ヤニカス教師とのセックスは煙たい。R15

柊准(ひいらぎ じゅん)

第1話 ヤニカスとsex

 生徒指導室の空中に紫煙が溜まっている。

 僕、矢上天竜やがみてんりゅうは細目で「ヤニカス」という言葉がぴったりな女教師を見ていた。

 容姿だけで言えば魅惑的で長い睫毛に、大きな瞳。足を組んでいると少し肌の色が透けて見えるタイツにヒール。まさしく色香がある大人の女性だ。

 だがそんな女性に不釣り合いな煙草を、チェーンスモーカーばりに吸っているのだ。


 でも。そこがまたギャップがあって良い。

「なにを鼻の下を伸ばしているんだ」

 女教師が睨みつけてくる。

「歌美先生。そんな言い方はないですよ。僕がいつ鼻の下を伸ばしたって言うんですか」

 すると女教師こと桐沢歌美先生はスマホで僕の写真を撮ってきた。

「これを見てもそう思わないのか?」

「えっ、どれどれ?」

 そこにはまさしく僕のアホ面が映しとられていた。キャー、恥ずかしい!

 僕は頭を垂れてひれ伏した。「すみません。興奮してました」

「そもそも、お前がなんで生徒指導室に呼ばれたか、分かっているのか?」

「分からないんすよ」

「それはな、お前がとある女生徒に告白をされたからだ」

「はあ、もしかして、この学校、恋愛禁止でしたっけ?」

 歌美先生が煙を吐き出して、それからじっと僕のことを見つめてきた。

「私の許可なく恋愛をすることが禁止なんだ。お前だけな」

「へえ、僕だけ……ってえ? なんで?」

「そりゃあ、私はお前のことを好きだからだ//」


 すぅっと煙草を吸う歌美先生。僕は、どういうことだろう、と少し思考がフリーズした。

 ……歌美先生が僕のことを好き? それって、まあlikeだわな。


「あっ、likeじゃないぞ。Loveだぞ。Love。というか、なにさっきからアホ面かましているんだ。そろそろ口を閉めなさいよ」

「はい、すみません」

「で、返事は?」

「その、教師と生徒の恋愛って、不純異性交遊というか。いろいろまずいんじゃないんですか?」

「そんなこと、君が心配する必要はない。いいから私と付き合え」

「なら、よろしくお願いします」

「よし、そうと決まったらこれからラブホテルに行こう」

「ラブホねえ。ラブホ……えっ、ラブホ⁉」

「なんだ、嫌なのか? それとも私とは肌を重ねてくれないのか?」


 僕は当惑したが、それでも先生の裸は純粋に見たくなった。頷いて、僕は立ちあがった。「行きましょう」


 一緒に廊下へと出て、歌美先生が一言、

「ちょっと待っていてくれ。学年主任に地域巡回だと嘘を吐いてくる」

「あっ、はい」

 そう言って職員室へと入っていく。

 僕は溜め息を吐いて、廊下を歩いている女子生徒たちを見つめた。

「ヤるならJKが良かったな」

「なんか言ったか」

「え?」


 声のしたほうを見ると目の奥が冷たく凍っている歌美先生がいた。

「い、いや。なんでもないっす」

 僕ははにかんで先ほどの発言を無かったことにしようとした。

「じゃあ、行こうか。花園へ」

 そう言って僕の肩をガシッと掴んだ。

「そういえば……先生って何歳なんですか?」

 ふと湧いた疑問に歌美先生はまたもや僕のことを睨みつけ、

「女性に年齢を聞くもんじゃないぞ」

 と叱咤した。僕は肩が下がる。

「二十代後半ぐらいですか?」

「おっ、そんな歳に見えるか?」

 おべっかを言ったのだが、それでちょっと機嫌が直ったようでほっとした。


 巡回の途中に僕と歌美先生はホテルへと入った。

 歌美先生が「休憩で」と受付のおばちゃんに言っているのを見ると、慣れているなあと思って、先生も大人として何回もここを利用したことがあるんだな、なんて思ってしまう。

 先生が鍵を貰って一緒にエレベーターへと乗り、五階で降りて部屋へと入る。

「うわあ」

「どうしたの」

 ラブホテルなんか初めて来た。ダブルベッドにシーリングファン。冷蔵庫を開けるとビールや焼酎が置かれている。

「すっげー、っておおお」

 先生にベッドに押し倒されて、唇を奪われた。やばい。僕のオスの部分が刺激されて勃起してしまう。

 それから流れるままに情事を行った。

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