人材
「清水さん、ご飯連れてってよ。」
「……神童、ヒントを出し過ぎだ。」
「だって、お腹すいたんだもん。早く切り上げたくって。」
元居た部屋に戻った神童と志葉。清水はマジックミラーから視線を外さない。
「どうだった?」
「んー、未熟ですね。まだまだです。警察官が主人公じゃない系のドラマでよくいるタイプ。あの、警察だからって権力を振りかざす、あぁゆう嫌なタイプのやつ。あぁ、でもあの竹島って子は見込みがあるかも。目の付け所は悪くない。でも、少し人の感情に敏感で影響を受けやすい。だから、組むメンバーさえ考えれば将来化けるでしょうね...。」
「そうか。それで?お前の手足(探偵助手)に成り得る人材はいたか?」
清水がここで初めて神童に視線を向けた。一方、神童はミラー越しに彼らを見つめながら口を開いた。
「そうですね。竹島君は懐けば僕のために頑張ってくれるでしょうね。きっと自分の命を投げ打ってでも僕の命令を完遂する。………だから、いらない。今回は無しで。やっぱり僕の手網を握るのは、志葉にしか無理ですよ。」
「そうか、分かった。もう行っていいぞ。」
「えぇ?!ご飯は??」
「今から上層部との会議だ。終わる時間は分からんが、その後でいいなら。なんなら、お前も会議に出るか?」
「嫌です!!志葉、行くぞ。仕方ないから、今日は僕が腕によりをかけて旨い飯を作ってやろう。ほら、行くぞ。早く!!」
神童は逃げるように、志葉を引き摺り部屋を後にした。
清水は、その後ろ姿を見つめながら、「警察官を諦めるのは、ここで潰れて腐るには早すぎるんじゃないか? 神童...」と呟いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます