男女の間に友情は……俺はない!私はある!
ちゃんマー
山中政春
それはあの日と同じ寒い夜でした。
真美、俺はまだ気持ちを残したまま、君のことを忘れることが出来ないでいるよ。
「あー、彼女欲しいなあ」
◯◯県にある
「なんで彼女出来ないのかな、やっぱ地元じゃねえし知り合いも少ねえし、
実は元
一般人からは少し冷やかな目で見られてしまう。
その
カタギの
「明日も仕事たるいなあ、とりあえず彼女でもいれば生活に張り合いが持てるのかなあ……てか、エッチしてえ」
二年半の
「ふふふ、今コンビニで
出所して久しぶりに持ったスマホに
「準備OKだ、アプリ起動、ん、プロフィール登録?なんて入れようか」
県外からです、いま仕事で来て居ますがコッチに ほとんど知り合いが居なくて毎日 寂しくて仕方ありません、どうか宜しくお願い致します。 m( _ _ )m
「う〜む、まあこんなもんか、よし登録」
しばらく
シャバの生活にも慣れて仮釈放の
車も買った、少し
刑務所で
今までの人生はゴミ箱にポイして、新しい人生の歯車が音を立てて政春の元へとやってくるのだ。
そんな
そうだった、ピュアーズだ。
なんの展開も見せずに、諦めて放置していたピュアーズのことを思い出した。
なぜか予感があったので、政春は思い出したのだ。
スマホを出して
「やっぱり着てる、アナタのプロフに良いねが着きました?」
政春が登録して居るプロフィールを見た誰かが良いね👍を付ける事で政春に通知が行き、その時点で初めて相手の情報を政春は知るコトができる。
それを政春が見て良いね👍を返すことで、マッチングが成立するのだ。
そんなシステムがどうのこうのは
例えブス、ババアでも良いね👍を返す
そして数秒間目を閉じる。
まるで
相手の
なぜならば政春が目を閉じて居るからだ。
ピュアーズにはサクラがあまり居ないと言う噂がある、それは先に課金を
政春は先に五千円ほど支払っている。
タダではないのだ、政春には己を焦らせてみたり、深呼吸で一旦間合いを切ってみたりと、色々と楽しむ
そして見た。
「おっしゃ、ブスでもババアでもない」
見た瞬間、パチスロジャグラーのGOGOランプがペカった時に鳴る音が頭の中で
写真はボヤけ気味でハッキリ分からない、その写真を穴が開くほど
ソッコー良いね👍を返してマッチング
写真をボヤけさせてハッキリ分からないようにすると言う、テクニックは持ち合わせて居るみたいだ。
「名前はロンロンラー? 外人? 金髪だし」
逢おう、いや、逢ってくれるのだろうか?
向こうはプロフから来てるんだから、逢ってくれない訳はない。
これが少しでも逢うのを拒んできたり、焦らせてくるようなコトであればサクラの可能性がある。
それまでは気を抜くな。
翌日、はやる気持ちを抑えて
連絡と言っても、
その時、俺は用事を
スマホを眺めること5分少々で返事が返って来た。
「ウッソ、
思わず大きな声が出てしまい、電車の乗客から変な顔をされてしまった。
俺としたコトがこれくらいで
なんと、きたメールにはテレホンナンバーが書いてあるではないか、なんと大胆な。
電車内なので直ぐには掛けられないけど、
絶対にかけるので待っていて貰えますかなどと、今思えばかなり動揺していたようだ。
駅に着いて落ち着いた場所を探し、連絡した。
「もしもし」
「もしもし、こんにちは」
「こんちは、あの今日とか逢ったり出来ますか?」
俺のバカめ、焦りやがって。
「今からですか?」
「いや今は用事で県外に来てるので、帰ってからだから夕方くらいになるんですけど」
「はい」
「ん? えっ、良いの?」
「はい」
「あ、じゃ、夕方くらいにまた掛けるね、あ、待って、名前は? ロンロンラーて」
「真美です」
「真美ちゃんね、俺 政春、山中政春です」
「後でね」
「うん、わかった」
ふう〜、どうやら真美ちゃんと今日出来るかも。
逢ってもないのに、もうセックスのことを考えている、俺がどれ程
しかし、声は可愛かった。
あのボンヤリ写真ではフェイスの確認がまだであるし、一番大切な部分をこんな形でおざなりにしても良いのだろうか。
ここまで来て
一か八か顔の確認は後回しで行こう。
そして行けるなら、セックスまで行く。
あんなピュアーズで出逢おうなんて考えるのだから、きっと真美ちゃんだってそう思ってるに違いない。
この時の俺の考えでは、そう思っていたら良いな→そう思ってるのかな→そう思ってる→そう思ってるに違いない、となるのです。
ものすごく勘違い。
きっと幸せだったのでしょうね。
人間は幸せであれば幸せであるほど、
もう用事どころでは無くなった俺は、何をどうやったのかその時の記憶がありません。
そして夕方。
はじめ掛けたら電話に出ない。
俺は狂ったように
「真美ちゃん、どしたの、ちょい遅くなったけど7時に駅の改札口前で大丈夫?」
「ごめん、ちょっと寝てた」
「え? 来れないの? ねえ、来れないの?」
俺は思わず必死になっていた。
「ああ、大丈夫だよ、行くよ」
「待ってるね、来るまで待ってるね!ね!」
何度も待ってるを繰り返して、みっともない限りだが、そんな
俺は急いで家に帰り、お気に入りの黒いパーカーに着替えた。
外に出てちょっとビックリした、めっちゃ寒い。
もうちょっと
そして駅の待合せ場所へと急いだ。
居た!彼女が居た、真美ちゃんだ。
ここからだとまだ少し遠いので顔の確認は出来ないが、約束の場所に居るし
近付いて行って顔をハッキリと確認する。
どうやら俺は賭けに勝ったようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます