1話 魔人デビュー
「勇者様方!どうか世界のためにお力をお貸しください!」
目の前で跪いた凄い綺麗な女性が突然そんなことを言ってくる
周りのみんなも突然の出来事に驚いて一言も発さない
明らかに見慣れない建築様式、海外でも味わうことがないような雰囲気、とにかく全てが異常なそんな状況で話しが進んでいく
「まずはいきなり召喚してしまい申し訳ございません。そしてここは皆様のいた世界とは違う世界、いうなれば異世界です。」
「すいません、この世界が僕らの世界と違うというのはどういうことでしょうか?」
「すいません、それも含めて皆様にはこれから玉座の間に行ってもらいます。詳しい説明はそこで致します。」
とりあえずこのお姉さんについていけばいいようだ
あと今喋ってたのは高杉 晴人、クラスのリーダーみたいなやつだ
ちなみに結構なイケメン、親も金持ちらしく俺からしたらムカつく野郎だ
ただそんな状況でも周囲の確認を怠らない
出入り口の位置廊下の長さ隠れられそうなところを
歩きながらではあるが可能な情報収集はする
これは俺の習慣というか癖だ
そんなことをしてる間にすぐに玉座の間とやらに到着する
そんな僕らの目の前に広がるのは荘厳な扉
軽く10mはある
そして扉が開いた先に広がる景色は如何にも玉座の間って感じの部屋
もはや部屋と呼んでいいのかという規模の部屋である
長い絨毯の先には豪華な椅子に頬杖を付いている老人がいる恐らくあれが王様なのだろう
部屋について丁度中間辺りに着いて説明を待つ
こういうのって跪かなくていいんだろうか
まぁいいんだろうな一応俺たち勇者らしいし
「よくぞ来た勇者達よ。我がエルサリム・ダビデ・リアム・ド・テレスである。この世界は今存亡の危機にあり、その為にお主ら勇者を召喚した。色々分からないことがあるだろうから、そこのイレーザー大臣に聞いてくれ。」
「ご紹介に預かりましたガンダリス・エルドイレーザー大臣です。今我らが人類は悪しき魔人共といわば戦争状態にあります。その為に皆さまを召喚した訳です。早速ですが皆様方にスキル発現の儀という物を受けてもらうのですが
その前に質問等ありましたら答えますので是非分からないことがありましたらよろしくお願いいたします。」
「では失礼していいでしょうか?僕は高杉晴人と言います。まず僕たちは元の世界に帰ることは可能なのですか?」
「皆さまが元の世界に戻る為にはこの世界全体で生まれる魔力が必要なのですが、現在は魔人に占領されているものもあり不可能です。従って魔人を滅ぼさない限りは不可能でしょう。」
「…なるほど。つまり僕たちが帰るには戦わないとダメな訳ですね、ちなみに僕らは戦いの経験がありません。そこに関してはどうなるのですか?」
「それについては大丈夫です。皆さまにはこれからスキル発現の儀でスキルを授かってもらい、魔物相手に経験を積んで貰います。
勿論我が国もサポートはさせて貰いますので安心してください。」
その後も色々と話し込んでいたがまぁそこは置いといて今からスキルを実際に授かるらしい
元々ゲームはやる方だからめっちゃ楽しみ
しかもそれを魔物や魔人相手に振るえるときたもんだ
元々地球では色々我慢してたからなぁ、あぁほんと滾っちゃうなぁ
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「では皆さま今からスキル発現の儀を致します。その前にまずは【ステータス】と唱えてみてください。」
ま、まさか本当にあのステータスさんが実在するのか⁉︎
俺は昂る鼓動を抑えて【ステータス】と唱えてみる
すると目の前に透明な板みたいなものが出てきた
霧雨 和人 16歳 人間
Lv.1
HP 16 / 16 MP 10 / 10
攻撃力 8
防御力 10
素早さ 12
魔力 2
【スキル】:
【魔法】:
【加護】:****
本当に出た!俺のステータス!
実際に見るとものすごい感慨深いものがある
なんか加護の欄に変なの書いてあるけどなんだこれ文字化けしてるし
ステータス的には他の人と比べるとこれはどうなんだろうか
「すいません、ステータス?出てきたんですけど、これって平均どのくらいかーとかってあるんですか?あとなんか加護?って欄に剣聖の加護って書いてあるんですがこれは?」
「おお⁉︎剣聖の加護ですか!やはり勇者様ですね、加護をお持ちの方はとても珍しいのですよ。そしてステータスですね?この世界のHP以外の一般的なステータスの平均は全て5となっております。」
「おぉ珍しいんですねこれ、ありがとうございます!」
丁度気になっていたらクラスの中でも人気の
小鳥遊 光が質問してくれた
ってか剣聖の加護なんて貰ってんのかいいなー、俺のなんか文字化けしてるしなこればぐってんじゃねえの?
あとステータス的には俺結構優秀っぽいね
時代きたなこれ?
そんなこんなでクラスがガヤガヤなってたら
準備が整ったみたいで1人ずつ始まっていく
この世界授かるスキルは人によって異なるがみんな1つは絶対に授かるらしい
その中でもランク別に分かれていて
上から神→極→特→上→中→下に分かれていて基本は下が普通、神なんて100年に1人とかそのレベルらしい
そしてやっぱり勇者は特別らしく最低でも上、スキルも2つ持ちが結構いる
そんな中高杉の番が来たのだが場が騒めきだす
「な、ななななななんと⁉︎剣術に加えて光魔法までもがランク神だと⁉︎まさに奇跡だ!」
なんとランク神を2つも授かったのだ
そりゃ騒がしくなるわな100年に1人とかいうレベルのものを2つも授かってんだもん
普通になんでも持ちすぎててムカつく、滅べ
しかも
「僕なんかがこんな大それたものを授かってしまって申し訳ない気持ちもありますが、精一杯期待に応えますね。」
これである、うーんイケメン
なんかこいつ欠点なさすぎて怖いね最早
殺りあってみた……いやうんまぁ無理だわな
一応仲間なんだし
「それでは次、そこの君」
「あ、はーい」
俺の出番である
まぁ正直なんでもいい訳なんだけど
スキルなんて結局貰いもんだからな
俺はあくまで自分の力のみで戦いたい
「それではスキルを授ける。目を瞑って瞑想しなさい。」
言われた通りに目を瞑って瞑想してみる
すると自分の中に何か異物が入ってくるのがわかった
嫌な感覚だ
なんとなく不愉快に感じたその力を堰き止めてみる
すると体に異変を感じた
次の瞬間俺の体から蒸気が出てきて周囲が輝いた
瞑想を辞めステータスを開き何を授かったか確認する
すると
霧雨 和人 16歳 魔人
Lv.1
HP 160 / 160 MP 320 / 320
攻撃力 40
防御力 50
素早さ 60
魔力 10
【スキル】:身体強化(神)
【魔法】:風魔法(極)
【加護】:******
…………………人類の敵になってしまった
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