第20話 「レイはちゃんと積み重ねてきたんだね」

そこへ、燦龍衆の3人が地下へ転がり込んできた。

想の様子がおかしい。


怒りをむき出しにしてぐんぐんと前に進む想に、雪玲と紫苑が必死にしがみついている。


「想?!」


レイが駆け寄る。

想の動きがぴたりと止まった。


「どうしたんだ」

「わからないんだよ、いきなり、前に進み始めて…」


雪玲が困ったように言う。


「どうしたんだよ、想。」

「…ついに見つけた」

「は?」



「ははははははははは、自分から来たね、最後のピース」


ゆらりと立ち上がったソシレが笑っている。


「最後のピース?」


レイが聞き返すと、ソシレは得意げに黒い塊を見せる。


「アンドロイドウイルスだよ。君たち燦龍衆が探していた。」

「そんなはずない!破壊してきたはずだ!」


紫苑がさけぶ。

ソシレは真顔になって


「そんなんだから、甘いんだよ、紫苑はさ。一度手に入れたもの、構造を理解したものは再現可能でしょ。」


と吐き捨てた。


「でもそれは完成していないですよね?」

「そうだねえ。だから、最後のピースなんだよ」


ジホからの問いにソシレはそういうと、想を指差す。


「そこにあるでしょ。最後のピースが」


全員が想をみる。


想は言葉を失い、唖然としている。


「だから、おいでよ、想。君がくればこのウイルスは完成する。それに、君はこのウイルスに最適な身体だと思うよ。これまでずっとピースが体内にあったのに、なんともなかったんだもん。それどころか、融合するように、導かれるはずが、破壊して回っちゃうんだもん。おもしろいよねぇ~。最高だよ、君。」


ソシレは本当に楽しそうにケラケラと笑っている。


雪玲と紫苑は怒りをあらわにしている。


「…レイ、頼みがある。」


想が小さな声でレイにささやく。


「やだよ。そんなことしない」

「でも、それしかない。俺は誰も傷つけたくない」

「しねぇよ。誰のことも傷つけさせたりしねぇよ」

「他に方法はないだろう。俺をこわしてくれ」

「方法ならある。」


レイはそういうと、ジホとシャオに視線を送る。


「うちのがソシレを止める。雪玲と紫苑はあの塊を回収しろ。アンドロイドであるうちのにはウイルスに近づけないから頼めない。紫苑、あのウイルスを解析して動きをとめられるか」

「了解。やってみるよ。いや、やるよ」


紫苑が決意したようにうなずく。

上着の内ポケットから端末を一つ取り出す。


「雪玲、この端末をあのウイルスに挿してくれ。すぐに僕がハッキングしてウイルスの動きを止めて見せる。」

「わかった。想にはさんざん助けられたからね。ここで見捨てるわけないでしょう」

「その通りだ。想は勝手だね」

「いくよ、紫苑」


2人は頷くと、シャオとジホと同時にソシレに向かう。

ソシレの前に、ミファとドシラが立ちはだかる。


「どけ!」

「退カナイ」

「いや、退くんだ」

「私たちが引き付ける。君たちは先へ行け」

「あの子、助けるんでしょっ!」

「捨て駒のくせに生意気ねっ」


戦とサクラ、清良がミファとドシラの相手になろうと、飛び出した。


「いくよ、紫苑」

「うん」


2人はにっこりと笑うソシレに向かっていった。



レイは想の背中のハッチを開こうとする。

想はそれをさえぎった。


「だめだ。俺を壊せ、レイ」

「うるせぇな。早く開けさせろ。お前のそのかんじ、時間がないだろ」

「あぁ、その通りだ、いつ浸食されてもおかしくない。他のピースが集まってることで反応がはやくなったんだろう。いつ自我を失ってもおかしくない。だから、俺が俺であるうちに、壊せ」

