等身大。

@sawanish

等身大。

 2025年が幕を開けて数時間が経った頃、バイト先の忘年会兼新年会から帰ってきた先輩とあいさつを交わした。

 彼とはよくいろんな話を重ねた。互いの趣味の話、人生の話、さらには少々哲学的な話もした。変わり者同士だから、と言って私の話も楽しんで聞いてくれる人だ。

 どうやら、彼は店長に豪華なディナーをご馳走になり、お年玉までもらったらしい。この時期に4連勤だ。お店としてもきっと大助かりだったのだろう。(この後、3日までの合計7連勤だと知る。)きっと疲れ切っているのだろうが、その顔には不思議なほど生気が漲っていた。またいつものように何気ない議論が繰り広げられた。


 いつも通りだったはずなのに、お酒が入っていたからなのだろうか、彼は突然、普段話しているようなことを文字に起こしてみてはどうか、と提案してきた。会話はその場限りのものだが、エッセイであれば、時間がたっても何度でも読み返せるから、とのことだ。そうは言っても、エッセイなんて読んだことのない私は、どう書けばいいかわからない、と伝えた。


 「そのままでいいんだよ。そう、等身大。」


 ということなのである。私は他人より多少読書は好きかもしれないが、文才があるとは思えない。それでも、日記をつけるよりは続けられそうな気がしたし、変わり者の男子大学生が無理に飾らない、ありのままの言葉で綴るエッセイであっても、読んでみたいと思ってくれる人がいると知れたため、これから毎日少しずつ、言葉を綴ってみようと思う。

 斯くして、私のカクヨム生活が静かに始まった。

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