夢日記
羽津 玲人
夢日記__20160113
遠方の、妙に猫の多い、風情のある下町にて、トラックから荷物を下ろす、トラックに荷物を載せる、等の仕事を泊まりこみで行っていた。
一週間程の予定だろうか。下宿は快適であり、仕事も悪く無い。給料も良いというので気持ちよく働いていた。
そこへ、一日遅れで二十歳前後の若者が一人到着。
すぐさまスキンヘッドの現場責任者(?)が怒鳴りつけ、作業を行う様に命令。
その責任者がトラックの荷台に向かって歩き始めた処、若者が助走をつけた右フックで責任者の首をへし折り、こちらに向かって
「今この人すごいイヤな言い方しましたよね!? ね!?」
と激しく同意を求める。
なんというか割りと幼い振る舞いなのだが、荷台の前では首がへし折れた責任者が死んでおり、取り敢えず刺激しない様に当たり障りのない風に接した。
結果妙になつかれた。
夕方になり、そのまま仕事を教える事に。
気にはなったものの責任者の死体はそのまま、仕事を終えて下宿に戻る。
下宿には野良猫たちが集まっており、その一匹に
「我々の力ではこの街を守る事は出来なかった」
と、無念そうに告げられる。
猫達の視覚を共有してもらい、何があったか確認。
すると仕事場を含む下町の至る場所に、左手に大きくて長い数珠を着けた輩が火を放っており、果敢に足にまとわりついていく猫達に蹴りを入れている。
そして共有した視覚の中で放火の首謀者と思しき男に気づかれ、男はこちら指をさすなり走りだした。そしていきなり下宿に現れた。
黒いスーツに宗教的な文言がかかれた襷(たすき)をかけた五十代くらいの男で、奇声を上げながら首を絞めてくる。
その男に何度か肘を打ち付けてから床に倒し、力いっぱい背中を踏みつけた。盛大に骨の砕ける音がする。
それでも奇声を上げて暴れるので動かなくなるまで頭を蹴りつけ、いつのまにか火が回ってきていた下宿に放置した。
外では先程の若者が車を強奪しており、これからディズニーランドに行くのだという。
乗せてもらおうか迷ったが、唐突に「先程の男はこの若者の血縁かもしれない」という奇妙な直感が降りてきたので断る。
何故そう思ったのだろうかと考えるもわからず、取り敢えず火に包まれた下町を徒歩で逃げる。
死んだ責任者と放火の首謀者が後にどのような扱いになるのか気になったが、それ以前にどうやって家に帰るのか? 収入はどうなるのか? 等々、先々を考えると頭が痛い。
車で逃げた若者からフレンドリーなショートメッセージが次々にスマホに送られ、一応返事を返したりしつつ、暗く勾配の多い道を歩き続ける。
あの若者に乗せて貰うべきだったかと少し後悔した。
いきなり、シャンデリアのプラスチックで出来た似非宝石の集合体の様な投網を被せられた。
いつの間にか現れた放火集団の一味と思しき二人組に襲撃される。
自称・本当はお笑い芸人、と自称・本当は家電量販店の店員、という二人であるが、殺る気満々で首を絞めようと頑張っており、こちらも目に指を入れる等応戦した。
最終的にどちらかを地面に転がし、もう一人の頭を鏡の様に綺麗なビルの壁面に打ち付け、何度か打ち付けているウチに興奮状態で目を覚ました。
寝汗がひどい。
午前三時であった。
こんな殺伐とした夢を見たのは久しぶりで、一体脳内のどんな情報を整理していきついたのか検討がつかない。
というか、何の疑いもなく猫と視覚共有している点が地味に新しい気がした。
その後、通勤中に思い返してみたが、特に大きな不快感も爽快感も無く、
最終的に、
もっと運動をしたほうが良い。
という結論が出た。
要は体を動かし足らんのだろう。
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