【ショートショート①】人生解説書
@kenshin_amagi
答え合わせ
テレビCM
「あなたの人生の答え合わせをしてみませんか?」
目が覚めるとそこは
和室だった。視界に10歳程度の和装の男の子が映る。
ポン吉
「おっはよいございまーし!」
ユウスケ
「ん…あ、あぁ…
ど、どうも」
ポン吉
「おいはポン吉。もう説明は受けてましぃ?」
ユウスケ
「ああ、はい。メールでなんとなく」
ポン吉
「えとですねぇ…そですねぇ
あ、発見発見
東京都出身の
オ..ノ..ウ..エ ユウスケ様
お間違い無いでしぃ?」
ユウスケ
「あぁ、はい
あのーここは…?」
ポン吉
「事務所でしぃ
お客様に和やかな気持ちになってほしぃという社長の願いで
こんな和室だしぃ」
ユウスケ
「確かに
どこか懐かしい感じがしますね。」
ポン吉
「こちらがお約束の解説書でしぃ。」
ユウスケ
「あ、これが例の...」
ポン吉
「そうでしぃ。
まあ、人生の答え合わせみたいな感じでしぃ」
ユウスケ
「ああ、なるほど....」
ポン吉
「愛情欄、告白欄、謝罪欄の三つがあるでしぃ。
一個選ぶべしぃ」
ユウスケ
「あ、全部見せていただけるわけではないんですか?」
ポン吉
「すまぬでしぃ...
一個だけの決まりでしぃ....
でも、各欄に何人の名前が書いてるか、その人数だけは教えられましぃ」
ユウスケ
「あ、じゃあ聞きたいです。何人ですか?」
ポン吉
「愛情欄に2人
告白欄に0人
謝罪欄に12人でしぃ」
ユウスケ
「やっぱり....少ないですね。
これまでの人生で、たった2人にしか愛されていなかったなんて。」
ポン吉
「んん、それはポン吉が決めるもんじゃないでしぃ....」
ユウスケ
「そうですよね、すみません。
じゃあ......謝罪欄で。」
ポン吉
「謝罪欄でいいでしぃ?
謝罪欄は、実はユウスケに謝りたいことがある人たちのリストだしぃ。
約束を破ったり、いじめだったり、とにかく本当は謝りたかったけど謝れなかった人たちのリストだしぃ」
ユウスケ
「私は中学の頃からクラスの奴らに虐められていました。
そいつらのことは今でも決して忘れません。もし、そいつらに本当は謝罪の気持ちがあったのであれば、それを知りたいです」
ポン吉
「そうでしぃか。
では...こちらがそのリストと、一言メッセージだしぃ。」
ユウスケ
「ありがとうございます。
....8、9、10、11....あの
1人足りないんですけど」
ポン吉
「うんうん。
その中で、本当にあなたに謝りたいと思ってる人をお呼びしたしぃ。
隣の部屋に待ってるでしぃ。」
そう言われるがままにベッドから起き上がり、隣の部屋の襖を開ける。
ユウスケ
「お前は.....」
尾上雄介
「ごめんな。一緒に帰ろう」
目が覚めるとそこは病室だった。
病院の先生
「雄介くん、よかった。
お父さんお母さん、今はそばにいてあげてください」
母
「雄介!?目が覚めたのね!よかった....」
父
「おお!雄介..よく戻ってきてくれた...」
ベッドの両脇には両親。
その両親に手を伸ばす。
雄介
「ごめん、父さん、母さん。
もう心配はかけないよ。」
【ショートショート①】人生解説書 @kenshin_amagi
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