世界の旅人【シナリオ版】
望月 葉琉
主要登場人物の説明
優秀な兄の影に埋もれ、波風立てずに生きてきた十八歳の少女。愛称は
高校三年生になり、進路を決定する時期であるが、大好きな歌を学びたい気持ちを押し殺し、無難に付属大学の国文科への内部進学を第一志望ということにしていた。
下校途中、階段から落ちて異世界【
咲枝が飛んだ異世界【輝華】にある二大国家のうちの一つ、【
彼が乗っていた空飛ぶ船【飛空艇】に咲枝が飛ばされたことから、彼女がもとの世界に戻るまでの面倒を見ることになり、なにかと彼女を気に掛けている。
ともすればぶっきらぼうな物言いにもとれるが、自身の辛い体験から、他人の痛みに寄り添うことのできる器量を持ち合わせており、咲枝にも影響を与えていく。
金糸雀帝国第一皇女にして、沐漣の腹違いの姉。過保護なほど弟に対して干渉的だが、それには自身の負い目が関係している。『大魔女の再来』を自負するほど魔法に精通している優秀な魔術師で、祖母からの期待も大きいが、女帝の座を継ぐ気はなく、沐漣の補佐役に徹するつもりでいる。
国から逃げるように去った咲枝と沐漣を自身の所有する船で追い、沐漣とともに、もとの世界に戻るまでの咲枝の面倒を見ることに。
物語の途中、彼女が命を落とすことで、沐漣は姉を亡くした弟となり、兄を亡くした妹である咲枝と対の存在となる。
金糸雀貴族・旭晨家の令嬢。幼少期から自国の皇子である沐漣に憧れを抱いており、そのため彼が気に掛けている咲枝のことは激しく嫌悪している節がある。
実戦経験に乏しいため紅ほどではないが、魔術の心得があり、沐漣とともにいたい一心から咲枝たちの旅に、花嫁修業と称して半ば無理矢理ついてくる。
旅を通して自身の沐漣への想いを見つめ直すことで、大人の女性へと成長を遂げつつある。
咲枝の帰還後、地上の復興の指揮を執ることになった沐漣を影から支えることで想いを貫き、生涯誰とも結婚することはなかった。
金糸雀と竜蹄を、自作した一人乗り用の飛空艇で秘密裏に行き来する、気ままな手紙の配達屋。自他共に認める咲枝贔屓。
上空ではいないとされている地上の生き残りの集落出身だが、特殊な体質から仲間外れにされていたため、自身と近い体質なのに恵まれた環境にあると思い込んでいる沐漣に対して潜在的な羨望があり、彼には辛辣な態度をとる。
咲枝の帰還後は手紙屋を継続しつつ、地上人と旧上空人を繋ぐ外交官のような役割も果たし、輝華全土の団結に貢献した。
予言の少女として竜蹄の牢に捕われていたところを、咲枝が弦とともに連れ出して助けて以来、一行とともに旅をしている。
先視の力があるが、視る時機や視たい未来の対象を選ぶことはできず、また、視るためには体内の魔力を大量に消費するため、あまり自由には行使できない。
自身の過去の記憶を持たないためか常にどこかぼんやりとした表情をしており、予言以外の口数は極端に少ない。
その正体は、かつての大魔女が聖気を凝縮して生み出した自身の代わり身のため、最後は彼女の中へ戻って消えてしまう。
現金糸雀皇帝で、沐漣と紅の祖母にあたる厳格な人物。特に沐漣には辛くあたる傾向にあるが、紅には多少甘い。表向きは第一皇位継承者は沐漣とされているが、内心では沐漣より紅に皇位を譲りたいと考えている。
沐漣の連れてきた咲枝のことを飼い殺しにしようと目論んでいたが、紅たちに勘づかれ逃げられてしまう。その後も咲枝たちの行方を追っていたが、竜蹄王国に急襲され、緑鱗によって殺害されてしまい、姉弟との和解は永遠に叶わぬことになる。
咲枝の兄・冰絽斗に顔の造りがそっくりな、竜蹄王国の将軍。中身は冰絽斗と正反対の、冷酷無慈悲で残忍な性格として国内外に知れ渡っており、詠花のことも躊躇なく刺し殺した。
実際は冰絽斗の死後の姿などではなく、竜蹄の三つ子の魔女が国を乗っ取るために生み出した存在に過ぎない。冰絽斗と瓜二つなのは、咲枝の影から読み取った情報をもとに似せているだけなので、彼の存在自体が罠の一つであるとも言える。
それでもどこかに兄になったような意識があったのか、最期は咲枝のことをかばって消える。
咲枝の実兄。池一家の中で唯一咲枝に理解を示す妹想いであったが、一年前に事故死している。享年二十三。
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