「ふざけんな。あいつらがなんのために戦ってると思ってる。あいつらの思いを無駄にすんな。無駄にさせんな。大丈夫だ。俺がお前を助ける。」


レイはまっすぐに想を見た。

想はあきらめたようにレイに背中を向けた。


「いい子だ」


レイはそういうと、背中のハッチを開き、想の中のウイルスと対面する。


「でっかいな~」


あっけらかんと言いながらレイはウイルスを剥がしていく。


「ぐ、ぐぐぐ…」


想がうめく。


「大丈夫だ。大丈夫。想は想のままでいろ。自分のままでいられるように、今までのことを考えろ。」


レイはそう言いながらウイルスを剥がしていく。


雪玲がソシレの首元に蹴りを入れる。

ソシレは避けもせずに受け入れた。


「は?」

「ふふふ、なあに?その顔。…ボクが抵抗すると思ったのお?」

「…」


雪玲は眉を顰める。

ソシレは黒い塊を差し出す。


「早く挿してよ。紫苑のハッキングシステム。ボクは超えられなかったんだね、最後まで君を」


雪玲は黙って紫苑の端末を黒い塊に挿した。


「紫苑!」

「わかってる!」


紫苑はすぐにPCを開き、解析を始める。


「なぜ抵抗しない」

「…まるで抵抗してほしいみたいだね」

「…」

「もういいんだ。ボスはもうボクにご褒美は与えてくれない。ここでもうひと頑張りする元気なんかないよぉ。いいよ?いっそ殺してくれて」

「わたしたちは殺しはしない主義。物騒なこと言わないでよ」

「怪盗団なのに?」

「怪盗団は、盗むだけ。目的さえ達成すればいいの。他は余計なのよ」

「わぁ、なあに?それ。素敵だね。…キミ、お名前なんていうの?」

「教える義理はないわ」

「ボク、キミのこと好きになっちゃったかもしれない」


雪玲はさらにまゆをひそめた。


「だめだよ!雪玲は!」


紫苑が叫ぶ。


「良いから!早く解析を!」

「あっ、うん」

「へぇ、紫苑は…ふふ、そうなんだぁ」


ソシレはにやにやと笑っていた。

紫苑は必死にPCに食らいつく。




「とれる、とれるぞ!想、大丈夫か」

「…あぁ…」


レイが工具を使い、最後の数センチを剥がしきると、ウイルスが勢いよく塊に向かっていく。


「まずい!」


レイが叫ぶ。


紫苑が解析をはじめていた黒い塊に想についていたウイルスがくっついた。

うねうねとまるで生きているかのようにうごめく黒い塊。


「はははは、あははははは、完成しちゃった!完成しちゃったよ!」


ソシレが雪玲に組み敷かれたまま、歓喜の声をあげる。


紫苑は解析を続ける。

ウイルスの動きが大きくなる。


「探せ、どっかにあるはずだ」

「紫苑!早く!」

「わかってる!」


戦闘していた、ジホとシャオ、サクラのうごきが止まる。

電池が切れたかのように膝から崩れ、倒れ込む3人。


「想!しっかりしろ!待て、想!」


想がゆらりと立ち上がる。

導かれるように、黒い塊に近づいていく。

レイが慌てて想を止める。

異変に気付いた戦と清良もレイに加勢する。


しかし、想の力が強く、ずるずると引きずられる。


紫苑が解析を続ける中、想が黒い塊まであと一歩。


想が塊を飲み込むために大きく口を開ける。


「できた!」


紫苑がエンターキーを押す。


瞬間、黒い塊の蠢きが止まり、色を失っていく。


想の動きも止まり、膝から崩れ落ちる。


紫苑が肩で息をしている。


「とまっ…た?」


雪玲がへたりとその場に座り込む。


「はあ…よかった…」


紫苑もばたりと身体を投げ出す。


「あーあ、やっぱり失敗だねぇ…ボクの負けだぁ。いくよ。」


ソシレはドシラとミファを呼ぶ。

ボロボロになった3人は、エレベーターに乗り込む。


「どこいくんだ。」


戦が引き留める。


「だいじょーぶ。ボクはもう、ウイルスには興味ない。それにご褒美ももらえない。自分の行く場所は自分で決める主義なんだ。ボスに見つからないように、鬼ごっこするんだぁ。またねぇ、レイ、想、紫苑!そして、かわいい子!」


