大地の洞窟 8

足元の岩片を踏むたびに響く乾いた音が、暗闇の中で孤独を際立たせる。この「大地の洞窟」に何度も挑んできたが、緊張感が薄れることはない。進むたびに胸の奥が重くなるのを感じながら、テラブリンガーをしっかりと肩に担ぐ。今日の目標は、未知のエリアの探索と新たなモンスターへの対処。既に幾度となく試練を乗り越えてきたが、この場所の奥深さは底知れない。


薄暗い通路を進むと、かすかに地鳴りが聞こえた。次第に音が大きくなり、振動が足元に伝わってくる。敵が近い。やがて広間に出た途端、巨大な岩の塊が目の前に立ちはだかる。「ラヴァストンビースト」。その名の通り、溶岩が冷えて岩になったかのような体を持つモンスターだ。目の部分が赤く光り、不気味な唸り声を上げている。体表は硬化した岩で覆われており、通常の攻撃が通用しないことは一目で分かる。


まずは動きを封じる必要がある。ストーンスプリッターを手に取り、相手の足元を狙って投擲する。ハンマーが命中するたびに岩の破片が飛び散り、わずかだが動きを鈍らせることができた。しかし、相手の巨大な腕が振り上げられ、地面を強く叩きつけてくる。その衝撃波が広間全体に広がり、ジオスタビリティグリーブがなければ立っていられなかっただろう。


攻撃の隙を見つけるために距離を取りつつ、次の一手を考える。クラッシャーボムを取り出し、慎重に相手の脚部を狙う。投げ込まれた爆弾が着地すると同時に爆発し、煙と衝撃が広間に響き渡る。爆風が敵の足元をさらに崩し、相手のバランスが一瞬だけ崩れた。


その隙を逃さず、テラブリンガーを振り上げて突進する。全身の力を込めて振り下ろした一撃が、ひび割れた箇所に深く食い込み、敵の動きを鈍らせる。だが、それでもラヴァストンビーストは完全には倒れない。むしろ怒りを増幅させたように、体表が赤く光り始め、溶岩のような熱を放ち始めた。


敵の新たな攻撃を警戒しつつ、再び距離を取る。回復ポーションを取り出し、疲労を和らげる。次の攻撃に備えながら、ラヴァストンビーストの動きを観察する。相手が再び腕を振り上げる隙を狙い、ストーンスプリッターで攻撃を加える。命中の手応えを感じたが、それでもまだ動きを止めるには至らない。


敵が大きく唸り声を上げ、攻撃の準備をしているのが分かる。この次の一撃をどう凌ぎ、反撃に転じるか。それが勝敗を分けるだろう。


ラヴァストンビーストの腕が振り下ろされる瞬間、全身が緊張に包まれる。巨大な岩の拳が地面に激突し、轟音と共に粉塵が広間に立ち込める。その衝撃で足元が揺れるが、ジオスタビリティグリーブが安定を保ってくれる。これを持たずに挑んでいたら、今頃地面に転がっていただろう。


視界が一瞬煙に覆われるが、敵の動きを見失うわけにはいかない。テラブリンガーを握り直し、全身の力を込めて振り上げる。相手が腕を振り上げる隙に合わせて脚部を狙い、力強く振り下ろす。衝撃音が広間に響き、ラヴァストンビーストの脚部にさらに大きなひびが入る。その結果、巨体が一瞬だけぐらついた。


だが、ラヴァストンビーストはしぶとい。体の一部から熱が立ち上り始め、溶岩のように赤熱化していく。周囲の温度が上がり、呼吸する空気すら重たく感じる。このままでは持久戦に持ち込まれる可能性が高い。相手の耐久力を削り切るためには、弱点を狙うしかない。目立たないが、胸部にある赤く光る「魔力の核」。これを破壊するしかない。


クラッシャーボムを再び取り出し、胸部の核を狙う。投擲した爆弾が直撃し、爆発が広間を照らす。その影響で相手の動きがさらに鈍り、核が一瞬だけ露出した。これを見逃すわけにはいかない。テラブリンガーを構え直し、一気に間合いを詰める。心臓が鼓動を打つたびに全身に緊張が走る。


振り下ろしたハンマーが核に直撃し、敵の体が大きく揺れる。ひび割れが広がり、巨体がゆっくりと後退する。だが、それでもまだ倒れない。ラヴァストンビーストが最後の力を振り絞り、腕を振り上げてきた。この一撃を受ければ無事では済まない。


素早くジオスタビリティグリーブを使い、足元を安定させながら横に回避する。その間にストーンスプリッターを取り出し、動きを封じるために脚部を狙う。命中したハンマーが外殻を砕き、敵のバランスをさらに崩す。これが最後のチャンスだ。


全力を込めてテラブリンガーを振り上げ、核を破壊するために渾身の一撃を放つ。振り下ろされたハンマーが核に深く食い込み、光が広間全体を包み込む。敵の体が崩れ始め、広間に静寂が戻った。


ラヴァストンビーストの巨体がゆっくりと崩れ落ちていく。岩と土の破片が広間に散らばり、赤熱していた体表は冷え込み、ただの岩塊となった。全身の緊張が解けると同時に、汗が一気に流れるのを感じる。息を整えながら、目の前に広がる残骸をじっくりと見渡す。核を破壊したことで敵を完全に倒したようだが、ここで気を抜くわけにはいかない。


慎重に敵の残骸へと近づき、戦いの痕跡を確認する。ラヴァストンビーストの体内から露出した「マグマ結晶核」が赤く輝いている。これがモンスターを動かしていた核であり、重要な素材になるだろう。周囲には硬化した岩片や、体表の一部が砕けて残された破片が散乱している。ひとつずつ拾い集め、ポーチにしまい込む。


その時、広間の奥から微かな音が響いてくる。敵はまだいるのか?一瞬身構えるが、それは洞窟内の空気が動いた音だと気づく。どうやら次の広間へ続く道が開かれたようだ。この場所にはまだ未知のモンスターや危険が待っている。ここで回復を怠れば次は命取りになる。


回復ポーションを取り出し、一口飲む。冷たい液体が喉を潤し、疲労した体に活力を取り戻してくれる感覚が広がる。次の戦いに備えて装備を再確認する。テラブリンガーの柄を握り直し、ストーンスプリッターを回収して再び腰に収める。次の戦いでもこのハンマーたちが頼りになることは間違いない。


広間を後にしながら、さっきの戦闘を振り返る。ラヴァストンビーストの核を破壊するタイミングはまさに絶妙だった。だが、これ以上強い敵が出現した場合、同じ戦術だけでは通用しないだろう。もっと効率的に弱点を突ける方法を考えなければならない。


次の通路を進むと、空気がさらに重くなり、湿気が増していく。洞窟内の音が不気味に反響し、未知の脅威が近づいていることを知らせてくる。この先に待つものを前に、心臓が自然と早くなるのを感じる。それでも、この緊張感が冒険の醍醐味であり、前に進む理由でもある。


◯獲得アイテム

・マグマ結晶核 ×1

・ラヴァストンビーストの破片 ×6

・硬化岩の欠片 ×8

・赤熱した大地の結晶 ×2

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る