勇気をくれた夜
輝人
第1話 突然のメッセージ
ある夜、俺のスマホが震えた。画面を見ると、華乃からのLINEが届いていた。
「今日だけ泊めて。」
突然のメッセージに驚いた。今までそんなことを頼まれたことなんてなかったし、正直、どう返事をするべきか迷った。家に誰かを泊めるのは簡単なことじゃない。だけど、考え込むよりも先に、俺の指は動いていた。
「いいよ。」
そう返事を打っていた。心のどこかで、これがただの友達としての対応だと思おうとしていたけれど、本当の理由は違う。俺は、華乃が好きだからだ。彼女が困っているなら、助けたい。彼女が頼ってくれるなら、どんなに迷っても断ることなんてできない。
けれども、俺はまだその気持ちを伝えていない。どう伝えればいいのか、どういう言葉を選べばいいのか、ずっと考えている。でも、いつもタイミングを逃してしまう。
その夜、華乃が俺の部屋に来る。そして、静かな時間が流れる。俺は彼女の横顔をちらりと見ながら、胸の奥が苦しくなる。いつか、ちゃんと伝えなければならない。今はまだ、その「いつか」を待っているだけだ。
夜が更け、華乃が眠りにつくのを見届けながら、俺はそっと心の中で誓う。いつか、この気持ちを、ちゃんと彼女に伝える日が来ると。
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