第六話 巨大獣バビゴン シャールケンの嘲笑 4
「ご主人様ー。許してくださいー」
「ダメったらダメ! キミは一度テレビを与えるとずっとテレビばかり見てるんだから!」
何というか今になって母親の気分が分かるというのも複雑だ。
俺も小さい頃テレビっ子で鬼面ライダーやロボットアニメばかり見ていてよく母親に怒られたもんだ。
だからこそ厳しく言わないと、マーヤちゃんがいつまでもテレビを見ているダメアンドロイドになってしまう。
ミザーリンは俺とマーヤちゃんのこのやり取りを笑いながら見ているが、マジで変なメイク無いとめっちゃ美人だな。
何というか清楚なお姉さんって感じで、こりゃあ、あのガッダインチームも変装した女教師姿を見れば鼻の下を伸ばすわけだ。
実際本編でもあのメイクをしない状態の変装したミザーリンは相当の美人だった。
だがかなり性格のキツさが顔に出ていたが、今の彼女が変装しても普通に清楚でキレイなお姉さんを演じ切るだろう。
さて、俺は地上に残してある昆虫型スパイドローンを使って岬の上学園の職員室のコンピューターに潜入した。
これが本当のバグ(虫)という奴かな?
作中でコンピューターに入り込んでデータの書き換えと言うと――LSI戦士ビデリオン――の鹿島敏(かしまさとし)が学校のコンピューターにハッキングして成績の改ざんってシーンがあったが、それをまさか実際の虫の形のドローンでやる事になるとは……。
さてと、転校生の入学願書と成績表に内申点、成績はオール5で家は海外の大金持ち、そして帰国子女という形で、名前は――有砂健悟(ありすなけんご)――と。
とりあえず泣いているマーヤちゃんはどうにかミザーリンが慰めてくれたみたいで俺は作業に集中できた。
これでシャールケンが転校生として学校の中に潜入できる準備は整えた。
「ミザーリンよ! 何処におるか!?」
「はっ。シャールケン様。何用で御座いましょうか?」
「すぐに来い、地上の岬の上学園に転校する準備をするのだ! ブキミーダは巨大獣を作る作業に取り掛かれ」
「はいっ。承知致しました」
さてと、地球侵攻の準備をしなくては。
ミザーリンはすぐに俺の部屋を出てシャールケンの待つドグローンに向かった。
「マーヤ、出かけるぞ」
「やーだー。テレビを見せてくれないご主人様には従いませんー!」
やれやれ困ったもんだ。
そうだ、テレビではなく別の面白いものを教えてあげる事にしよう。
そうだな、――スペースエイリアン――は確かこの時代くらいに開発されたはず。
あのプログラムなら俺でも組む事が出来るから、それでマーヤちゃんの機嫌を直してもらおう。
「マーヤ、巨大獣作りを手伝ったら後でテレビよりも面白いものを教えてやるから、だから手伝ってくれ」
マーヤの猫耳リボンがピクッと反応した、マーヤちゃんマジ猫娘。
「本当ですか? 本当に面白いものなんですね??」
「ああ本当に面白いものだから、手伝ってくれるか?」
「はいっ!」
猫耳リボンがぴくぴく動くマーヤちゃんマジ可愛い。
機嫌を直したマーヤちゃんは俺と一緒にいつもの格納庫にやってきた。
さてここでいつものガッダイン5大百科の巨大獣図鑑。
――巨大獣バビゴン――
全長57メートル、重量1430トン
騎士型のライオンのような頭を持った巨大獣で巨大な曲刀を持つ。
全身からミサイルを撃ち、巨大な盾で身を護るのでかなりの強敵。
頭部のライオンのような口からの火炎でガッダイン5を苦しめ、巨大な剣で全身を切り刻むが、代々木博士の用意した新兵器ビッグミサイルで全身のミサイルが誘爆、装甲が脆くなったところに超電磁スマッシュを受けて大爆発。
うーん、コイツはゲームでトラウマがある。
ロボットシミュレーションゲームではシャールケン専用ロボの前の強敵で、かなりのHPが設定されていて、ガンボーグ系は改造していても一撃で瀕死、もしくは撃沈するほどの強さだった。
さて、これをどうやって整備すれば良いのだろうか。
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