22章 平和と笑顔とブラジャーが戻った女性たち
エリスは仕立て屋で再びブラジャーの注文を受ける忙しい日々を送っていた。店内は色とりどりの布やレースであふれ、女性たちが新しいデザインのブラジャーを心待ちにしている姿が見られる。
「こんな日常が戻るなんて、夢のようだわ。」
エリスは微笑みながら、裁縫に没頭していた。手元には新しいデザインのスケッチがあり、それを基に生地を裁断していく。彼女の周りには、職人たちが同じく忙しそうに作業を進めていた。
「エリスさん、次の注文分のレースが届きました!」
助手の声にエリスは顔を上げ、少し疲れた表情を見せつつも、やりがいに満ちた微笑みを浮かべた。
「ありがとう。すぐ取り掛かるわ。」
一方、コレットは酒場で忙しく働いていた。ブラジャーを着けることで、恥ずかしがらずに働けるようになり、自然と笑顔が戻っていた。胸元の安心感が彼女の動作に自信を与え、接客も以前より活発になっていた。
「昔はこんな当たり前のことが、奪われていたなんて信じられないわ。」
彼女の明るい態度に男性客たちも好意的な反応を示し、
「コレットさん、今日もいい笑顔だね!」
と声をかける客も増えていた。また、女性客からも
「ブラジャーのおかげで自信を持って外に出られるようになった」
と感謝の声が寄せられる。
そのことで、ブラジャー着用のメリットが性別を超えて街全体に広がり始めていた。
彼女はカウンター越しに客たちと笑顔で話しながら、次々と注文をさばいていった。ある女性客が新しいブラジャーを着けているのを見て、嬉しそうに微笑む。
「素敵ね。それ、エリスの店で買ったの?」
「ええ。彼女のデザインは本当に素晴らしいわ。」
コレットはその言葉を聞いて満足げに頷き、
「そうでしょう?私もいくつか買ったけど、どれもお気に入りよ。」と返した。
王女シャルロットは王宮で新しい政策を次々と推進していた。素敵なブラジャーを身にまとい、その美しさと機能性に満ちた装いは彼女の自信をさらに引き立てていた。女性の自由と平等を守るため、彼女は昼夜を問わず働いている。彼女は恥ずかしさも後ろめたさも感じることなく、堂々とその姿を見せていた。
「女性たちが自らの美しさを選べる社会を守りたい。それが私の使命です。」
彼女は執務室で、政策案に目を通しながら側近たちと議論を交わしていた。そばには、護衛として働くレイナの姿があった。レイナもまた、シンプルながら美しいブラジャーを身につけ、その凛々しい立ち姿にはどこか誇り高い雰囲気が漂っていた。
「今度は女性たちを守るために剣を振るう。それが私の新たな使命です。」
レイナの眼差しは鋭く、強い意志が宿っていた。彼女は王女のそばを離れず、常に危険から守るための警戒を怠らなかった。
ある日、王女が小さな笑みを浮かべてレイナに語りかけた。
「あなたがいるおかげで、私はどんな困難にも立ち向かえる気がします。」
「それが私の務めです。ですが、私もあなたの信念に支えられています。」
二人の絆は、これまで以上に強固なものとなっていた。
宰相マルグリットは、相変わらず悪だくみを考えていた。書斎で書類を整理しながら、つぶやいた。
「さて、今度はパンティ禁止令でも出してみるか?」
しかしすぐに、マルグリットはふと、自分がブラジャーを脱がされそうになったあの日のことを思い出した。あの時の恐怖が胸によみがえり、彼女は声を低くして笑った。
「パンティを脱がされるなんてことになったら、たまらないわね。」
その言葉には自嘲の響きが混じっており、彼女は書類の束に目を落としながら、乾いた笑い声を漏らした。彼女は窓の外を眺め、街を行き交う女性たちの笑顔を見て、小さくため息をついた。
「まあ、平穏も悪くないわね。」
そこに王女が現れ、鋭い声で尋ねた。
「何を企んでいるのです?」
マルグリットは平然と微笑みながら答えた。
「とんでもない!私は常に国の未来のために尽くしているだけです。」
王女はその答えに目を細めつつも、特に追及はしなかった。
一方、大司教ベアトリスは堂々とした態度で民衆の前に立ち、説教をしていた。その姿には、どこかかつての高圧的な雰囲気が戻っていた。
「胸を見せるのも、ブラジャーをするのも、両方とも神が認めた女性の権利です。」
彼女は言葉に力を込め、あたかもその真実が揺るぎないものであるかのように見せかけた。
彼女は平気で嘘をつき、その巧みな話術で群衆を引きつけた。
「私は昔からこの教義に基づいて活動してきました。庶民の女性たちを守り、ブラジャーの着用を応援していたのです。」
その言葉には狡猾さがにじみ出ており、あたかも彼女が一貫して女性たちの味方であったかのように思わせる巧妙な印象操作が見え隠れしていた。彼女の周りには、好奇心半分と疑念半分の表情を浮かべた女性たちが集まっていた。
民衆の中からは、
「あの人、前は違うこと言ってたけどね……」
と呆れる声が漏れたものの、その威厳ある態度に何となく納得する者も多かった。
ベアトリスは集まった群衆を見渡しながら、力強い声で語り続けた。
「私たち女性が共に立ち上がり、これからの未来を築くのです。そのために、私も全力で尽くします!」
彼女の言葉に一部の聴衆が感嘆の声を上げたが、同時に心の奥で疑念を抱く者も少なくなかった。
その演説に一部の女性たちは拍手を送りながらも、どこか半信半疑の表情を隠せなかった。
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