お仕事紹介
紫栞
第1話 お仕事紹介
最近、某有名SNSでは架空のお仕事紹介動画が注目を集めていた。
内容はホラー要素の強いものが大半で、給料は億を超えるものが多かった。
オカルト研究同好会(オカ研)に所属している飯田健は通学中にその動画を見るのが大好きだった。
動画が更新されているとオカ研メンバーにもすぐに共有した。
そんなとき、先輩の五十嵐舞が
「そんなに興味あるなら試しに応募してみたら?」
と提案してきた。
どうせエラーが出るか、更に作りこんであるとしても定員に達しましたくらいのものだろうと、この時は思っていた。
オカ研内でも賛成が多くあがり、皆が見守る中健は緊張しながら応募用QRコードを読み込んだ。
読み込んでしばらくすると真っ黒い画面が切り替わり、ご応募ありがとうございますの文字が赤字で浮き上がってくる。
他の人たちもその画面を真剣に見つめていた。
スクロールの文字が出てきて、素直にスクロールをすると想像通り『残念ながら定員に達しましたので今回はご希望に沿うことは出来ませんでした』の文字。
皆にもやっぱりなという安堵の空気が流れた。
そう、これはフィクションだからあくまで作り物で、実際にその場所があったり、その人がいるわけはないのだ。
そしてそのアルバイトも当然応募ができるわけがないのだ。
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