ソシレは雪玲に手を振る。


エレベーターの扉が閉まる。

訪れる沈黙。


レイはすぐに冷静になり、想の身体を点検する。


「大丈夫だ。冷却システムが作動しているだけだ。記憶装置も破損はない。大丈夫だ。」

「サクラも問題なさそうだよ」


サクラを点検していた清良が言った。


「本当にもう、そのウイルスは動かないの?」


雪玲が恐る恐る聞く。


「うん。もう内部構成組織を細かく粉砕破壊したから、大丈夫と思う。」

「そう…よくやったわね、紫苑」


雪玲が紫苑を抱きしめる。


「…ッ!雪玲?」

「よかったぁ、よかったよ…」


少し照れた紫苑は、雪玲の様子を見て雪玲の背中に手を回した。


「うん。よかったね。」


紫苑の手が雪玲を安心させるようにポンポンと背中をたたく。


「想!」


想がゆっくりと目を開ける。

すぐに紫苑と雪玲が駆け寄った。


「…あ、あれ?俺…」

「大丈夫。もう大丈夫だよ。レイや紫苑がやってくれた。みんな、想の為に動いて、ウイルスの暴走を止めたのよ」

「そうか…それは…迷惑をかけたな」

「なにいってんだ。そこはありがとうでいいだろ」


レイが言うと想は驚いたような顔をする。


「迷惑だから動いたんじゃない。お前のために、お前とまた日常を取り戻すために、やったんだよ」

「…そうか、そうだな。みんな、ありがとう」


想は感謝を述べて、頭を下げる。


紫苑と雪玲が想に飛びついた。


「よかった」

「うん、ありがとう。紫苑、頑張ったんだな」

「頑張ったのは僕だけじゃないよ」

「雪玲も、頑張ったんだな」

「想だって、戦っていたでしょ」

「ジホやシャオだって、僕らのために戦ってくれたんだ。…あれ、あの二人は?」


紫苑があたりを見渡す。


レイがジホとシャオに駆け寄っているのが見える。

様子がおかしい。


「レイ。どうやら冷却は終了している。なんで、目覚めない。私は目覚めたのに」

「サクラが無事でよかった。」

レイはサクラの肩に手を置き、微笑んだ。


「大丈夫だろ、お前ら」


レイはジホとシャオの解析を始めた。


「っ、なんで、なんで反応がない」


レイが解析をしても、何の反応を得られない。

紫苑が駆け寄り、PCを開く。


「僕も手伝うよ。」


清良とサクラも加わる。


「だめだ。シャオ、ジホ、戻ってこないと」

「レイが僕みたいになっちゃうよ」

「…清良、それは笑えない」

「ごめん」


「だめだ、反応しない」


紫苑が静かに言う。

レイは何度か頷く。


「問題ない。また、積み重ねればいい。サンキューな、みんな。俺たちはダイジョブ。」


レイはみんなを振り返り、力強く言うが、まわりは心配そうな顔をする。


「おいおい、そんな顔するなよ~。俺はどうやら優秀な技術を持っているらしいから。また最高の相棒くらい、自分で見繕うよ」

「でも、鏡虎団は3人あってこそだろ」


想が言う。


「うん。そうだな。じゃあ、名前を変えようか。そもそも誰が初めに俺たちを鏡虎団と呼び始めたんだろう?」

「誰でしょうね」

「確かに。考えたこともなかったナ」

「俺たちが自分で決めた記憶もないもんな」

「レイ…」

「ん?」


想たちが驚いた顔をする。


「で、なんで名前を変えるんダ?」

「気に入ってるのに、残念ですね」

「だって、ジホやシャオがいなきゃ……え?」

「ジホ!シャオ!」


サクラがまっさきにとびつく。


「よかった。よかったよ」

「心配したんだぞ!あぁ、よかった!」

「よかったなレイ!」


みんなが口々にレイに言う。

レイはぽかんとしている。


「…全体機能は…?記憶装置は…?


