怠惰であるが故に神界から追放された武神グラディウスは、人間界の武器屋で働く
@sawan_sazan
第1話 下界へ追放された武神
我の名は武神グラディウス。かつて人間たちにあらゆる武器を教え、人間界で英雄と呼ばれた神だ。
それももう、人間界で言えば1000年ほど前のことになるのだが、何年経とうが我は英雄であり神だ。
人間にあらゆる武器を教えてからというもの、人間同士の抗争が増えた。
それを上から見届けるのが我の楽しみである。
「グラディウスよ、一度人間から英雄と称えられたからといって、あまり調子にのるでないぞ」
こいつは創造神デウス。全ての神の頂点に立つ存在である。
「我は英雄ぞ? いくら創造神と言えど、英雄に口出しするとは何事か」
デウスは我に怒りを見せる。
「それももう1000年も前の話ではないか! それからというもの、貴様は何もしておらぬ! 神の恥だ!」
そんなこと言うなら、デウスだってこの世界を創造してから、後のことは我たちに任せきりではないか。
「もう我慢ならぬ! 貴様も人間の苦しみを少しは知るが良い!」
ふっ、いくら創造神とはいえ、勝手な都合で他の神に干渉することは禁じられている。
創造神ならば当然心得ているのだろう。つまりデウス、貴方でさえも我をどうすることも出来ぬのだ! がっはっはっは!
デウスが杖を構え、ブツブツと何かを唱えている。創造神ともあろうお方が滑稽な……
体に違和感を感じる……我はふと自分の腕を見た。
「な、なんだこれは!」
我は、デウスのいつもの戯言であると余裕を気取っていたが、我の体はみるみるうちに光となって分解されていく。
「デウス! 貴方は何をしているのか分かっておるのか!」
我は必死に叫ぶが、デウスは目を閉じて唱えるばかり。
まさか、本当に我を人間界へと落とす気か?
すると、我の心を感じ取ったかのように、デウスは片目を開いて不敵に笑う。
「デウス〜!!! 貴様許さぬからな〜!」
そうして我は、創造神デウスによって、この神界から追放された。
「ふっ……滑稽なのは果たしてどっちかな……」
デウスは最後にそう言い残すと、どこかへと消えて行った。
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