第5話 TRPGの終盤シナリオ
■ 第5部:廃都の中枢 ― “影を封ずる間”
1. 最終決戦:ソロン公との対峙
(A) シナリオ設定
・背景
・PCたちは中盤(第4部)までのラビリンスを突破し、ついに廃都深部の「封印の間」に到達する。
・そこには、この廃都を滅ぼした真の元凶――“ソロン公”の思念(または生存していた本人)が待ち受ける。
・ソロン公の動機
・光学的な遺物と影の魔術を融合させて都市を支配し、自分だけの研究・独占に浸ろうとしていた。
・都市防衛のため“外部からの干渉を一切排除”する仕組みを築いたが、その暴走で都市ごと封印されてしまった。
・ソロン公の有名なセリフ(後述)が「表向きは堅牢な構えを見せておいて、実際は裏手から自在に操作する」という思想を端的に表している。
(B) ソロン公の口調・セリフ例
1.「余こそが真の支配者。余の研究を踏みにじる者は、表から来ようと背面から来ようと…一掃してくれる!」
2. 「貴様らの小手先など、正面玄関で騒いでいるに過ぎぬ。気づかぬか? 余は常に裏へ回ってみせるのだよ。ハハハッ!」
3. 「契約? 印鑑? そんな紙切れなど必要あるまい。余が望むは絶対の独占、全てを支配することだ!」
2. クライマックスの仕掛け
(A) 影の門
・二つの門
1. 偽の門: 正面から眩い光が当たっていて、いかにも「ここが出口」と思わせるが、実際にはラビリンスへ逆戻り。
2. 本物の門: 光を背後から当てなければ見えない位置にあり、“影を照らすと現れる扉”という形式。
・演出例
・PCが偽の門をくぐろうとすると、光学迷彩のように壁が動き、さきほどのエリアへループ。
・〈知覚〉判定や〈鏡操作〉判定に成功すれば、背後の壁にうっすら門の縁が浮かんでいることに気づき、本物の出口を見つけられる。
(B) 黒幕の最終兵器
・反射レーザー or 鏡のトラップ
・ソロン公が制御室を操って鏡の角度を強制的に変え、レーザーを乱反射させる攻撃を仕掛けてくる。
・〈工学〉〈魔術〉などで対抗し、鏡を再配置したり、光源を消したりして回避する。
・複合ギミック
・ファンタジー呪術(闇の魔術)× 工学(光学反射)× 錬金術(怪しい装置による毒ガス?)など、各PCの得意分野を活かして打破させるのが望ましい。
3. 黒幕ソロン公との対話/戦闘
(A) 戦闘展開
・PCがラスボス的存在であるソロン公と直接戦うか、それとも裏で装置を止めるか、卓ごとの自由度に応じてアレンジ。
・ソロン公の能力例:
・高い〈魔術行使〉(影を操り、PCの背後へ奇襲する)
・機械系のトラップ(制御パネルを遠隔操作し、床や壁を動かす)
・高い知性(プレイヤーを言葉巧みに揺さぶる役割)
(B) ソロン公のセリフ
戦闘突入or説得シーンで、以下のようなキーワードを散りばめてください。
・「余は“背面”を好む。正面の飾りなど、契約を踊らせるための見世物にすぎぬ。」
・「余の望みは、外の連中に奪われる前に、すべてを余のものにしてしまうことだ。躊躇など不要。なにが問題か?」
4. エンディング
(A) 封印解除 or 廃都崩壊
・PCが勝利した場合
・ソロン公を倒し、廃都の制御装置を停止。
・影の呪術が解け、光学装置はそのままだが危険は弱まる。
・これにより“背後を見なければ出られない”廃都からPCは脱出。
・PCが敗北 or 中途退却
・ソロン公の封印がさらに強固になり、廃都は完全に隔絶。
・悲壮感のあるバッドエンドも選択可能。
(B) 遺された書物やソロン公の記録
・ここでプレイヤーが古文書を読むと、決定的メッセージが書かれている:
・「光を真正面から当てても虚像しか映らず、真実の姿は陰に宿る」
・「鍵穴の表面など飾り。真の錠は背面に隠されるがゆえに外からは見えぬ」
6. 最後の付録:GMへのメッセージ
【注意】本シナリオ『影宿る廃都』に含まれる
光学装置・背面施錠・鏡トリックなどは、
あくまでフィクションの演出であり、
現実世界での実践を推奨するものではありません。
もしも実在の防犯設備や鍵構造を
裏側から操作しようなどと考えても、
法的責任は負いかねます。
ご理解をお願いいたします。
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