レイが言うと、シャオがにやりと笑う。


「問題ないヨ」

「お前ら…」

「僕たちはお互いを点検しました。」

「っ…ったく、どこまで優秀なんだよっ!」


レイはジホとシャオに駆け寄り、飛びついた。


「あれあれぇ?レイ、泣いてるノカ?」

「ここが埃っぽいから目にゴミが入っただけだっ」

「はいはい、そうですね。そういうことにしてあげましょう」


ジホとシャオは子どもをあやすようにレイの背中をぽんぽんと叩いた。


「…もう!心配したんだぞぉ~」


ついにレイが声をあげて泣き始めた。


「あーもう耳元でうるさいナ」

「さっきまでの体裁はなんだったんでしょうね」


その様子を見て戦が呟く。


「あいつが、あぁやって泣いたところ、久しぶりに見たな」

「レイはちゃんと積み重ねてきたんだね」


清良も続く。


「清良、お前はこれからどうするんだ。色々言ったが、決めるのはお前だ」

「うん。僕が片付けなきゃいけないことは他にもあるから…」


清良はそういうと、ママをちらりと見る。


「ママと一緒に片付けたら、マトモになる方法を探すよ」

「…そうか。なにかあったらいつでも連絡してこい」

「うん。ありがとう」



雪玲に支えられて想が立ち上がる。


「もう、アンドロイドウイルスはなくなったんだな」

「そうだね。なくなった」

「目的が達成された後のことを考えていなかった。何もなくなってしまったよ」


想が言う。


「何言ってるの。それをこれから探せばいいでしょ」

「そうだよ。せっかく僕ら3人なんだ。なんでもできるよ」


雪玲と紫苑が想の背中をたたく。

想はにかっと笑った。


「それもそうだな。まだ、一緒に走ってくれるか?」


雪玲と紫苑は顔を見合わせる。

そして


「「当たり前!」」


と笑った。







ビルの屋上。

アヴィドのボス、ヴィドがヘリコプターに乗り込もうとしていた。


「ちょっと待ちなよ」


シユが呼び止める。

ヴィドは無視してヘリコプターに乗り込む。


「あぁ、そう。そういう感じね」


シユはへらっと笑うと、ヘリまで一歩で詰める。


「自分だけ、なんにもなしは、ないんじゃないかな」


ヴィドの顔の横にシユの脚。


「お前には関係のないことだ。」

「あぁ、まぁそうですね。でも、うちはアンドロイドの会社なのでね。」


ヴィドの胸倉をつかむ。


「アンドロイドに喧嘩を売るということは、どういうことか、考えた方がいいですよ」


そう吐き捨てた。


シユはヘリコプターから飛び降りる。

そして、どこかに連絡を入れた。


「あ、俺だよ。全部終わった。安心して良いよ」

「ウン!さすがシユくんだね!ありがとう~。これで東上洞がまた平和になって嬉しいよ~」

「いえ、アンドロイドが安心して暮らせるように、うちにも意味があると思っただけだよ」

「鏡虎団も無事なんだろ?」

「もちろん。」

「最高じゃないか。これでまた日常が戻ってくるね~!」

「じゃあ、また、今後もごひいきに。ミゲルさん」








朝日が照らす中、鏡虎団、燦龍衆、戦、サクラ、清良はビルを出る。



「鏡虎団!」


想が3人を呼ぶ。


鏡虎団と燦龍衆が向かい合う。


「また会おう。」

「うん。またな」


想とレイが拳を合わせる。


「雪玲、またナ!」

「シャオ、元気でね。次は大食いでは負けないわ」


「あなたの技術は素晴らしいです。」

「へへ、ありがとう」


ジホは紫苑の耳元に顔を寄せる。


「でも、想いは伝えないと伝わりませんよ」

「なっ!」


紫苑の顔がゆであがる。


「いいんだ。これは、大事にしまっとくって、決めたんだ」

「そうですか。それもまた、いいですね。」


燦龍衆が路地裏に消えていく。


戦たちの前に一台の黒い車が止まる。


