男女の間に友情は……俺はない!私はある!
道筋 茨
1 山中政春
それはあの日と同じ寒い夜でした。
真美、俺はまだ気持ちを残したまま、君のことを忘れることが出来ないでいるよ。
「あー、彼女欲しいなあ」
◯◯県にある
「なんで彼女出来ないのかなあ、やっぱ地元じゃねえし知り合いも少ねえし、
実は元
刑務所へ行った事件は覚せい剤取締法違反で、元ヤクザ、刑務所、覚せい剤と三拍子揃って居るのだ。
今度こそはと思い出所して、覚せい剤は暫く辞めて居たのだが、つい3日ほど前に使ってしまった。
自分のやって居ることがバカバカしくてもう笑うしかない、同じことを繰り返して居る。
一般人からは冷やかな目で見られてしまう。
その
この兄貴分も昔はひどいポン中だったのだが、今ではキッパリと辞めて更生して居ると言うが、本当の所は分からない、たまにおかしい時がある。
カタギの
「明日も仕事たるいなあ、切れ目だし、とりあえず彼女でも居れば生活に張り合いが持てるのかなあ……てか、エッチしてえ」
二年半の
「ふふふ、今コンビニで
出所して久しぶりに持ったスマホに
「準備OKだ、アプリ起動!、ん?、プロフィール登録だって、なんて入れようか」
県外からです、いま仕事で来て居ますがコッチに ほとんど知り合いが居なくて毎日 寂しくて仕方ありません、どうか宜しくお願い致します。 m( _ _ )m
「う〜む、まあこんなもんかな、よし登録」
しばらく
シャバの生活にも少しづつ慣れて、仮釈放の
車も買った、少し
刑務所で
今までの人生はゴミ箱にポイして、新しい人生の歯車が音を立て政春の元へとやってくるような気分だ。
そんな
そうだった、ピュアーズだ。
なんの展開も見せずに、諦めて放置していたピュアーズのことを思い出した。
なぜか予感があったので、政春は思い出したのだ。
スマホを出して
「やっぱり着てる、アナタのプロフに良いねが着きましただって、やっと来たか、またせやがって」
プロフィールに (良いね) が付いたら通知がきて相手の情報を知るコトができるのだ。
それを見てOKなら (良いね) を返すことでマッチングが成立する。
そんなシステムの説明は今いらないから、
例えブス、ババアでも (良いね) を返す
そして数秒間目を閉じてみる。
まるで
相手の
なぜならば政春が目を閉じて居るからだ。
ピュアーズにはサクラがあまり居ない、それは先に課金をしているからだ。
政春は先に五千円ほど支払っている。
タダではないのだ、政春には己を焦らせてみたり、深呼吸で一旦間合いを切ってみたりして楽しむ
暫く焦らせたりして楽しんで、そして見た。
「おっしゃ、ブスでもババアでもない」
見た瞬間、パチスロジャグラーのGOGOランプがペカった時に鳴る音が頭の中で
写真はボヤけ気味でハッキリ分からない、その写真を穴が開くほど
ソッコー (良いね) を返してマッチング成立。
写真をボヤケさせハッキリと分からないようにしている、テクニックは持ち合わせて居るようだ。
「名前はロンロンラー、外人? 金髪だし」
逢おう、いや、逢って貰いたい。
向こうから来てるんだ、逢ってくれない訳はない。
これが少しでも逢うのを拒んできたり、焦らせてくるようなコトであればサクラの可能性がある。
それまでは気を抜いちゃいけない。
翌日、はやる気持ちを抑えて
連絡は
その時、俺は用事を
スマホを眺めること5分少々、返事が返って来た。
「ウッソ、
思わず大きな声が出てしまい、他の乗客たちから変な顔をされてしまった。
俺としたコトがこれくらいの事で
きたメールにはテレホンナンバーが書いてあるではないか、なんと大胆な。
今電車内なので直ぐには掛けられないけれど、
絶対にかけるので少しの間 待っていて貰えませんかなどと、今思えばかなり動揺しているようだ。
駅に着くと、早速 落ち着いた場所を探して、テレホンナンバーへ連絡をした。
「もしもし」
「もしもし、こんにちは」
「こんちは、あの今日とか逢ったり出来ますか?」
俺のバカめ、焦りやがって。
「今からですか?」
「いや今は用事で県外に来て居るので、帰ってからだから夕方くらいにどうですか?」
「はい」
「ん? えっ、良いの?」
「はい」
「あ、じゃ、夕方くらいにまた掛けますね、あ、待って、名前はロンロンラーで良いの?」
「真美です」
「真美ちゃんね、俺 政春、山中政春です」
「後でね」
「うん、わかった」
ふう〜、どうやら真美ちゃんと今日出来るかも。
逢っても居ないのに、もうセックスのことを考えている、俺がどれ程
しかし、声は可愛かった。
あのボンヤリ写真フェイスなので顔の確認がまだである、一番大切な部分をこんな形でおざなりにしても良いのだろうか。
これは
ここまで来て
一か八かで、顔の確認は後回しで行こう。
そして行けるなら、セックスまで行く。
あんなピュアーズで出逢おうなどと考えて居るのだから、きっと真美ちゃんだってそう思って居るに違いない。
この時の俺の考えはこうだ、そう思っていたら良いな → そう思ってるのかな → そう思ってる → そう思ってるに違いない、とこうなるのです。
ものすごく勘違い。
きっと幸せなのでしょうね。
人間は幸せであれば幸せであるほど、
もう用事どころでは無くなった俺は、何をどうやったのか、その時の記憶がありません。
そして夕方。
はじめ掛けたら電話に出ないので、気がついたら俺は狂ったように
「真美ちゃん、どしたの、ちょい遅くなったけど7時に駅の改札口前で大丈夫?、大丈夫?」
「ごめん、ちょっと寝てた」
「え? 来れないの? ねえ、来れないの?」
俺は思わず必死になっていた。
「ああ、大丈夫だよ、行くよ」
「待ってるね、来るまで待ってるからね!、ね!」
何度も待ってるを繰り返してしまい、みっともない限りだが、そんな
俺は急いで家に帰り、お気に入りの黒いパーカーに着替えた。
そして外に出てちょっとビックリした、めっちゃ寒いのだ。
もうちょっと
そして俺は駅の待合せ場所へと急いだ。
居た!彼女が居た、真美ちゃんだ。
ここからだとまだ少し遠いので顔の確認が出来ないのだが、約束の場所に居るし
俺は近付いて行って顔をハッキリと確認した。
フッ、どうやら俺は賭けに勝ったようだ。
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