勝手に高校のイケメン四天王にされていた上に冤罪で四天王を追放された俺、ひとりで自由に過ごしていたら美少女四天王だけじゃなく校内の美女たち全員から好かれてしまう。
踊る標識
プロローグ
プロローグ(表)
「……はぁ、またかよ」
俺――
ため息の理由は言うまでもなく、スマートフォンに表示されたグループチャットの連絡である。
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本当にふざけたことに、俺が通うこの
男子はイケメン四天王、女子は美少女四天王。男女それぞれ4人ずつ、学年問わず常に4人ずつ存在している。
本当に意味が分からないのだが、なんか俺はそのイケメン四天王とかいうやつに選出されてしまった。
確か1年の終わり頃のことだ。その頃卒業する先輩がイケメン四天王のひとりだったらしく、ひとり在校生の中から選出しないといけないことになり、なんか俺が選ばれたらしい。
それは現在、高校2年生になった今でも続いている。
俺が彼らの言ういつもの場所に到着すると、すでに他の3人はそろっていた。
グループチャットに連絡を入れたリーダー格の猿ヶ島 高治。そして
イケメン四天王とかいうだけあり、まぁ彼らが足を組んで座っている様子は絵になる。ただ、なんかみんなこちらを睨みつけており、俺としてはただただ不快なだけだが。
俺が椅子に座る間もなく、猿ヶ島 高治は言った。
「さて、四天王が全員そろったところで今日の本題に入る。四天王の1人、石神 玲人は痴漢という愚かな罪を犯した。今日よりイケメン四天王を追放だ!」
「は?」
俺は素でそんな声をもらしてしまう。
「とぼけても無駄だ、お前が痴漢をしたという情報は確かに記録されている」
イケメン四天王の中のデータキャラ、毒谷 雄大がカタカタとパソコンを操作しながら言う。
次の瞬間、プロジェクターにひとつの画像が映し出された。それは、この嵐島高校の制服を身にまとった、俺と同じくらいの背丈で似た髪形をした後ろ姿の男子生徒が1人の女子生徒を電車内で痴漢している様子だった。
「俺、自転車通学なんだが……?」
「問答無用……!」
俺の言葉を聞きもせず、イケメン四天王のパワーキャラ、大熊 忠広が俺の両肩を後ろから掴み、身動きを取れなくする。
「おまえみたいな痴漢をするようなクズは四天王にふさわしくない! 追放だ! 大熊、連れて行け」
リーダー格の高治が言う。
(いや、俺自転車通学だし……本当に痴漢とか知らないんだが? まぁいっか、これでこの意味わかんない四天王とか言うグループと縁を切れるなら)
俺は勝手に入れられたイケメン四天王とかいうグループを離れ、自由に過ごせる日々に胸を躍らせた。
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