「レイ、乗っていくか」

「いや、いいや。歩いて帰る」

「そうか。」


戦とサクラが車に乗り込んだ。


レイたちは黙って手を振った。


「じゃあ、僕もこのへんで。」


ママを抱えた清良も路地に消えていった。


「あーあ、腹減ったヨ。もう歩けない。レイ、おんぶシロ」

「やだよ。体中痛いもん」

「何か食べて帰りますか?」

「いや…早く帰りたい」

「それなんですが…」


ジホが言いにくそうにする。


「なんだよ、いえよ」

「事務所、ボロボロだヨ」

「え?」

「襲撃されたんですよ」

「ミゲルが任せロ言ってたけど、どうだろうナ」

「まじか…」


レイがげんなりする。


「まあ、とにかく、帰りましょうか」

「そうダナ」

「そうだな…」


レイ、ジホ、シャオは歩いていく。

















「おい、シャオ準備できてるか」

「ん~ばっちりネ」

「…その咥えてる肉まん出せよ」

「……レイはけちネ」

「お前、それでそのまま行って喉詰まって苦しくなったら俺のせいにするだろ!」

「ふーん、そんなことしないヨ。そんなズルくないネ」

「あと、肉まんって!でかくなってんじゃん!チッ。おい、ジホ配置についたか」

『ウン。いつでもいいですよ』

「よし、じゃあ、行くぞ」


ここはかつて、最先端の技術で活気あふれていた街、東上洞。

しかしそれも昔の話。

今は海外系のマフィアに占領され、好き好んで近づくものは居ない。

外の世界で落ちぶれた、そんな人間しかこなかった。


高いビルに排気ガスのにおい。

夜になるとネオンが輝き、露出の多い人間たちがどこからか現れ、どこかに消えていく。


黒髪に長い前髪、青いサングラスで顔を隠しているが、美男子と言える長身のレイが捕獲用の網を構えるさまはどこか滑稽だ。

となりでチャイナ服に身を包み、ピンク色のサングラスをかけた小柄な少女、シャオは胸下まで伸びた三つ編みを揺らしながらねこちゅーるを差し出して猫に近づく。

ビルの屋上には、ブリーチを重ねた金髪のウルフヘアでこちらも長身。茶色いサングラスをかけ、優しく微笑むジホがいた。


路地裏の階段の上で待機する、レイとシャオ。

ビルの上から構える、ジホ。


猫が階段の下に降りて来る。


シャオがしなやかに動き、猫の前に降りる。


「久しぶりダナ。もう逃げちゃダメだヨ」


猫がシャオの腕の中に飛び込んだ。


『僕の出番はなかったようですね』

「だな」


ジホが音もなく屋上から飛び降りる。


「よし、返してやりに行くか」


レイが言う。


高架下をくぐると、そこは東上洞の外。

スーツを着た人間がせわしなく歩いている。

学生たちが人気コーヒーチェーン店のカップを手にもち、雑談をしながら雑踏に消えていく。


3人は依頼主の家のチャイムを鳴らす。

中から小太りの女性が出てくる。


「あらぁ、ボタンちゃん、どこ行ってたの~。いつもありがとうね、あなたたち」

「これからもごひいきに。」


3人は大きく手を振って依頼主の家を後にする。


「ありがとうね、鏡虎団」



事務所に戻った3人は、思い思いに過ごす。


工具の手入れをするレイ。

ソファに寝転がるシャオ。

料理をするジホ。


「二人とも、できましたよ。」

「あ~いいにおいネ」

「俺の分まで食うなよ、シャオ」

「ハァ?そんなことしないヨ」

「欲張りシャオだからなあっぐふっ」


シャオのこぶしがレイの腹部に入る。


「やれやれ、今のはレイがわるいですね」


呆れたようにジホがいう。

ぎゃあぎゃあと騒ぐレイとシャオを無視してジホは扉から外に出て看板をひっくり返す。


【何でも屋 鏡虎団  元気に営業中】

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