1-9・異世界の設定はどうなってるのか
「あんたらの異世界にもサディストやマゾヒストやロリコンとかいるの?」
おれの質問がわからなかったのか、クルミは上品に首をかしげた。
この子、首をかしげてばかりいるな。
相方、というか、文官補佐役であるミドリは、肩をすくめた。
「あるに決まってるじゃないですか。なんでそんなこと聞くんですか。ねえ、ミドリ」
ミドリは肩をすくめながらうなずいた。そういうこともできるんだ。。
「マルキ・ド・サドとか、ナボコフも?」
ナボコフは『ロリータ』という小説を書いた、元祖ロリコンな人である。
当人がロリコンだったかどうかはしらないけど、ロシア革命でフランスに逃げて、アメリカに渡って作家になり、その小説で大変儲けて、スイスに移住した。
「実際にそういう作家がいるか、とか、いたか、とかはよくわからないんですよね。でも、翻訳は出てますし、原書も入手できるんじゃないかな。ロリコンの人がちゃんと読んでるかどうか……」
「翻訳って。そういえば、みんな異世界から来たはずなのに、日本語しゃべってるよね」
「ニホン語……いやこれは異世界語ですよ? 普通にこの世界の日本人? とは会話その他不自由はありませんけど」
今までの謎はだいたい解けた気がする。
この子たちの世界を作ったのは日本人なんだな。
フランスやアメリカにロリコンはいるかどうかはともかく、それにロシア人はたいていロリコンかシスコンなのかどうかはともかく。
「その話は、こっちに置いといて」と、ミドリは、こっちに置くモーションを入れながら言った。
「私の、というか、仮想世界好きの仮説として、創造神は高度なAIで、すでに絶滅したヒトの記録をもとに再構成された、というのがあるんよね」
ミドリは、ほぼ落書きボードになってしまったホワイトボードを、ばし、とドイリーで触れて裏返し、おれの手経由で3つの○を書き、その中にこういう字を入れた。
ヒト→創造神→異世界
「なるほど、その構造のモデルとして使われたヒトの記憶・記録が、かつて日本人だったもの、ということだな」
「ちょっと待ってくださいよ、ミドリ」と、おれの不愉快な相棒であるミナセが口をはさんできた。
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