第14話 雨中の別れ

激しい雨の中、アレンたちCクラスの生徒たちは撤退を続けていた。しかし、雨と泥で視界は悪く、足場も不安定だった。


「もう少しだ…頑張れ!」


アレンが前を走りながら仲間たちに声をかける。


しかし、その言葉が途切れるように、暗がりから巨大なヴォイドLv2が姿を現した。

その数は1体ではない。左右からも現れ、彼らを包囲する形となった。


「囲まれた…」


ナイラが震えた声を上げる。


「全員で力を合わせて突破するんだ!」


アレンはアンブレラを構え、仲間たちを鼓舞した。


ヴォイドLv2が一斉に襲いかかる。アレンたちは懸命に応戦するが、その巨体と力強い攻撃に圧倒されていた。


「くそっ!こいつら硬すぎる!」


アレンが叫びながら電撃を放つ。しかし、攻撃を受けてもヴォイドは少し後退するだけで、すぐに反撃してきた。


ユアンが泥だらけになりながら叫ぶ。


「アレン!後ろだ!」


アレンは振り向きざまにヴォイドを迎撃しようとするが、その時――


「バッテリー切れ…?」


アンブレラが何の反応もしなくなった。


「しまった…!」


アレンは焦りながらも、必死にアンブレラを振って応戦を試みるが、効果は薄かった。アレンが諦めかけていると、


「大丈夫、まだ諦めないで!」


声とともに電撃が雨を切り裂いた。

レナが飛び込んできて、ヴォイドLv2に電撃を放ち撃破した。


「レナ!」


アレンが驚きながら叫ぶ。


「私に任せて、アレン!」


レナがその小柄な体に似合わないほどの勇気でアレンに声をかけた。



しかし――その瞬間。



ズシュッ!



別のヴォイドLv2がその触手を鋭く突き出し、レナの体を貫いた。


「レナァァァァ!」


突然の出来事にアレンは目を見開き叫び声を上げた。


レナの体は痙攣し触手を伝わり血が吸収されていく。


「このやろぉぉぉ!」


怒声と共にユアンが駆けつけ、レナの体を貫いている触手を切断した。


「くそっ…!なんでこんなことに!」


ヴォイドLv2と対峙しながらユアンが涙声で叫ぶ。


レナの体を支えながら、アレンはレナの顔を覗き込んだ。


「レナ、しっかりしてくれ!」


レナの身体からは力が抜け、貫かれた部分から血が流れ続けている。


「私…お母さん…守れない…みたい…。ずっと…ダメな子のまま…だった…。」


レナは涙ぐみながら消え入りそうな声でアレンに応えた。


「お父さん…お姉ちゃん…許してくれないよね…」


「そんなことない!レナは強くて優しくて、これからいろんな人を守れるようになれる!だから、死ぬな!お願いだ!」


アレンが励ますと、


「アレン…、ありがとう…」


レナは微笑み目から光が消えた…。


「嘘だろっ!やだっ!ダメだ!レナ!レナァァァァ!」


アレンは涙を流しながら彼女の名を叫び続ける。


激しい雨音とヴォイドの唸り声が彼の叫び声をかき消していた。

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