星空カフェで待ち合わせ
みなと劉
第1章:星空カフェとの出会い
第1章 第1話:「星空カフェ」
夜10時過ぎ、成瀬彩花は、最寄り駅からの帰り道を歩いていた。疲れた足を引きずりながら、いつもは通らない細い路地にふと目を向けると、小さな看板が見えた。
「星空カフェ - 営業中」
柔らかなライトに照らされたその文字に、彼女はつい足を止める。カフェに入る余裕なんてない──そう思った矢先、心の中でため息が漏れた。「少しだけ寄ってみようかしら」そう自分に言い聞かせ、扉を押し開ける。
扉の向こうは、想像以上に静かで落ち着いた空間だった。天井には無数の小さなライトがちりばめられ、星空のように輝いている。壁には古いポスターやレコードジャケットが飾られ、懐かしさとモダンさが絶妙に混ざり合っていた。
「いらっしゃいませ」
カウンターの奥から声がした。黒いシャツを着た店主らしき男性が、穏やかな笑みを浮かべてこちらを見ている。「お疲れのようですね。特製ブレンドはいかがですか?」
彩花は驚きながらも、頷いて席に座る。久しぶりに味わう静寂の中、彼女はどこかほっとする自分を感じていた。
つい目を閉じてしまったその瞬間、香ばしいコーヒーの香りが漂い、疲れた心に少しだけ温もりが差し込んだ。
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