第224話 インテリジェンス

 金曜。神池庭園ダンジョン。不買の説明を求められたのだけど、面倒くさい。


「いわゆるアーモンドチョコってあるだろ?」


「うん」


「アレ、明治とロッテが作ってんだけど、俺は圧倒的に明治派なんだ。ロッテのは買わないと決めてる。つまりそういうことなんだ」


『嘘つけや! ネトウヨだからだろ!』


「バカ、やめろ!」


「ねとうよ?ってなぁに? ……あれ? 聞いたことあるかも」


「えーと、ネトウヨはですね? ネット右翼のことで、インターネット上でゆるく活動する右翼のことだな。いわゆる左翼が急進派、改革派、なんか変えなきゃダメな気がする!って連中で、右翼はその逆。保守って言われたりする。ネット上の右翼は、もうちょっとゆるい感じ。日本を大事にしようって感じだな」


『ものは言いようだなぁ、オイ?』


「たりめーだろ。『ものは言いよう』なんだよ!」


 スレイン・スターシーカーの名言で、表面的な物事を大切にしなさいってのがあってですね? いや、まぁ、偽悪趣味に走ってどうするって話でもある。


「実際のところ、政治思想というよりは、国防の一環なんだ。インテリジェンスって言葉が一時期流行ってな? 単語の意味としては知性とか知力だけど、これは『情報戦』みたいな意味になる。いわゆるスパイ活動とか、その逆でスパイを防ぐこととかだな」


「007とか、ミッションインポッシブル?」


「現実はそんな派手じゃないけどな。……いわゆる戦争だと、戦って相手を打ちのめして、国を奪うみたいな形になるけど、被害が出まくるだろ? だから情報戦でもって、内部から腐敗させて崩したり、利益を抜いたりってやり方で、戦わずして勝つって方法もあるんだよ」


「そうなんだ……」


「政治は、よく分からないです……」


「まぁ、そうだろうな。俺もそう思うし、思ってたし。……ありがちなのだと、売れない芸能人のスポンサーとかな。金が無いときに助けてくれる人には恩義を感じるもんだろ? それがたとえ反日系の組織だったとしても、若い頃に支えてくれた人たちだと思えば、従うのが当然だと思うようになるわけだ」


「政治に興味がない時に、騙されて手先にされるわけですか……」


「別に騙されてる訳じゃないんだろうけどな。背に腹は替えられないというか。飯を食う金がないとか、家賃払えないとか。本人にはどうしたって切実だからなー」


「お腹すくのヤダし、お金ないのもヤダよね……」


 まぁ、それはひとつの真理かもしれないやね。若い頃にそういうのに引っかかるかどうかは運次第になっちゃうやね。マネージャーとかかちゃんとチェックしてくれればいいけど、マネージャーが居なきゃ自分でやらなきゃならない。



「日本の崩壊はもう始まってる。たぶん手遅れなんだけど、日本人はなぁ~。異常に我慢強いけど、我慢の限界でブチ切れたら逆襲を始める国民性だから。正直、どうなるかは分からんね」


 天皇陛下だけ守れれば、後は別にどうでもいいだろっていう。


 時間経過で老人が死んで、貯金だの相続税だので政府は膨大な金を手にするけど、財務省はそれでも税金をむしり取り、消費税を無くせって話には耳を傾けないだろう。日本人がどこまで我慢できるか試してるんだろう。レベルEを思い出すね。


 経済の循環は血の巡りのようなもの。消費税は血の巡りを悪化させる血栓も同じだ。そうした病気のもと、、を排除するのは当然だろう。



「やっぱり、あんまり政治とは関わり合いになりたくないですね」


「うんうん」


『たとえばさー、ダンジョンで入手したものを売ると、半額で売ることになるじゃん?』


「えと、はい」


『そんでもって、収入が一定より増えると、累進課税でもって税金で半分とか取られるわけじゃん?』


「え、それって……」


『そっそ。75%とか税金でもってかれて、さらに消費税が10%とかだよ?』


「敵ですね!」


「敵! わるもの!」


 洗脳完了ってか。いや、まぁ、言ってることは正しいんだけどさ。たぶん違法にむしり取られてんじゃないか? 憲法で保証されるはずの人権ガン無視っつーか。

 

 

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