王都の武闘大会~パーティー追放されたけど、昔好きだった幼馴染に誘われて大精霊と一緒に無双してざまぁしたわよ!
蒼井星空
第1話 パーティ追放!?
「リシュアナはチームから外す。悪いな……(お前は俺の誘いを断った……俺の女になるなら当然出していたがな)」
「なっ……」
これから始まる王都での武闘大会を前に、地方大会を勝ち進んできたチームから突然追放されてしまった。しかも理由は明らかに強さとは関係ないもの。
許せない……が、リーダーは目の前で下卑た笑いを浮かべている好色な筋肉ゴリラ……ゴレアスだ。
せっかくの武闘大会なのに、どうしてこんなことになったのか……。
***
王都は今日開催される武闘大会を祝うかのような澄んだ朝を迎えた。
まるで嵐の前の静けさといった様相の穏やかな日差しが降り注いでいる。
私は窓から差し込む優しい光を浴びながらベッドから立ち上がり、水の精霊アクアに頼んで桶に貯めてもらった水で顔を洗い、風の精霊シルフィの優しい風で乾かしてもらい、さっぱりした気持ちで窓を開けた。
「う~ん、気持ちいい」
朝の涼やかな風が私の頬を撫でて流れていく。
今日の大会ではこれまでに予選を勝ち抜いた4チームが優勝を巡って戦う。
私が所属するのは王都のギルド選抜チーム"鋼の意思"だ。
リーダーの戦士ゴレアスは好色で下品なのであまり好きではないが、メンバーの剣士フリード、魔術師サイクス、神官リオメル、精霊術師の私とで、バランスの取れたチームだ。補欠として騎士グレアムがいる。全員Aランクのギルドメンバーだ。
戦い方は、魔術師と神官の支援魔法及び私の精霊術で防御を固め、相手を揺さぶりながら勝機を見出したら戦士、剣士、魔術師、私の精霊が攻撃をしていくという正統派のチーム戦を得意としている。不調なメンバーが出たら支援魔法も回復魔法も使えて自ら盾役も攻撃役もこなせるグレアムが穴を埋める。
安定した戦い方ができる私たちは優勝候補だ。
窓から流れ込む風になびく髪を艶やかな紐で縛った私はこれから繰り広げられる戦いに向けて気持ちを整えていく。少し癖のある私の髪だが、今日は良い子で上手く纏まり、気分爽快だ。切ればいいのかもしれないけど、精霊たちが美しいと言ってくれるので伸ばしている。
他には国境防衛で活躍している傭兵団、王都の騎士学院の選抜チーム、それから直前まで私を勧誘してくれていた出身地のルーヴィア公爵領のチームが残っている。
ルーヴィア公爵領のチームからの勧誘は断ってしまったが、リーダーのエルロッドは幼馴染で、断った私にも決勝で戦おうと言ってくれたの。
ちなみに騎士団などは出てこない。あくまでも市井のものを対象とした戦いだ。
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