第7話

今日は身体に良さそうな冷やしたぬきそばを買ったのだが、どうにも食欲が湧かないので机に突っ伏してた。



「アッハハ、ちょっと何ぃ~?大袈裟ー。それにげっそりしちゃって。夏バテ?」



そんな私を見て嘲笑ったのはきっちり定食Aランチをお盆に乗せてきた千明ちゃんだった。


くそう・・・あんな脂っこい魚・・・今の私には食べたくても食べられない。


1日中エアコンの効いた室内でお仕事している彼女が羨ましく思ってしまう。



「―――――バテもしますよ。最近は外回りが多いもの」


恨めしい気分で彼女を見上げる。


「なにそれ、地味なお仕事こなしてる私への当てつけかなぁ?」



なんでもかんでも自分を卑下するように結びつけるの、そろそろ辞めて欲しい。


鬱陶しくてしょうがない。



「そんなに営業部がいいのなら希望出してみなよ。半年に一回契約更新あるって言ってたじゃない」


「いやよ、なんでよりによってそんな華やかな部署に飛び込まないといけないの。飛んで火にいる夏の虫じゃない」


「いや、華やかとかないから。見てよ私のボロボロ具合。」


「それでも、イケメンさんと営業行けるじゃない。いいなぁ~」



なんか嫌なんだよね、こういうところ。


日を追うごとにこの人のそういうところが際立って見えてくるからイヤになってくる。

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