第19話

 結局来てしまった。

 まあ、いい機会かもなと思った訳だが。

 適当なカラオケの大部屋を借りて、ここにクラスの八割くらいが参加してる感じだ。

 割り勘で払った金で適当な軽食も並んでるし、カラオケというより正しく打ち上げパーティーかなこれは。


「しっかし司が来てくれてよかったぜ!」

「ホントだよな、オレ絶対来ないと思ってた」

「お陰で星沢ほしざわさんと日向ひなたちゃんも来てくれたしな!」


 まあそうだろうな。


「俺も自分で意外に思ってるからな、何で来たんだ俺…帰るか?」

「お、おい冗談だよな?」

「まだ始まったばっかだろ!?」


 席は長テーブルを挟んで、丁度男女はっきり分かれてる。

 俺に配慮してとかじゃなく、星沢が仕切ったからこうなった。

 そんで、あの女は当然の如く隣に芽衣を座らせて、その列の真ん中に居座ってる、流石ガチ百合女王様。

 こうしてみると、星沢はまごうこと無くクラスカーストの頂点にいるんだな。完全にあいつが中心で女子は回ってる。


 俺の席は入口近くの端っこだ、これは俺がお願いした。

 隣に座ってるのは男子だが、正面の女子二人は話したこと無い知らん奴だ。


「ねえ、アタシら佐藤君と話すの初めてなんだけどー」

「だよね、全然こっち来ないもん」

「まあ興味ないからな」

「あはは!マジドライなんだけど!」

「おもしろーい!」

「…何なんだこいつら」


 何でこんなに喜んでんだ?


「だって瀬令奈とはよく話してるじゃん?」

「アタシらも、つっちーと話してみたかったし?」

「何だツッチーてツチノコか俺は」

「あはは!突っ込んだし!」

「おもしろー!」

「お前らテンションたけぇな?」

「テスト終わったし?」

「アゲていかなきゃね!」

「そうか、んじゃそれは任せた」

「あははドライ通り越して乾燥機じゃん」

「お肌乾いちゃうー」

「…マジかよこの女ども」


 やりにくいわコイツら。


「あのな、こないだ教室に5組の女が押しかけてきたりとかあっただろ?」

「あったあった」

「あったねー」

「俺は問題児なんだよ、中学なんてああいうことばっかだったから、お前らみたいな女苦手だし面倒臭い、あっちで遊んできていいぞ」

「えー、でもアタシらつっちーとお話ししたーい」

「瀬令奈もつっちーの事悪く言ってないし、ねー?」

「星沢が?そうなのか」

「でもさ、5組の連中ウザかったよねー」

「瀬令奈がガツンと言った時スッキリしたし!」

「ああ、アレは格好良かったな」

「でしょー!」

「惚れるー!」


 おーい星沢、ここにお前に惚れた女がいるぞ。

 って言ってやりたい。


「つっちー何か食べる?」

「じゃあイモだけ取ってくれ」

「フライドポテトね、他は?いろいろあるよー?」

「明らかに冷凍の既製品を高温の油で揚げただけだしな、安全だ。ケチャップとかもいらん」

「ふーん、よくわかんないけどそれでいいんだ」

「つっちー、飲み物は?」

「水か透明なサイダー。色付きのは何が入ってるか分からんからな」

「あー、これが日向っちが言ってたヤツか…」

「うん、アタシも分かったー…」

「何の話か知らんけど、お前らに俺の何が理解る?」

「…何かアタシ、一周回ってゾクゾクしてきたかも」

「…わかる、こういうのもちょっと良いかも」

「いや本当に何の話だ?」


 女は何考えてんのか分かんねえな…。

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