこと頼んだよー。」

 「じゃあなー。利香引っ張りすぎ痛い痛い。」

 「バイバーイ。。」

 あの二人は、台風みたいだないきなり出てきてスッといなくなっていった。

 「私たちも帰ろうか。暗くなり始めたし。」

 たしかに日が沈み始めてきたので僕たちも帰りのバスに乗って帰ることにした。

 「ここからどれくらいかかるっけ?。」

 「二十分とかじゃないかな。」

 「そっかぁ。」と言いながら気づいたら彼女は、眠りに入っていた。首が前に傾き始めたので後ろに引くと僕の肩の上に、彼女の頭が乗ってきた。どかして起こすのも悪いのでそのままにしておくことにした。

 二十分ぐらいだったらどうってことないだろう。降りるバス停についたので彼女を起こしてバスを降りた。降りた。

 「私寝言とか言ってなかった?。」

 「「リュウ君また遊びにいこうね。」って言ってたよ。」

 「えー恥ずかし。でも今思ってることが言えてたならいいか。リュウ君また行こうね!。」

 「気が向いたらね。」

 「えー。」と文句を言われたが彼女も僕も笑っていたからいいだろう。でも月曜に有紀さんが僕からの告白のことをどう言いふらすかが怖かった。

 そんなことを考えていたら彼女の家の前まで来ていた。

 「それじゃあリュウ君バイバイ。また月曜日ね。」

 「バイバイ。」

 何年も何回もこの光景を見てきた彼女が手を振って僕が見えなくなるまで手を振り続ける彼女を。月曜が怖いけどいざとなれば、栞さんと利香さんに何とかしてもらえるといいんだけど。

 とずっとお風呂の中で考えていたので、気づいたら二時間入っていた。 

 今日は、いろいろとあった一日だったなと思い眠りについた。

 

 次の日の日曜日は、昨日買った小説を読むのと課題をするので終わった。

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