第2話 武器屋のシェーシャ
武器が壊れたので僕たちは街の外れにある屋敷にきた
屋敷にはシェーシャさんという竜人族(ナーガ)が住んでいる
龍人族とは本性はドラゴンの姿をしているが、高い知能と魔力を持ち、普段は人間の姿をして生活をしている種族だ
ドラゴンや他のモンスターの爪や牙から武器を作る職人のようなことをしている人物で、昔からの僕たちの知り合いだ
「シェーシャ。この素材を鍛えるなり合成するなりして私の武器を作りなさい。うんと頑丈なものをね」
ベアトは今まで狩ってきたドラゴンの牙や、爪、一角獣の角、トロールの骨などをシェーシャさんに見せた
「ダメダメ」
と、シェーシャさんは断る
彼女は見た目こそ、15歳くらいの銀色の髪と二本の角を頭から生やした色白の美少女だが、その年齢は500歳以上だという
体つきは小柄で華奢な少女だが胸の発育はベアトに負けないくらいデカい
彼女は豊満な胸の前で腕を組みながら不満そうな目でベアトを見る
「青龍の骨でできた竜骨星レベルの剣はこんな素材じゃあできないよ」
「そりゃそうだろうね」
そりゃそうだよ、こんな素材じゃあ、青龍の竜骨でできた竜骨星並みの剣はできないのは、僕もベアトもよくわかっている
「ならば他にいい武器はなくて?この私の力に相応しい武器が」
「そうだね、これなんかどうだい。オリハルコンとエンシェントドラゴンの鱗を合成した剣『堕天白露』は」
白く輝く刀をシェーシャさんが差し出す
「軽くて駄目ね」
ベアトは二、三回、振り回してシェーシャさんに返す
「私が振るうのだから、重さと耐久を兼ね備えたものでないと困りますわよ」
「これで我慢するんだ。うちではそれ以上の剣は出せないよ」
「そこをなんとか、シェーシャさん」
シェーシャさんの前で僕は手のひらを合わせて頼み込む
「うん、君がそこまでいうならば、考えてあげてもいいけど」
シェーシャは悪戯っぽく笑うと僕の手を豊満なその胸に押しつけた
ぽよん、ぽよん
張があり手を弾き返してくる弾力が手に伝わる
僕は顔を真っ赤にする
それを見て上目遣いで僕を見てくる
「剣の材料の素材になる竜がいる。その竜を狩るのに僕も君たちと一緒に連れて行ってくれないか」
「あ、あの」
ベアトはシェーシャの手を無理やり振り解くと、彼女から離すように僕の頭を自分の胸に押し当て抱きしめる
「十六夜をたぶらかすのはやめてもらえるかしら?」
「たぶらかすなんてとんでもない。だけど、『魔王竜』と呼ばれた『ラーフケートウ』の牙や角ならばいい武器ができると思わないか?」
「魔王竜!?」
驚きのあまりベアトの胸を顔に押し付けられながら僕は叫んだ
世界を一度破壊しかけたという伝説のドラゴンの名前だ
確かにその竜の素材を使えば、剣ができると思うが・・・
しかし、そんな伝説の存在が実在するかどうか、怪しいものだけどなあ
「あら、十六夜。私の胸がよほど、居心地がいいのかしら?」
「うわっ、ごめん」
僕は慌てて、ベアトの胸から頭を離した
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