別れ

@kitagawasoushi

第1話 名前も分からない君

 私は交通事故に遭ったらしい。そして半年間昏睡状態で、今日目が覚めた。家族に友達、学校の事は覚えているけどナニカ忘れてる気がする。

 そんな事を考えていると、ガララッと勢いよく扉が開き、同い年ぐらいの男の子が入って来た。

「大丈夫!?。オレのこと覚えてる?。」と言われた。「分かんない。」そう答えた。「でも忘れちゃいけない気がする。」気付いたら私は目に涙を浮かべていた。「分かったら教えてね。」と男の子は言い、悲しそうな顔をして病室を去っていった。

 何故か名前を言えそうだったが、喉にナニカがつっかえて言えなかった。名前も分からない君は、もう病室に来ることはなかった。

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