第24話

由良は既に電話の切れているディスプレイを見てから、自分の髪をひと房つまんだ。


少し暗くて目が痛いほどではないが、金髪。


カラフルな頭の不良の中ではそう目立つ色ではないが、一般的な認識としてはかなり目立つ奇抜な色に入るだろう。


頑張っても茶髪とは言いにくい。



「染めようかな……」



金髪と言うのは流石に印象が悪いだろう。



そう思った由良はぽつり、と呟いた。





そんな話をしたのは昨日のことだった。


取引先との食事会はもう少し先の日程で、今日も由良は嵐神の倉庫に呼ばれていた。


今日の目的は集会。


嵐神の集会があるから来い、とそう呼ばれてきた。



(完全に仲間みたいになってない……?)



幹部を前に集まる嵐神メンバーを前に、由良は内心でひとりごちた。


まるで嵐神メンバーの一員のように由良は混ざっている。


もう疑わなくていいのか。


わざわざ大事な集会に呼ぶなんて、聞いても良いと言われているようなものだ。


由良は膝を抱えてソファの上に座りながら、彼らが深刻な表情で口を開くのを見守っていた。



「前々から言ってたけど」


話を切り出したのは副総長である夏楓だった。


だいたいこういうことを取り仕切るのは夏楓だ。


総長である瑠生はほとんどそこにいるだけ。


それだけでいい。


それだけの存在感も実力もある。



「霞が動いてる」



え、と由良は夏楓を凝視した。


度々話には上がっていたが、またか、と続きを待った。


「揺らめく霞のさらに実態の掴めない姫、ユラ。彼女が消えたっていうのはつい最近噂になってたけど、本気の捜索が動き出したらしいんだ。金髪の男女が狙われている」


気を付けて、と続いた夏楓の言葉は由良には届いていなかった。


懐から出した端末を見つめる。


(金髪……?赤髪じゃなくて……?)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る