コロシヤマシタ

第2話

序章：入社式と殺し屋の影

「えー、新入社員の皆さん、ご入社おめでとうございます！」

眩いばかりの照明の下、壇上の社長が満面の笑みを浮かべている。山下は、他の新入社員たちと一緒に、どこか不自然な笑顔を浮かべていた。

山下は、この会社に入社するまで、決して普通の生活を送っていたわけではない。前職は、表舞台に出ることはない、ある特殊な組織の一員だった。殺し屋、と呼ぶのが最も近いだろう。しかし、その過去は、誰にも知られていない。

入社初日から、上司の田中からのパワハラが始まった。理不尽な要求、人格否定、陰湿ないじめの日々。山下は、耐えかねて、ある嘘をついてしまったのだ。「俺の前職は殺し屋だ」。

冗談半分で言ったその言葉が、予想外の効果をもたらした。田中は、山下を恐れるようになり、パワハラはピタリと止んだ。それどころか、山下は特別扱いされ、昇進も早かった。

順風満帆な日々を送る山下だったが、ある日、事態は急変する。かつて、自分と同じように田中からパワハラを受けていたという、田中という名の男が、山下のもとへ現れたのだ。

「田中さん、助けてください！あの男、僕を殺そうとしています！」

田中は、震えながらそう訴えた。山下は、田中を助けるべきか、それとも見捨てるべきか、激しい葛藤に苛まれる。

「まさか、お前が本物の殺し屋だったなんてな」

田中は、どこか楽しそうな表情でそう言った。そして、不気味な笑みを浮かべながら、山下に向かってナイフを突きつけた。

「ゲームだ、山下。面白いゲームを始めようじゃないか」

田中は、そう言うと、山下を拉致した。

山下は、自分の過去の嘘が、思わぬ形で自分に返ってきたことを悟る。果たして、山下は、この危機を乗り越え、無事に田中から逃れることができるのか？そして、二人の間に隠された真実とは一体何なのか？

物語は、これから、予測不能な方向へと進んでいく。

第2章　地下室の真実

拉致された地下室は、想像を絶する空間だった。無機質なコンクリートの壁、薄暗い照明、そして中央には、無数の銃器が陳列されたガラスケース。その中には、山下が目にしたこともないような、重火器まで含まれていた。

「これは…、まさか…」

山下は、自分が連れてこられた場所が、田中という男の私的な武器庫であることを悟った。田中は、楽しそうに山下を見つめながら、機関銃を手に取った。

「どうだ、山下。この機関銃、気に入ったか？これを使えば、君を簡単に始末できるだろう」

田中は、機関銃を構え、山下に向ける。山下は、必死に状況を飲み込もうとする。

「どうしてこんなことをするんだ！」

山下は、怒りを込めて叫んだ。

「どうしてって？それは簡単だ。君が僕を面白がらせてくれるからだ。それに、君の秘密も知りたいしね」

田中は、冷酷な笑みを浮かべた。そして、ゆっくりと山下へと近づいていく。

山下は、必死に抵抗しようとするが、田中は強すぎた。地面に倒れこんだ山下は、絶望を感じた。

その時、山下は、あることに気がついた。田中は、機関銃を構えながら、どこか楽しそうなのだ。まるで、子供の頃に手に入れた新しいおもちゃで遊んでいるかのように。

「お前は、本物の殺し屋なんかじゃないんだな」

山下は、そう言い切った。

「そうか？じゃあ、これを見ろ」

田中は、懐から小さなナイフを取り出した。そして、そのナイフを山下に見せる。

「これは、私が君を殺すために作ったナイフだ。特別な毒が塗ってある。一突きすれば、君は苦もなく死ぬだろう」

田中は、そう言うと、ナイフを山下に向けて突き刺そうとした。

その時、山下は、反射的に体をよけた。ナイフは、わずかに山下の肩をかすめるだけだった。

「なっ、なぜ…！」

田中は、驚きを隠せない。

山下は、この隙を逃さなかった。地面に落ちていた鉄パイプを拾い上げ、田中に向かって振り上げた。

「これは、お前のために用意したプレゼントだ！」

山下は、全力を込めて鉄パイプを振り下ろした。

第3章　反撃の狼煙

鉄パイプは、見事に田中の頭を打ち砕いた。田中は、そのまま地面に倒れ込み、動かなくなった。

山下は、ようやく一息ついた。しかし、まだ安心はできない。この地下室には、他にも多くの武器が置かれている。そして、田中のような人物が、他にもいるかもしれない。

山下は、地下室から脱出する方法を探さなければならなかった。

しばらく彷徨った後、山下は、ようやく出口を見つけた。それは、小さなハッチだった。

ハッチを開けると、そこは、外界とは全く異なる空間だった。薄暗い通路が、どこまでも続いていた。

山下は、この通路を進むしかない。果たして、山下は無事にこの地下室から脱出できるのか？そして、自分の過去とどう向き合っていくのか？

物語は、まだまだ終わらない。