冬月雪兎珍道記 出張版その3

夢水 四季

帰り道

「うん。今、羽田着いたところ。今から、さねちーの家向かうね」

「今回はイタリアだったんだろ。どこ行ったの?」

「うん。ローマを中心に回ったよ」

「ローマかあ。何あるの?」

「コロッセオとトレビの泉とか」

「ああ、コイン投げるやつ? コイン投げて入ると願いが叶うんだっけ?」

「う~んとね、コインは3枚投げて、1枚入るとローマへの再来訪が叶い、2枚入ると大切な人と永遠に一緒にいれる、3枚入ると恋人や夫・妻と別れることが出来るんだって」

「そうなんだ。何枚入ったの?」

「3枚とも入ったよ。僕コントロールはいいからね」

「でも君に大切な人なんかいないじゃないか」

「寂しいこと言わないでよ」

「じゃあいるの?」

「いないけど」

「やっぱりいないじゃないか。……他には何処か行ったの?」

「『ローマの休日』で有名なスペイン広場とか真実の口とか」

「君はしょうもない嘘を時々吐くから噛まれたんじゃない?」

「噛まれる訳ないだろ」

「それもそうか」

「その後はバチカン市国に行ったよ」

「たまにオカルトアニメとかに出て来るバチカンか」

「サンピエトロ大聖堂とかシスティーナ礼拝堂に行ったよ」

「確か「最後の審判」の絵が描かれるんだっけ」

「そうそう。迫力満点だったよ」

「他には何かグルメ的なものは食べたの?」

「本場のジェラートとかピザを食べたよ。美味しかった」

「良かったじゃん」

「写真もいっぱい撮ったから帰ったら見せてあげる」

「うん。楽しみだ」


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冬月雪兎珍道記 出張版その3 夢水 四季 @shiki-yumemizu

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