第一話 巨大獣ドドンガー 東京侵略作戦! 9

 これから俺はブキミーダ参謀長として、地球侵略作戦に出撃する。


 ――移動要塞ドグローン――


 巨大な頭蓋骨の頭部の部分に脳ミソのような生体コンピューターを組み込んだ形の大型移動要塞だ。


 デラヤ・ヴァイデスの十分の一程度の大きさとはいえ、スーパーロボットシミュレーションゲームでは堂々のLLサイズ。

 当然のように倒せば資金と資源がメチャクチャ手に入る母艦系要塞というべきか。


 グローン円盤の名前はこのドグローンから来ているという説もある。

 俺はこれにマーヤと乗り込み、地球を目指す事になった。


「フン、行きおったか。まあ、あやつが生きて帰れるわけがあるまい。戦士の情けだ、冥福くらいは祈ってやろう」

「あら、すぐに折れてわたくしに泣きついてきたら手助けしてあげるつもりだったのに、自分から死にに行くなんて、本当におバカさんね」

「フハハハ、ブキミーダよ。余にその力を見せてみろ。ダバールに口だけの弱い者はいらんからな!」


 俺は謁見の間の密かに仕込まれていた盗聴マイクからシャールケン達の声を聞いていた。

 ブキミーダって本当に猜疑心の強いやつだったんだな。


 まあそのおかげで彼らの本音が聞けたワケだが。

 とりあえずは地球に向かおう。


 さて、番組で言えば前半のアイキャッチが終わって後半が始まった辺りか。


 本放送当時はコマーシャルでアカガマキンニコとか言われてたけど、結局俺は買ってもらえなかったDXガッダイン合体ボックスとかのコマーシャルと、鬼面ライダー3Xの変身ベルトやお菓子のコマーシャルが流れていたな。


 ドグローンは大気圏を突入し、地球上空に到着、そして俺はドグローンの向かう先を東京にした。


「行けっ! 巨大獣ドドンガーよ!」

「グロロロロォォーン‼」


 ドドンガーはグローン円盤を組んだ台座の上に乗り、東京上空に現れた!


「御機嫌よう、地球人共よ。ワシはダバール星人のブキミーダである。無駄な抵抗はよせ、すぐに降伏するなら命は助けてやろう」


 これで本当に戦いが避けられてたら気が楽なんだが……。


 なお、原作でのブキミーダの台詞はこうだった。


 ――御機嫌よう、薄汚い蛆虫共よ、ワシはダバール星人の偉大なるブキミーダ様である。無駄な抵抗はよせ、全員皆殺しにしてやろう!――


 マジで性格の悪さが台詞から伝わってくるレベルだ。


 どうにか戦わずに済めばいいのだが、どうもそういうわけにはいかなそうだ。

 ここはやはり誤魔化すしか無いな。


「フン、地球人共よ、無駄な抵抗がどれ程愚かな事か、今からワシが思い知らせてやろう! 巨大獣ドドンガーよ、やれっ!」

「グロッロオオオーーンッッ!」


 ドドンガーは口を開き大きく咆えた。

 そして火炎弾を山目掛けて放った!


 ドゴォーン!


 山の中腹に風穴が空く。

 出来るだけ無人の場所を狙ったつもりだが、もし犠牲者が出ていたらすまない。

 流石に昔のロボアニメで誰一人殺さずってのは無理がある。


 とくに皆殺しの浜野監督になるとダンボット3なんて主人公の家族全員死亡だったし、伝承巨神デリオンでは登場人物全員死亡なんて暴挙もやっている。


 それに比べればあの山の犠牲くらいならまだ大したレベルでは無いだろう。


 ドドンガー、ならびにダバール星人の脅威は、とりあえず地球人に伝わったと思う。

 後はいかに時間を使ってガッダインチームの母親を死なせないか、それが問題だ。


 とりあえずは時間稼ぎの為に横須賀か横田に向かうか。

 そう思っていたのだが、これまた原作の強制力が働いたらしい……。


「侵略者め、ここは私が守ってみせますっ!」


 え、あれって……ガッダイン5のプロトマシン……ダインジェット!?

 ガッダイン5の頭部になるジェット機の未塗装の機体が上空から現れてしまった!


 あれってガッダインチームの千草のお母さん、北原みどりさんが乗ってるやつだよー! 頼むからここから立ち去ってくれー!!

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