一話目

何かを咀嚼しているような音、

不気味な音がその場に轟く。

ありとあらゆる不安材料を掻き合わせ

それを見た。

おい、あれはなんだ。

よくよく目を凝らした。

あいつは同じ部署の片本。

その後ろ姿を見た。

前屈みに何かをしているようだ。

その顔がこちらに向けられた。

彼の口元は紅く、何かを喰らっている。

何してるんだ。おい、何をしている。

おい、何を食っているんだ。

彼は立ち上がり、こちらを向いた。

彼の身体は完全にこちらを向いた。

くうか?おまえも。

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みたな 雛形 絢尊 @kensonhina

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