第一話 巨大獣ドドンガー 東京侵略作戦! 5
ダメだ、これは原作の強制力という奴なのか?
このまま東京→相模湾の北原未来要塞ベースに侵攻されたら、未完成のガッダイン5を守る為に千草の母、みどりがプロトマシンで時間稼ぎの特攻をして死亡してしまう。
そうなったらもう破滅、俺はブキミーダとしてガッダインチームに恨まれてしまい……死亡確率が激増してしまう‼
何が何でも北原未来要塞ベースに侵攻させないようにするか、ガッダイン5完成まで時間を引き延ばさないと……。
「いえいえ、ミザーリン殿。地球人共にそんな超兵器があるのならむしろ鹵獲した方がいいかと……」
「あら、アンタいつからわたくしにそんなに対等に口が利けるようになったのかしら?」
「ワシはお前の下僕ではない! 共に地球侵略を進める同士ではないのか!?」
ミザーリンがきょとんとした顔をしていた。
どうやら俺がいきなりこんな大声で反論するとは思えなかったようだ。
「ナマイキな事を言うのね。それならわたくし、今回の作戦には一切協力致しませんから、アンタ一人でやり遂げて見せなさい。対等な口を聞くのはそれから後の話よ」
「うむ、オレも一切手伝わん。そこまで偉そうな口を叩くなら地球侵略作戦を成功させてからほざくんだな!」
バルガル将軍もミザーリン諜報官も今回の作戦には協力しないと言っている。
どうやら作戦失敗にかこつけて俺が死ねばいいとでも思っているのだろう。
冗談じゃない!
四十三話先どころかこのままでは第一話で殺されてしまう!
さあどうにか考えないと……俺には味方は誰一人いない……あ、一人いた。
「承知致しました。ワシ一人でこの作戦やり遂げてみせましょう」
困った困った困った。
本来の一話は巨大獣ドドンガーをミザーリンが運び、ブキミーダは後方で彼女の補佐的な動きをしていただけだった。
だがそれをいきなり俺に責任押し付けで、全部一人でやれと言われたのだ。
仕方ない、ここはメイドロイドのマーヤに協力してもらって作戦を進めるとしよう。
俺は自分の割り当てられた部屋に戻った。
どうやらここは原作の地球侵略機動要塞デラヤ・ヴァイデスの中らしい。
スタジオきまいらのデザインした巨大要塞で全長一万メートル以上。
ロボットシミュレーションゲームでは金額二倍スキルを持ったキャラにとどめを刺させると金と資源が大量に手に入るボーナスキャラ的存在だった。
だが原作では一隻しか存在しないので、最終話近くまで登場シーンでは書き割りがずっとスライドで使い回されていた。
俺の部屋はそこの艦橋の最上階近く、特権階級の居住区に存在する。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
「ただいま。マーヤ……ってそれ何だ!?」
「それって……地球人の食事ですが」
マーヤが用意した物は、一人では到底食べきれないような大量の食事だった。
それは和食、中華、イタリアン、フランス、トルコ、韓国、ベトナム、インド、アフリカや南米の郷土料理まで全部揃えたものだった。
「バカか! こんなに一人で食い切れるかー!」
「やはりご主人様はご主人様でした。そうです、この罵倒がいつものご主人様ですね」
どうやらマーヤにとってはこの罵倒がいつものブキミーダの態度らしい。
「ご主人様、これ全部廃棄しますか?」
「い、いや。勿体ないので奴隷共に食わせておけ。力が出せずに死なれても困るのでな」
俺は一部の美味しそうな料理を少し貰い、残りの大量の料理をマーヤに命じて奴隷達の隔離部屋に持って行くように伝えた。
このマーヤ、原作ではわからなかったが優秀なポンコツなのか??
「承知致しました。ドレイ共にコレを食べさせる拷問を行います」
「そ……そうだ、故郷の味を食べさせ、戻れない苦しみを与えるのだ!」
適当言ってみたが、とりあえず地球人を敵にしない為には奴隷や捕虜に手厚くした方が後々の印象が違ってくる。
――とりあえず、今後の地球人への食事は改善しよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます