魔法少女Ａ

魔法少女Ａ

アシスタント（以下、ア）「それでは次のニュースです、昨日午後、亜理寿（ありす）町の路上で十七歳の女子生徒が、エｊｔｇポ；アｊｂｐトハｐウさんを含めた複数の人間を凶器のような物を持って襲ったとして、近所からの通報で駆けつけた警官によって、逮捕されました。エｊｔｇポ；アｊｂｐトハｐウさんは『マイニチガサーズデイ』と叫んだ後、そのまま路上に倒れこみ、その後病院で死亡が確認されました」

司会者（以下、司）「最近多いですね、未成年による重大犯罪が。どう思われますか、スタジオの皆さん」

コメンテーター①（以下、コ①）「親や学校の教育が悪いんですよ、最近の大人は甘やかしてばかりで、まともに叱ることさえ出来ない。しかも幼い頃からスマホだタブレットだって、子守代わりにあんな物で遊ばせて。だから善悪の区別もつかない子供が増えてきたんです」

コメンテーター②（以下、コ②）「私は新しい技術が悪いとは思いませんね。こういった分野は今後さらに発展していくと思いますし、悪いのは低俗な漫画やアニメが違法に垂れ流されているのを放置している、現状の政治こそが問題だと思いますわ」

コ①、スタジオの奥にいるスポンサーの方を見る。

コ①「い、いえいえ、何も私は新しい技術が悪いと言っている訳ではなくてですね。親世代が未熟だから、いつまでたっても現実を直視しない子供がふえているというはなしで」

唐突にアが割って入る。

ア「我々は、女子生徒の近所や学校での評判を取材してきました」

ナレーション（以下、ナ）『女子生徒の評判はどうだったのか、周りの方々に聞いてみました』

Ａ『小さい頃にお母さんが亡くなって大変なのに、挨拶をしてくれる良い子だと思っていたんですけど、まさかあんな事件を起こすなんて。最近の若い子はわからないですねえ』

Ｂ『よく誰も居ないところで、一人で喋っていた所を見たことがありますよ。何か悩みでもあったんですかね』

Ｃ『小学校で同じクラスだったけど、落ち着きのない子でしたね。授業中に突然教室を飛び出して、さぼったりしてましたし』

ア「我々は女子生徒の小学校の卒業アルバムと卒業文集を、手に入れることが出来ました」

ナ『私は大きくなったら、××××としてたくさんのパピル星人をやっつけていきたいと思います（中略）私はパピル星人を絶対に許せません』

司「どう思われますか、皆さん」

コ②「ひどい差別意識だと思います。子供の頃から暴力的なものに触れていると、こうも悪影響を受けてしまうのかと、大人としては考えさせられるものがありますわ」

「私も同意見ですね。教師はこんな文章をどうして書き直させなかったのかと、甚だ疑問に感じていますよ。最近は授業でも、三年前にパピル星との友好関係を結んだことを教えているはずです。今時、魔法少女なんて……」

ＣＭ『時代は今、サイコテレパス通信』

番組、急にＣＭに切り替わる。

ＣＭ明け、コ①がスタジオから消えている

ア「先程の放送で、不適切な言葉が使われたことをお詫びいたします」

司「最近増加する少年犯罪に実名報道と厳罰化をとの声も聞かれますが、視聴者の皆様はどうお考えになりますか？それでは次のニュースです」

ア「はい、次は明るいニュースです。一年前にパピル星から友好の証として送られました、ｓｄｌｋ；ｊｈｇぴｗせｈｇぴおあｐ；あおｌｓｖｆｍが卵を産みました。三日後には二万匹ほどのｓｄｌｋ；ｊｈｇぴｗせｈｇぴおあｐ；あおｌｓｖｆｍが元気に生まれてくると思われます」

司「かわいいですねえ」

コ②「え、ええ。そうですね……」

司「私の故郷の動物園でも大人気なんですよ。特に食事の時なんか、骨をガリガリとかじるところが……」