第1話シナリオ
一見ごく普通の健康的な少女に見える女子高生・沙樹。しかし、実際には内部障害を抱えており、余命いくばくもない運命を抱えている。
たとえば、部活。友達と同じものに入ろうとした。だけど、健康上の懸念を理由に許可が下りない。見た目は普通なのに、何故か大人たちに特別扱いされる彼女を、周囲は次第に敬遠していく。かと思えば、見た目が普通なせいで、周囲と同じ成果を要求されることもある。
「生きるのが、怖い」
「死ぬのは、もっと怖い」
そんな彼女の心の叫びに応える者は、誰もいなかった。
****************************
一方、こちらもどこにでもいそうな男子高生・富吉。彼が他人と違うところがあるとすれば、校内で不良と恐れられていることだった。
彼は家庭環境に問題を抱えていた。帰っても大抵、【家族】と呼べるものは誰もいない。夕暮れの中、見もしないTVが無意味についているだけのリビング。たまに誰かいるかと思えば、酒を煽って管を巻いているか、寝てるだけ。自身の存在は、あってないようなものだと感じていた。
だから彼は、色々なことを諦めるようになった。ガマンはしんどいから。無いモノを求めたって仕方ないから。最初からなかったのだと、諦めることを覚えたのだ。
****************************
暗闇の中、膝を抱える少女と少年が出会うのは、もうすぐ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます