学校で4番目に可愛い美少女の擬似彼氏に選ばれました〜それから何故か他の四天王にも迫られるようになりました〜

田中又雄

第1話 擬似彼氏

「...よし」


 廊下に張り出されたテスト結果を見ながら小さくガッツポーズをする。


 今回も学年一位をキープ。これで3回連続だ。

とは言え、2位との点差はわずか3点。

前回よりも確実に迫ってきている。


 すると、横から声が聞こえてくる。


「惜しかったねー、心春こはるちゃん。また2位だったんだ~」

「...まぁね。そういう秋奈あきなは?」

「101位~。わんちゃんみたいでしょ~。琉夏るかちゃんは何位だった?」

「わ、私...?私はね...15位。冬和とわちゃんは?」

「私は7位だね!前回より1ランクアップ!」


 わが校の美少女四天王...別名【白蘭の四季】が楽しそうにそんな会話をしていた。


 別名の意味についてだが、白蘭とは俺たちの高校の名前であり、四季とはその四天王それぞれに春夏秋冬の文字が入るため、こう呼ばれていた。


 全員が幼馴染であり、大の仲良し...。

更にYouTub〇チャンネルもその4人でやっており、登録者は50万人越え。

学校内の四天王でありながら、学校外でも人気の高い。


 すると、その彼女たちを見て、男子たちがいやらしい目線を向ける。


モブ①

「なっ!やっぱ、心春ちゃんが一番かわいいよな!白銀の髪に整いすぎた容姿...。頭もよくてそのうえ家もお金持ちなんて...、まさに四天王最強に相応しいよな!」

【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093091685885625


モブ②

「いやいや...俺は断然秋奈ちゃんだな。あのゆるふわな口調と優しい雰囲気...。顔がかわいいのが勿論、あの凶暴な胸!男なら、あのたわわを触りたいと思うのは必然だよな!」

【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093091685955950


モブ③

「お前ら、なーんもわかってないな。大きい胸?馬鹿か。貧乳こそ正義なんだよ。さらに自分が貧乳であることをコンプレックスに感じているあの様...!やはり琉夏様こそ至高!最強なのだ!」

【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093091686009817


「なんだと!小春様が一番に決まってるだろ!」

「いや、秋奈様だ」

「いや琉夏様だ!」

「「「けど...一番ワンちゃんありそうなのは冬和様なんだよな~」」」と、決まり文句かのようにハモリながらそう言った。

【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093091686045605


 ...それ、本人に聞かれたら絶対殺されるだろ。


 そう思いながら、俺はその場を後にした。



 ◇1週間後の放課後


 本日は5月30日(金曜日)。

特に何もないいつも通りの学校を終えて、現在は家で勉強中だった。


 次のテストは7月中旬。

既に次のテストに向けて俺は勉強をしていたのだった。


 すると、インターホンが鳴る。


『ピ~ンポ~ン』


 来たな...!と思い、俺はペンを置くと急いで階段を下りて玄関を開ける。


 そこには宅配のお兄さんが立っていた。


「お届け物で~す。サインお願いします~」

「は、はい」と、荷物にサインをすると、「こちらにもお願いします」と、何やら封筒的なものも一緒に渡される。


 よくわからないまま、適当に2つにサインをする。


「あじゃっした~」と、言いながら帰っていくお兄さん。


 そして、俺は自分の目当ての箱を見て思わずにやけてします。


 今日、誰も家にいないことは想定済みだった。

だからこそ、今日届くように指定したのだ...。


 そのまま、荷物を自分の部屋に運ぼうとしたものの、もう一つの封筒が目に入る。


「...なんだこれ?」


 封筒には切符が貼られており、宛名には俺の書かれていた。

しかし、差出人の名前はない。なんだこれ?


 首をかしげながら一応、その封筒も一緒に持って部屋に戻った。


 ちなみに、俺が通販で注文した商品というのは...これだ。


【大好きな彼女がクズ男にNTRました...③】


 これはいわゆる18禁のエロ漫画である。

それ以外にも18禁エロゲーやそのほかエロ系のものを一気に買い込んでいたのだ。


 もちろん、これは趣味ではあるがそれだけではなく、勉強材料でもあった。

俺の場合はエロ漫画ではなく、エロ小説だが。

既にとあるサイトにて100作近いエロ小説を投稿しており、それなりにPVもついている。


 学校では勉強しかしてない雰囲気を醸し出している俺が、家ではこんな作品ばかりを読んだり、書いたりしている変態だとバレれば、学校生活は終わりである。


 しかし、バレる要素は現状どこにもない。


 そうして、ひとしきり作品をざっくりと愛でてから、押入れの下の思い出のものと書かれたダンボールの中に作品を隠していく。


 ...よし、これで完璧だな。


 すると、先ほどの残された封筒が目に入る。


 とりあえず、開けてみると、3枚の写真と1枚の手紙的なのが入っていた。


 そうして、写真を手に取った瞬間、俺は思わず青ざめた。


「...は?」


 1枚目に写っていたのは、俺が投稿しているエロ小説サイトの俺の作品が並んでいる画面のスクリーンショットだった。


 なんで...?と、2枚目を見ると、それは俺の思い出ダンボールが開けられて、中身のものが顕になっている写真。


 そして、3枚目には...先ほどの2枚以上に誰にも知られたくない瞬間を捉えた写真だった。


「...なんで...」と、急いでその手紙を読む。


 差出人は不明。

手紙には一言こう書いてあった。


【お前の秘密を私は知っている】


 何だよ...これ。

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