ROCK ON!(ロックオン)

くぼたひかる

第1章

第1話 プロローグ

 を使った時点で、俺は犯罪者か。


 焦りと痛みが俺の全身を締め付ける中、小さなデバイスを掴んだ。


 ありがとう。

 見ず知らずの俺に、忠告までしてくれて。


 だけど――――。

 俺はもう、何も失いたくないんだ。


 犯罪者……でいいんなら、使うさ。

 使ってみせる。


 この適合石いしが、自分を選んだのだ。

 俺も――――自分の意志で適合石こいつを選んだ。


 心の奥から何かが湧き上がる感覚がした。

 俺の中にある強い思いが、デバイスを通じて広がっていく。


 光がさらに強まり、俺を包み込んだ。


「呼べ!!!」


 あの人の声が耳元で弾けるように響いた。


「あとは名前を呼ぶんだ! その、適合石いしの名前は―――」


 黄色い光を放つ適合石。

 その輝きに引き込まれるように、じっと見つめる。


 その瞬間、全てが俺の中で理解できた気がした。


――『ЯОСК ОИ!』


 デバイスの起動音声が、これまで聞いたものとは違う、重みを持って胸に響いた。


 俺は深く息を吸い込むと、全身全霊でその名を叫んだ。

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