第2話 はじめに

 その昔から、この世界には性別と性徴と呼ばれる人を分ける区分があった。性別は、男と女の二種類であり、性徴は、α、Ω、βの三種類があった。

 αは力、知恵、体格など他の性徴より勝っていて、支配者等の特権を持つものに多かった。

 Ωは、男女関わらず子供を産むことができる。音楽や絵画など文化的な才能を持っている者も多く。性格も穏やかな者が多い。中にはαに劣らぬぐらい優秀なΩもいた。ただ、Ωには性徴の発達が進む16歳頃から発情期と呼ばれる性的な衝動行動が起きる。首の付け根からフェルモンが香り男を誘う。特にαを惑わせると言われていた。これによって、子供を妊娠できる準備ができたとされる。優秀なαはΩから生まれてくると言われていた。

 βは性徴の中で一番人数が多く、βの女性は普通に子供を産むことができる。特に一般的な能力とされいたが、努力して医者や弁護士になったり商店主として成功するものもいた。

 Ωの女性たちには月経がある為に発情期は大して酷くなく少し体臭がキツくなる程であった。しかし、男性のΩには月経がない為に発情期はフェルモンを放出する。そのフェルモンが、αを惑わせると言われて蔑まれていた。

 今の最新の研究では、フェルモン自体をαも出している事がわかっていて、Ωとαはフェルモンの匂いの相性によって互いを確認し合い、番を選ぶ事がわかってきたのである。そのフェルモンも、番になると互いしか認識できなくなる。

 しかし、αは何人ものΩと番になれるが、Ωは、ひとりの人しか番になれない事もわかってきたのである。

 バースの研究はまだ発展途上である。

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