第23話

「兄さん、そもそも今日はココと日向ひなたさん達3人でお話ししてたんです」

「それで3人揃って来た訳か」

「はい、兄さんから無言の電話があったのはびっくりしましたけど」

「ああ、よく助けに来てくれたな心愛」

「えへへ、それはともかくこの場でお話ししてしまいましょう。花城さんが居るのも結果的には好都合ですから」

「そうだね」

「ほんっと間がいいんだか悪いんだかって感じだし」

「ふぇ?」

「…一体何を話すつもりなんだ?」


 内容からして、凪咲と俺に関係することだと思うが。


「これですよね、日向さん」

「…うん、これだね」

「これは…3年前の手紙じゃないか」


 刑事ドラマの証拠品みたいにビニールに入れてある手紙。

 実家の金庫に保管してあったはずだ、心愛が持ってきたのか。


「どうぞ、日向さん」

「ありがと心愛ちゃん…うん、ここ第公園が第公園に書き換えられてる」

「ふぇ!?な、なんで分かるの…?」

「…マジかよ、まあよく見たらそんな感じはするが」

「この手紙はね、一度郵便受けに入れられた後に改ざんされたんだよ。そうだよね?花城さん」

「…うう、はい」

「おい、待てよ…つまり俺が見たのは、この女が手紙を改ざんしてから投函してた姿だったのか?」

「…うん、そう…ごめんなさい…ふぁあああああん!」

「泣き出したぞこいつ…」


 今までこの件に関しては口を割らなかったのに。

 真実を突きつけられたからか。


「なんで今まで黙ってたんだ…」

「あのね、あのね…香帆かほちゃんが言ったの、友達だから内緒にしててねって」

「あのクソ女か…橋本はしもとのヤロウ…」

「花城さん、その人は友達じゃないよ」

「利用されてただけだし」

「え?ええ?」


 おさげの優等生ぶった眼鏡顔が浮かぶ。

 イジメ女子グループの中心だった女だ。


「この際だから全部話しちゃおうか、ね?」

「…司君の家の前を通った時に、女の子が手紙を入れてるのが見えて…香帆ちゃんに相談したら、その手紙盗っちゃおうって」

「…ろくな事考えねえなあのクソが」

「それでね、手紙を見た香帆ちゃんがね、私が出したことにして先に告白しちゃえって言って、手紙を書き換えたの」

「書き換えたのは橋本か」


 あの陰湿眼鏡女が。


「花城さん、それはやってはいけない事ですよ」

「うう、ごめんなさい心愛さん」

「じゃあ、なんで第二公園に来なかったんだ?」

「…私、間違えて第三公園で待ってたの」

「ねえ花城さん、それって香帆って子が言ったんじゃないかな?」

「う、うん。香帆ちゃんに第三公園に行きなさいって。でも後から聞いたら第二公園だって…それで…私が聞き違えたのかなって…第三公園すごく遠かったし」

「いや話聞いた感じじゃソイツが主犯っしょ」

「そうだな、とりあえず橋本は絶対にゆるさん」


 本気でムカついたな、一発おもいっきりぶん殴りてえ。

 実行はしないけどな、暴力はダメだ。


「兄さん、思ったより怒ってませんね?」

「まあムカついてはいるけど、長年の疑問が解明されてスッキリした」

「うう、ごめんなさい…」

「しかし凪咲お前は許さん」

「ふぇぇ、うぇぇぇん」

「ちょっと司、もうちょっと優しく言えっての」

「なに懐柔されてんだ星沢」

「うっ、この子って小動物的な庇護欲そそるのよ」

「小さくてツラだけは良いからな」


 お陰で勝手に回りがちやほやしてるからな。


「しかし芽衣、この手紙を一目見ただけで、よくまあ改ざんの痕跡を見つけられたもんだな」

「うん、だってこの手紙出したのウチだもん」

「なるほどな…なるほど?ん??」


 …今何って言ったコイツ?


「いやいや、お前中学ん時居なかったじゃねえか」

「はぁ…もう良いですよね?日向ひなたさん」

「うん、もう自力じゃ気が付かないよね」

「あのですね兄さん、この人がヒュウ君ですよ」

「…ん、悪い、今なんて言った?」

「あのね、ウチの名字、日に向かうって書くんだよ?」

「…ひゅうが?いや、ひなた?」

「マジ呆れるほど鈍いわねコイツ」


 は?


「え?お前って女だったの?」


 ウソだろおい。

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