第六話 巨大獣バビゴン シャールケンの嘲笑 6
「うわーん、テツジーン見たかったよー」
なんだかなー、まあこの時代のお子様がみんな通る道だ。
見たかったアニメや特撮が野球中継で潰れる。
だから今日は宇宙兄弟テツジーンの放送は中止というわけだ。
この宇宙兄弟テツジーンの後番組、鉄巨人イチナナ。
特撮の巨大ロボットものだったが、この番組……何気に制作会社が同じでこのガッダイン5とコラボした事あるんだよな。
つまり、ガッダイン5の着ぐるみが鉄巨人イチナナに出てきて、反対にガッダイン5を助ける為にアニメの鉄巨人イチナナが登場したというわけだ。
イチナナの兄弟ロボ、イチハチと巨大獣が一緒になって出てくるわけだが、そうなるとこの後この世界にイチナナとイチハチが登場するという事か……。
それこそ深く考えたら負けな気がするので、もう考えないでおこう。
それよりもシャールケンがどうなっているかを明日調べないと。
今日は準備を終わらせて明日の朝続きをしよう。
「マーヤ、きりの良い所でテレビ見るの止めるんだぞー」
「はーい、ご主人様」
本当に分かっているのだろうか。
まあいいやもう考えても仕方ない、俺はもう寝る!
そして次の日、俺は朝早くから北原未来要塞ベースに忍ばせたスパイドローンを使いガッダインチームの動向を探っていた。
「よっ! 千草、おはようっ」
「おはようっ、龍也っ。って何それっ?」
「へへーん、良いだろ。俺のバイク、ここに届けてもらったんだ」
「フッ……自慢するほどじゃないな」
「何だと! 流。てめえっ!」
龍也と流がお互いのバイク自慢。
このやり取り、原作で見た覚えがある。
俺はこの後の展開も知っているが、まあ思った通りの事になるだろうな。
ドンッ!
「わっ! 危ねぇなっ! 怪我したらどうするんだ!」
「失礼、あまりにもみすぼらしいので存在に気が付かなかったよ」
「何だとてめぇ! 誰だよ?」
ガチャッ。
龍也のバイクにぶつかったのは地球でも最高級の車と言われているモールス・ロイス。
その車のドアを執事に開けさせて、すっくと立ったのは、シャールケンだった!
「きぇえええーーっ!」
シャールケンは奇声を発しながらジャンプし、空中で二回転して見事にその場に着地した。
「誰だよ! てめぇ!?」
「フン、後で分かるさ」
そう言うとシャールケンは岬の上高校の校門に入っていった。
授業が始まり、水原凛に変装したミザーリンが新入生の紹介をした。
「これから皆さんとお友達になる転校生の有砂くんです。仲良くするのですよ」
「キャー! カッコいいっー!」
「アイツ、凄いお金持ちなんだな……」
「でも何でこんな高校にあんなやつが?」
「へっ! いけすかねえ野郎だぜ」
シャールケンは達筆な文字で黒板一杯に自分の名前を書いた。
「
「「「キャー素敵ー!」」」
女子生徒達の黄色い悲鳴が辺りに響いた。
まあシャールケンは実際ファンクラブも作られたくらいの美形悪役だ。
人間体の有砂健悟はコスプレもしやすく、昔はかなりの数のお姉さま方がコスプレをしていたらしい。
そしてシャールケンは全てのジャンルで、高校で素晴らしい成績を修め、ガッダインチーム、特に紅井龍也に見せつけた。
「アイツ……マジで気に入らねェ!」
そして事件は授業中のグランドで起きた。
「美しい。千草さん、是非僕と付き合ってください」
「えっ!? えええぇっ!? そんなっ、いきなり言われてもっ……」
「やいやいやい! 転校生っ! てめー何馴れ馴れしく千草にプロポーズしてるんだよ!」
「おっと、キミは誰だったかな?」
シャールケンは相手が誰かわかった上で挑発している。
「オレは、
「フン、この玉転がしで僕とお前が勝負か、面白い! それじゃあ僕が勝ったら千草さんは僕の物というわけだな!」
「ヘンッ! 後でほえ面かくなよ!」
そして龍也とシャールケン(健悟)のサッカー対決が始まった!
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