第18話
「私たちは空に精霊を出していましたよね、覚えています?」
「確かに出していました」
僕もそれは覚えている。確かに襲撃前にエーテルが見つかって。
偵察用に精霊を上空に出していたはずだ、それにより敵が来たことが分かって抵抗できたのだから、すごい役に立っていたと言えるだろう。
「なんで、......君は敬語なんですか?まあ———————」
ここから語るのは、空に飛んでいた偵察用の精霊から見えた景色です。
_________
ユリアス少年視点
「ふざけるな!こんな小僧に!?」
目の前の彼女を襲おうとしている。カスが、なんか言っているが気にすることはないだろう。「終わりだ」
「バカやろう俺を誰だと思っている、この世の全てを取り込む完璧な私がこの程度で、この程度のやつに!!」
正直こいつは弱い。「お前の言う、この程度に負けるほどの完璧でしかなく、お前にはその程度の可能性しか存在しないんだよ」
ここで意地汚いカスの人生は、カスらしくあっけなく終わった。努力してこれなので......禁断術式も泣いているだろう「ユリアス君!?......助けに来てくれたの?サーシャさんに誘拐されて......」
「サーシャさんが、誘拐......ですか」
幼馴染のサーシャさんがまた犯罪をしたらしい......。どこまで、落ちてしまうんだろう......昔はライバルで......今はそんな考え重要じゃないか。
「取り敢えず病院に—————」
_________
「「え?」」
まさか、幹部が......ユリアス君に討伐されている!?
「まってください、そのユリアスさんに全て任せれば誘拐なんて犯罪をしなくてもよかったんじゃ————」「......そうですね彼に全て任せれば良かったのかもしれません」
「「「......」」」
教授も、サーシャも、僕も、誰も何も言えない。
僕たちは、犯罪者に。教授も任務達成がほとんど不可能になったと言える。
「あの......警察なんですが」
目の前には警察が、存在している。
「えっ」「なにっ」「......は?」
「じゃあ、後は裁判所で会いましょうね......」
サーシャが一人で逃げようとしていたようだが......
「あががっ」
「まさか......こんなにも早く再犯するとは思えなかったのは......俺なんだよね怖くない?あんなに恋する乙女的な感じだったのに、すぐ再犯する—————」
警察の言葉は最後まで聞こえることはない、僕たちは直ぐに意識を奪われ、起きた時すぐに裁判が行われた、異世界では意外と犯罪者に人権がないらしいが、まあ弁護できないからあまり関係がない、かもしれない。数日前に想像もできなかったが、僕たちは、竜教団の教授と一緒に牢獄に入れられることになった。
「どうして?......」
まあ犯罪をしたから牢屋に入れなれるのは、分かるんだが......。
「第505回Pトーナメントただいま開幕です!!」
プリズナートーナメント、犯罪者が戦う賭博ありの競技大会観客はすごく盛り上がっている。確か、民衆に満足できない人が多いと残酷な娯楽が多くなるんだったか。
フランスでも——————————
こんな考えをしている間にも、トーナメントの司会が話を続ける。
「今回の大会における犠牲者は、一般的な国民でしょうが......まあ気にするな!」
「人間は人間を殺戮する生き物である」
「まあ王様が楽しめるならば、問題ないんですとにかく開幕!!」
「「うおおおおおおおお!!」」貴族が、王族が、領主が、騎士団の幹部が歓声を上げる。僕が、例に出そうとしていたフランスとは真逆で王様が農民......犯罪者を殺すらしい......なるほどねこれは......
「あくしゅみじゃないですかね......」
僕も隣にいるペアのサーシャのつぶやきに同意だ、それにしても......なんで僕は、コロシアムにいるんだろう?
————まあ犯罪をしたからなのだが、国が......今は生き残ることを優先しよう。
「僕生き残れるのかな......」
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